遊戯王アークファイブ俺だったらこーしたシンクロ次元編とは、ニコニコ静画にて投稿された、鷹村剣次氏作のファンコミックである。
タイトル通り、アニメ「遊☆戯☆王アーク・ファイブ」の途中から派生するifストーリーの架空デュエル漫画。
「俺だったらこーしたシンクロ次元編」は全29話で完結、その続きから始まるオリジナルストーリーの新章「五つの次元編」を連載。作品タイトルもそれに準じている。通算78話を以て本作は完結と至った。
なお、鷹村氏は本作執筆以前、ニコニコ動画の方で他の作品の二次創作アニメを制作していた。
概要
タイトル通り、物語がシンクロ次元編に突入した直後から始まるifストーリー。(アニメ第55話の「ユーゴvsデュエルチェイサー227」戦まで原作通り)
作者曰く「作画は更新ペースを優先してとことんサボる」[1]らしいが、その言葉に反してモンスター作画や構図に定評がある。
第5話からペン入れもされており、本格的なデュエル漫画として楽しめる仕上がりとなっている。
毎週金曜日(正確には木曜深夜)更新。ただし、前後編の後編となる37話と47話、76話は例外として更新の翌日、土曜日に更新された。
基本的に、アニメに登場したカードの効果は出来る限りOCGに合わせる形となっており、アニメでは登場していない関連カードも積極的に使用。
また、既存OCGカードの活躍も広く描かれており、モブキャラクターやARC-Vのシンクロ次元に登場するサブキャラクターの一部はデッキ内容が変更されている場合もある[2]。
ただし、中には未OCG化カードや本作オリジナルのカードも使用している。後者の場合は例外を除き、既存の切り札を中心に話を進めるために展開上差し込んだもの。
本作のアクションデュエルの扱いも後述の通り大きく変化し、ご都合主義感を減らしつつ一枚一枚のアクションカードの取り合いも重点的に描かれている。
話の内容も、「俺だったらこーしたシンクロ次元編」の大筋はシンクロ次元編をなぞる形となるが、その中身は大幅に変わっており、各キャラクターの交友や出番配分も大きく変化している。
キャラ付けや解釈が変化しているキャラクターもいるため、シンクロ次元以降のアニメとは似たような別物の話として見た方がいいだろう。
新章「五つの次元編」では、「俺だったらこーしたシンクロ次元編」とは地続きの、本編とは全く異なるストーリーが展開される。
新たなタイトルイラストには、アニメ本編に存在しないオリジナルキャラクターと思わしき人物が描かれている。
「俺だったらこーしたシンクロ次元編」においてはオリジナルストーリーの伏線や独自設定こそあれ、オリジナルキャラクターは存在していなかった。
また、オリジナルキャラクターの設定に併せ、オリジナルカードメインのデッキ構成を解禁している。但し、オリジナルカードが適切と成る明確な理由があっての使用である。
通算50話で「五つの次元編」のストーリーが一区切りとなり、51話以降は新章ということになっている。
これに併せ再度タイトルイラストを一新。新たなタイトルイラストでは、遊矢が本作オリジナルのアイテムを手に持っている姿が描かれている。
そして全78話+番外編を以て無事に完結。何と一度もペースを落とすことなく週1更新を守り抜いた。
オリジナルキャラクター紹介
以下ネタバレ注意。
ユーゼ
榊遊矢の中に潜んでいた「闇」の正体という設定のキャラクター。黒を基調とした服装に、榊遊矢と同じ顔立ちを持ち、また覚醒遊矢を意識した髪型をしている。立ち位置などから、登場自体はこちらの方が早かったが、アニメに登場した「ズァーク」の本作版ともいえる存在である。一人称は「私」。
4つの次元が繋がってしまったことがきっかけで生じた本作オリジナルの不安定な世界「ペンデュラム次元」で生まれた初めての生命と自称している。
ユーゼは己を遊矢の内面に在った「影」であり、「破壊衝動」「力の渇望」とも語っており、ユーゼ自身はそれを隠そうとせず、物言いも尊大。
遊矢が見せたユートとの魂の統合を利用し、ペンデュラム次元の「究極のカード」に触れた遊矢とデュエル、「魂の共通因子」を持つ彼を下したことで魂の統合により遊矢の肉体を獲得し現世に君臨。全ての次元の消滅を目論見、行動を開始する・・・。
