バベルの塔とは…
- 旧約聖書の「創世記」に登場する塔である。非常に高いものになる予定だったが、神の介入により建設は中断させられ、完成することはなかった、とされる。16世紀の画家、ピーテル・ブリューゲルの絵でも知られる。
- 横山光輝原作の漫画、「バビル2世」で登場する、超高性能コンピュータの管理する要塞のような施設。主人公たちの拠点。アニメ版では「バビルの塔」になっている。
- コナミの音楽ゲーム「pop'n music」に収録されている楽曲。 → BabeL(BEMANI)
- ナムコからファミコン向けに発売されたアクションパズルゲーム。後に別ハードにも移植された。本稿で解説。
- 銀魂に登場するアイテム→汚れたバベルの塔
「バベルの塔」は、1986年にナムコから発売されたファミリーコンピュータ用ゲーム。
概要
主人公インディー・ボーグナインを操作して、ゴールまでたどりつくのが目的。ゴールが空中にあったり、落とし穴や越えられない段差があるので、独特なL字型ブロックを動かして階段や足場をうまく作っていくことになる。無限に復活する敵がいたりと、少々だがアクション要素もあり。
全64ステージ。純粋にブロックを動かす順番に頭を使うステージだけでなく、落ちてくるブロックを回避するステージや、パワーがギリギリのステージなど、様々な趣向を凝らしている。難易度の高いステージもあり、時々クリアが面倒なステージもあるが、ファミコン黎明期の傑作アクションパズルである(ゲームカタログにも名作の評価)。
エンディングにあるコマンドをタイトル画面で入力すると、さらに難しい裏の64ステージをプレイ可能。
シリーズ化はされてないが、リメイク版がプレイステーション(「ナムコアンソロジー1」に収録)やゲームボーイ(「ナムコギャラリーVOL.3」に収録)でプレイ可能。また、BGMが「太鼓の達人」や「ファミソン8bit☆アイドルマスター」にアレンジされて収録されている。
オリジナル「バベルの塔」
バベルの塔は表64面、裏64面の全128ステージであり、表、裏とも15面までは最初から自由に遊べるが、16面からはいずれもパスワードの入力が必要になる(チャンピオンシップロードランナーと同じようなもの)。なお、当作品ではステージのことをフロアと呼ぶが、この記事では敢えてステージと記述する。ステージ構造は横15マス✕縦28マス(XY軸とも0.5マスがあり、石と水晶玉に限り設置可能)、真下に針山がある。
- インディー・ボーグナイン…本作の主人公でフリーの冒険家。魔法の力で石を持ち上げることができるが、一回につきパワーを一つ消費する。ステージ中にパワーがゼロになる、敵やステージ真下の針山に触れる、石や床に挟まれると死ぬほか、攻略が詰んだ場合に自殺を選択することも可能。ジャンプはできないが階段を一段だけ昇降できるほか、高いところから落下しても問題ない。ただし、石を持ったまま落下すると石に押しつぶされて死ぬ。
- 石…本作のメインギミック。鉤状となっておりインディーが持ち上げることができる。鉤状同士をつなげると階段になるが、逆向きだとつながらない。また、半分の段差でも持ち上げることができることで、パズルとしての深みが増している。石を持ち上げると階段状につながった石は震えて落下しようとするが、元に戻せば石も元に戻る。インディーはその石を持ち上げたまま落下することもできるが、途中で石や床に引っかからないとそのまま圧死する。敵を倒すこともできる。
- 床…左右移動手段。石はすりぬけない。したがって、雲や石に挟まれると死ぬ。また、バベルズが動けるのは床の上だけである。
- ツタ…上下左右移動手段で、いわば「ロードランナー」のハシゴ。石、絨毯、雲はすり抜けるほか、ツタの真上に水晶玉があることも。インディ2人分の幅があるため、ウルとすれ違うこともできる。
- 雲…上下移動手段でインディーや敵が乗ることができる。石を持ったまま乗ることもできるが、天井に押しつぶされると死ぬ。特定の操作をすると雲が床をすり抜けてしまう。
- 絨毯…左右移動手段でインディーや敵が乗ることができる。絨毯が2枚以上連なっている場合、特定の操作をやると真っ二つにちぎれてしまう。
- 水晶玉…インディーの回収目標。全部集めると扉の封印が解ける。ロードランナーの金塊と違い、0.5マス上にも置かれていることがある。一方で上下、左右問わず半分接触すれば回収できる上、空中からも回収可能。また、石やツタとは重なる。
- 扉…インディーの脱出目標。水晶玉がある場合は封印されており、水晶玉を全部回収する、あるいは最初から水晶玉がない場合は封印が解かれている。「ソロモンの鍵」などと異なり、足場がないと脱出することができない。また、一部分でも石に隠れると扉に入れない上、扉が石に隠されている場合もある。また、石を持ったまま入ることもできない。
