磁界少年メット・マグ(正式名称は『磁界少年メット・マグ DOG君からの挑戦状』)とは、スクウェアがDOGブランドで販売したアクションパズルである。販売は今までディスクシステム(両面)のみだが、公式サイトにも販売履歴がきちんと書いてある。つまり、スクウェア史上唯一無二のアクションパズルゲームである。
なお、開発はあの『倉庫番』でお馴染みシンキングラビットであるが、こっちの公式ページには忘れ去られている。
概要
磁力の世界に閉じ込められた主人公である8歳の少年メット・マグと彼を追ってきた同級生の幼馴染の少女、マット・メグのいずれかを動かして、磁極の特性をうまく活用しながら、100面の迷宮をクリアしていくという、ロードランナー+フラッピー+倉庫番+ソロモンの鍵+バベルの塔のような横スクロールパズルゲームであり、かなり高度なアクションも要求される。
なお、全100面をクリアするとパスワードのメッセージが登場し、そのパスワードを送ると認定証がもらえた(現在はとっくに締切)など、かなりチャンピオンシップロードランナーを意識している。また、100面をクリアすると、メッセージの後、元の画面に戻らずセーブができないため、事前の面でセーブしておかないと、また一からやり直しになるので注意。
ルール
タイトル画面で、セレクトか下ボタンを押すと主人公を切り替えられる。なお、少年マグと少女メグのどっちでプレイしても、セーブデータは引き継がれる上に、ゲーム内容とステージ構造、キャラ性能は全く同じ。マグの方はSF世界を意識しており、敵もメカニックなものが多い。一方のメグはファンタジー世界を意識しており、敵もドラゴンやウサギといった動物になっているなど、明らかに少年、少女(ロリ、ショタ)どちらにも受け入れられるように配慮した形跡がみてとれる。
ゲーム内容はマグ(メグ)を動かし、ステージ内のマグネチップを全部回収して出口を目指す。これを100ステージ繰り返すと全面クリアとなる(クリアするとポイントが入り、プレイヤーがエクステンドする)。なお、プレイヤーは最初から磁性を持っており、赤チップならS極に、青チップならN極に、そして黄チップならプレイヤーの磁極が互いに反転する。クリア時にはどっちの極でも良いが、考えて回収していかないとクリアできないものが多い。
また、ジャンプに関してはかなり寛容で、最大横に3マス、天井にぶつかっても最大横に2マス飛ぶことができる、上部には通常1マス飛ぶことができ、ホバリング効果があるため、落下もシビアさはない。むしろ、これがシビアだと無理ゲー化してしまったところである。
作品の軸となる磁力ブロックは、赤(S極)と青(N極)があり、矢印にしたがって磁性が働く。したがって同極同士は反発し、異極同士は吸い付く。これを利用して二段以上の大ジャンプをしたり、浮き上がったりできる反面、穴や磁場にハマったりすることも多い(後述するが敵に当たってもミスはしない)ので、ミスのほとんどはハマり込みによるものである。また二重に磁力ブロックが重なっていると、より強い磁場が働き、三段ジャンプができたりするほか、天井に張り付いたりもする一方で、通行を妨げる障害物となることも多い。
また、マグネタイト(メグではヒロユキという人面石)という磁力を持った石もあり、タラップ(メグではタラッパー)と呼ばれるコンベアに乗せることができたりもする。これをうまく使わないとクリアできないものも多く、よりパズル性を高めている。そのステージの練り込み具合は流石、倉庫番のシンキングラビットといえるものである。
物体転送装置(メグだと魔法の扉)が置かれたステージもあり、双方向、一方通行、切り替えスイッチ付きの一方通行のものがある。
敵がいるステージも有るが、敵はお邪魔キャラなだけで当たってもミスにはならない。ただ、ポイントが減ってしまい、減りすぎて0になると、クリア時のエクステンドがなくなる。また、頭に乗れる敵も多い上、敵に当たらないとクリアできないステージもある。
5ステージごとにボーナスステージがあり、タイムリミットまでにダイヤ(メグはハート)を回収し、ゴールを目指す。だが、これがあまりにシビアすぎて各ボーナスステージでのパーフェクトは至難を極める(わずかなミスで不可能なステージがほとんど)上に、ゴールにたどり着けないとノーボーナス。お前のようなボーナスステージがあるか。
残念ながら、当時で書き換え含め約5万本とそこまで売れなかったために現在でもディスクシステムでしかプレイできない。しかも、一度ステージを始めると、続いてプレイするしかなく、一度ステージを選択した後は、再度プレイを終了し再ロードしないとステージセレクトもできないという不親切設計である。また、ゲームオーバーになると、セーブ時から、その残機をそのまま引き継いでプレイする(つまり、残機0なら1回アウトでゲームオーバー)。ゲームオーバーになると、一度ロードし直すためまたA面に戻す必要があるため、面倒くさいことこの上なし。そのため、残機が減らない簡単な裏技(ⅡコンA+Bを押しながらⅠコンSELECT+下)があり、それ必須である(もはや、残機の意味なくね?)。
100面というボリュームのため、かなりギリギリまで容量を詰め込んだのか、BGMはステージBGMとボーナスステージのみ、キャラのジャンプやマグネタイトを動かすエフェクトはなく、エフェクト音は敵に当たったときと物体転送装置でワープ中のときぐらいである。背景もシンプル。また81面から100面はA面にステージデータを格納しているようで、一度A面→B面→A面としないとロードできない。
なお、過去に攻略本は一冊だけ出ているが75面までしか記載されておらず、76面以降は自力で解くしかない。しかも、77面が全ステージでも指折りの凶悪的難度を誇っており、完全に上級者以外お断りの世界となっている。
続編もなく、VCやアケアカにも縁がなかったためすっかり埋もれてしまったが、アクションパズルゲームマニアにはなかなか面白い作品なので、機会があればぜひとも一度プレイしてみてほしいものである(リメイクはよ)。
関連動画
関連リンク
- 0
- 0pt