デュエル中遊矢に己の名を呼ばせようとしているが、別に某神拳伝承者の義兄を意識したわけではない。
使用するデッキは本作オリジナルカード群の【フラクタル】。フラクタルは単語記事の通り自己相似性を持つ複雑な図形であり、整数でない次元を表現できる図形である。
自己相似性を「魂の共通因子」を持つ決闘者に見られる同じ顔つき、整数でない次元の表現要素を4つの次元のゆらぎによって生まれた不安定な世界である「ペンデュラム次元」に当てはめ作られたものである。
「フラクタル」モンスターに共通として、属する全モンスターがペンデュラムカードであり、OCGに存在しない融合・ペンデュラムモンスター《フラクタルアイズ・サンダー・ドラゴン》も存在する。ペンデュラムスケール以外のフィールドで破壊されるとペンデュラムスケールに送られ、ペンデュラムスケールから離れる時はどんな送り先だろうと必ずエクストラデッキに送られる。そのため、ペンデュラムスケールから除外・デッキバウンスを狙うことは不可能。
また、「自己相似性」ということで所属カードの全てが「EM(エンタメイト)」と「オッドアイズ」のコピー。「EM(エンタメイト)」のコピーカードは「FM(フラクタルメイト)」、「オッドアイズ」のコピーは「フラクタルアイズ」となっている。共通効果以外の効果は殆どが元となったカードのカテゴリを「フラクタル」に変更しただけのものであり、遊矢と鏡写しの存在であることを強調している。元と違う効果があっても細部エラッタ程度。
OCGではこうした遊矢のカードと対称的なカードがなかったため、オリジナルカードとして打ち出したものであるが、モンスターをコピーカードに留めることで「オリジナルカードの何でもアリ感」を軽減している。
「フラクタル」故か所属カードはフラクタル図形の意匠が確認でき、一部カードはデザインにもフラクタル図形が取り入れられている。また、ユーゼの設定故か、「フラクタル」モンスターのネーミングも、無機質なものや、より攻撃的で破壊的なものになっている。
カオス
「破滅の光」と「ダークネス」という、GXにおいて巨悪だった相対する二つの存在が偶発的に融合して誕生した、光と闇の存在。融合次元を蝕む根源となっていた存在であり、融合次元の『究極のカード』に棲みついていた、本作のもう一つの元凶ともいえる存在。
元となった存在同様、本人自体は特定個人ではなく、概念のような存在であり、無数に存在し、他人を乗っ取って操ったり他人の姿を象ったりする。
作中では赤馬零王らに憑りついていた他、相対する天上院明日香やエド・フェニックスの姿(服装はARC-V版であり、デッキは異なる)に化けてデュエルを行ったこともある。
特殊ルール
アクションデュエル
アクションデュエルが開始された際、フィールドにアクションカードが2枚紛れ込む。
取得したアクションカードは、デッキの好きなカードの代替として使用することができ、タイミングが正しければ好きなタイミングで使用が可能。
このようにアニメから大幅に趣を変えており、アクションライディングデュエルに於いても同様の措置がとられている。
ダークネスフィールド
「五つの次元編」で登場したオリジナルルール。
過去のアニメでいう《スピード・ワールド》同様に各デュエリストがDカウンターを個別管理。デュエル中条件を満たすことでDカウンターが溜まり、Dカウンターを取り除くことでメリット効果が得られる。また、同ルール同様カード効果でDカウンターを溜めるカードも存在するようだ。
現在の特殊項目は以下の通り。
Dカウンターを溜める
- Lv8以上のモンスターを召喚・特殊召喚:Dカウンター+1
- トークン以外のモンスターで自分のモンスターゾーン5箇所を埋める:Dカウンター+1
- 相手に一度に2000以上のダメージを与える:Dカウンター+1
- 相手からターン中に3000以上のダメージを受ける:Dカウンター+1
- ライフポイントが500以下になる:Dカウンター+2
Dカウンターを使用する
関連漫画
第1話 | 第30話(五つの次元編1話) |
---|---|
第50話(五つの次元編新章) | 第78話(最終話) |
関連項目
脚注
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