- ウル…敵キャラの亡霊。石で潰すことができるが、何度でも上から蘇る(殺したX軸真上に復活する)。基本は邪魔者だが、まれに彼らがいないとクリアできないステージもある。
- バベルズ…敵キャラのゴーレム。床の上をゆっくり往復し、左右の空間に石を作る。敵なので触れると死ぬが、攻略に必須なステージも多く、基本はお助けキャラである。
- コウモリ…画面を飛び回る邪魔者。真下に落ちても何度でも上から復活するのでタチが悪い。しかし、ウルと違い、一回潰すとそのステージでは復活しない。
- 針山…いわば奈落の底。インディや敵は当たると死ぬ(敵は真上から復活する)。石もここへ落とすと消えてしまう。ステージの真下に存在。
理不尽なるビッグパスワード
8面おきに壁画ステージというのがある。最初からゴールがあるだけという簡単以前のステージだが、ここでゴールする前に特定のコマンドを入力することで壁画が表示される。
コマンドのヒントはどこにもない。例えば、最初の壁画ステージのフロア8での壁画出現方法は「コントローラーの右上を押し続ける」である。このフロア8くらいであれば、壁画の存在を知っていれば、適当にやってれば出るかもしれないが、後半はもっと難しいものもある。もちろん壁画ステージの意味に気付けなかったプレイヤーはそれまでである。
FLOOR 8
戦士たちの間聖なる騎士は、右目を傷つけた。
上方より落つ銀のおの。
それはたましいの叫びよ。
きつつきの矢のあいずにしたがい、とけいの針は右に回る。
このように、ローラコントの呪文とかいうかえってわかりにくいヒントが出されており(というか答えを知ってても解読困難)、正式なやり方は書かれていなかった(ちなみに、この暗号の解読方法は、フロア数にしたがって飛ばして読めばよい。フロア8の場合、8文字飛びに「右上おしつずける」…フロア48なら4字飛び8字飛びの順番であるが、読めない人が多かった)。
特に裏64面のビッグパスワード表示方法は凶悪さを極めていた(残機を1人にしてから、Bを連続で28回押すとかいう理不尽極まりないものだった)。
壁画は最終ステージの「ビッグパスワード」の答えとなっており、出てきた順番に並べないとエンディングに到達できない。
間違えると風船が割れて残機に関係なく即ゲームオーバーになる。
まあ、コンティニューにリスクは無いし、全部の壁画を出さなくても4、5面もわかっていれば後は総当りでも何とかなるのであるが。
なお、アンソロジー版ではこの不可解なビッグパスワード解読のための古文書が各フロアにちりばめられるようになり、それを手に入れることで虫食い状態のヒントを解読できるようになる(ただし、場所によっては水晶玉以上に難しい場所にある)。
ナムコアンソロジーのリメイク版
ナムコアンソロジーのVolume1にはこのバベルの塔のリメイク版が収録されている。そしてフロアも一部刷新されており、表バベル、裏バベル、そして背景が凝った新バベルの計192ステージが楽しめる(オリジナルバージョンも操作性そのままに収録)。
ただ、裏バベルと新バベルの前半はまだしも、新バベル後半は、正直クソゲークラスの面倒くさい面が多いだけの蛇足である。あと、操作性がかなり異なっており、大きく違う点は以下の通り。
- 石の落下タイミングが早い(表15はオリジナルと同じ攻略法だと石が落下してしまう)
- ウルの足が若干遅い
- 上述の古文書がある(達成度には関係するがクリアには無関係)
- ランプの性能が異なる(すり抜け中にボタンを放しても死なない、床もすり抜けるなど)
- 持ち運んだ石の判定が異なり、オリジナルでは無理だった狭い空間でも石を持ち運べる。
- 天井がない。
- バグ技に近かった、向きを変えながら飛び降りる、いわゆる「ずらし降り」ができなくなっている
- 落下中の石の側面にも判定がある(オリジナル版は石がすりぬけるバグがあった)。
- 水晶玉の個数が3個以上のステージもある(厳密にいえば水晶玉+古文書+インディー+敵+扉+絨毯+雲で合計32個まで)。
- インディーのツタの移動の音の刷新(もうGとは言わせない)
- 背景が凝っており、8ステージごとに背景が変わる。石もメタリックな金属だったり、神秘的なミスリルっぽいものだったり、大理石、レンガ、木製、苔が生えたものもあったりする)。またツタもステージによってハシゴ、ロープ、鎖などがある。
あと、このナムコアンソロジーにはエディット機能が搭載されており、解禁条件は一回でもリメイク版をプレイすることという親切設計。エディット機能は非公式ソフトのX68000版にも搭載されていたが、公式となるとこれが唯一。一部ファンサイトではこのリメイク版を使ったステージを公開しているところもあるので、興味がある人はやってみるといいだろう(ただ、どこも相当難しいが)。
関連動画
関連項目
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