モブキャラクター(とは、漫画やアニメ・ゲームなどの創作作品における端役のこと。直接物語に関係してこない主要キャラクター以外の群衆のことである。略してモブキャラ、あるいは単にモブと呼ばれる。
「モブ」(英:mob)は、「群衆」の意味で、モブキャラクターは和製英語。
概要
元々、「モブキャラクター」という単語は少なくとも1970年代の日本のアニメーターの間で使われており、当時のアニメ雑誌にもよく登場する。これは「ウジャウジャと群衆状態になったキャラクター」という意味であり、一度に画面に沢山映る人物たちの総称である。
具体的には、スポーツの試合の観衆や野次馬などの群集、街中で一瞬映るだけの通行人、主人公達に一瞬で倒される軍勢などの「その他大勢」のこと。原則として名前やセリフは存在せず、場合によっては背景とほとんど同化しているため、背景キャラと呼ばれることもある。作画も主要キャラクターと区別できるように無味な顔で描かれたりする。実写映画やTVドラマで言う群衆シーンのガヤ、エキストラに相当するキャラクターである。
作品における位置付けは脇役よりもさらに低く、物語の最も外側に位置する。脇役が重要度が低いながらも個として物語に関与してくる役柄であるのに対し、モブキャラクターは個性を必要とせず、直接物語に関与しない役柄である。
漫画では見開きでたくさんの人物がゴチャゴチャ描かれていたりすることがよくある。そのシーンを「モブシーン」と呼ぶ。モブシーンには一度に100人ぐらいが描かれることもある。
派生
近年ではキャラクターの作り込みも複雑になり、ストーリーに関与しない端役でありながら名前や性格など詳細な設定を付けることで世界観を複雑に見せたり、モブキャラクター・端役の中に後の主要キャラクターを紛れこませたりといった手法も確立され、主役・脇役と、端役・モブキャラの境界が曖昧な作品も多くなってきている。
そのため、俗語として「モブキャラ」の指す範囲も曖昧に広がり、「通行人A、生徒B」など、群衆状態になっていなくても個が薄くストーリーに関与しない端役や、名前や台詞などある程度のキャラクター性を持ちながらも端役の域を出ないキャラクターもモブキャラと呼ばれることがある。
また逆のパターンとして、本来はメインキャラクターの一人であるはずなのに作中での存在感が薄い(あるいは、最初はそうではなかったが後に影が薄くなった)キャラクターを皮肉ってモブキャラと揶揄することもあったりする。ヤムチャとか三沢大地とか。
モブキャラの楽しみどころ
ほとんどの場合は名もないその場限りの出演ではあるが、遊びやすいところでもあるため、作者やスタッフのこだわりや遊び心が含まれる場合がある。
漫画では、作者の別の作品のキャラクターや、親交のある作家のキャラクターなどをモブキャラクターとして登場させる遊びが見られる。手塚治虫は大ゴマを使ったモブシーンをよく描き、その中にギャグキャラクターである「ヒョウタンツギ」や、弟子である藤子不二雄の「ドラえもん」「オバケのQ太郎」を描き入れている。そしてお返しに藤子不二雄は手塚治虫本人をモブシーンに登場させている。こういった形での作者同士の交流は現在でもよく行われる。
また、中にはモブキャラ・端役から主要キャラクターへの昇格を果たすケースもある。例えば、らき☆すたの日下部みさおと峰岸あやの(背景コンビ)は、原作漫画での初登場時には名前すらない端役だったが、後にはキャラソンが発売されるほどの人気キャラクターへと出世した。
アニメではメインキャラの声優陣やスタッフなどがガヤとして声を当てたりする。時には後に大成する声優が当時はまだ駆け出しの新人として声を当てていたり、逆に意外なベテラン声優や、監督、原作者などが声を当てるなどの遊びが行われることもある。「らき☆すた」ではモブキャラ・端役の声が全て大御所声優である立木文彦とくじらによって充てられるという遊びが行われた。また「ONE PIECE」ではメインキャラ声優が端役を担う際、「粗忽屋 ○○店」という変名義を使う遊び心を見せている。
アニメでは背景を白く飛ばすことがやりづらいため、例えば学校の教室のシーンなどでは毎回同じ「その他大勢」が背景に映り込むことになる。このような場合にリアリティを損なわないために、クラスメイトなどのモブキャラにアニメオリジナルで通常より細かい設定が付加されることがある。容姿・名前・性格などの個性が付与されたキャラクターは最早通常のモブキャラの範疇に収まらないが、物語の進行上「入れ替え可能な個」であることから脇役とも言い難い微妙な立ち位置にいる。「けいおん!!」「みつどもえ」などのクラスメイトの描写の緻密さは特に有名で、これらの作品ではモブキャラに固定ファンが付いているほど。
「Another」は更に特殊で、クラスメイト全員に細かな設定を付けることで、物語が進行するまで誰が主要キャラクターなのかわからないという構造を作ることに成功している。終わってみれば主要キャラクターとその他大勢のモブキャラにはっきり分かれるが、冒頭ではクラスメイト全員が主要キャラクターであり、かつ群衆の一人になっているのである。
また、モブキャラは何でもいいという特性から、大群の中に有名なキャラクターをこっそり混ぜていたりする。たとえばGガンダムの「各国代表ガンダムたち」の中に、初代ガンダムをはじめとした過去作のガンダムたち、更にはザンボットやダンバインといったサンライズアニメのロボットが混じっているシーンがあった。
モブキャラについて並々ならぬ関心を寄せ、このモブは他のどのシーンに登場しているのか、声優は誰なのか、名前はあるのか、性格はどんななのかを探求し続けている人々が存在する。詳しくは「MOBの人」を参照。
記事のあるモブキャラクター
脇役とも呼べない程度の端役・モブキャラクターのうち、ニコニコ大百科に存在している、本人そのものの記事や本人に関連するネタ・セリフを取り扱った記事の一覧
けいおん!モブキャラ
Anotherモブキャラ
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