鉄の竜騎兵とは、松本零士氏著作の漫画「戦場まんがシリーズ 鉄の墓標」に収録された短編である。
概要
大東亜戦争末期に行われたフィリピンの戦いを舞台に、バイク乗り同士の戦闘を描いた物語。鉄の竜騎兵とは、バイク乗りの兵士を指している。OVA作品「ザ・コクピット」では第三話として映像化されている。
あらすじ
フィリピンに展開していた第二八独立野戦重砲連隊は転進命令を受け、慌しく移動の準備をしていた。連隊に所属する古代一等兵と日本兵(名前不明)は、「どっちに行っても敵に囲まれている」としてマイペースに酒を飲んでいた。そんな中、砲兵将校が無謀にも敵陣に向けて重砲を発射。間もなく反撃の砲弾が雨のように降り注ぎ、古代一等兵たちは塹壕に隠れて助かったものの連隊本部は壊滅。焼け野原と化した[1]。
そこへ年少兵の宇都宮一等兵が側車付きの陸王で陣地に駆け込んでくる。彼の話によると南100kmの地点にあるカラケチル飛行場が米軍の攻撃を受けており、重砲連隊に援軍を求めてきたようだった。しかし既に陣地が壊滅している連隊に、出来る事は無かった。宇都宮が眠っている間に連隊は完全に撤退していたが、陸王は遺棄された武器や廃部品によって修復強化されており、持ち主の宇都宮一等兵を唸らせた。ただ一人残っていた古代一等兵によると、「自称、日本一」の自動車整備中隊員が修理したというのだが…。
そして二人は陸王に乗り込み、彼らだけでカラケチル飛行場を目指すのだった。しかし道中には様々な敵が待ち受けていて……。
登場人物
- 古代一等兵(CV永井一郎)
物語の主人公で、酒好きなおっさん。自称戦闘の専門家で、「重機も軽機も自走砲も何でもあつかえるし、車にも乗れるし、メシも炊けるし、歌も歌える…もちろん酒も飲める…」との事。カラケチル飛行場に戻ろうとする宇都宮一等兵の側車に乗り、機銃手を担当。何気にバイクの運転が上手い。ちなみに「宇宙戦艦ヤマト」の主人公・古代進の先祖である。
- 宇都宮一等兵(CV山口勝平)
カラケチル飛行場から援軍を求めてやって来た少年兵。内地から陸王とともに派遣されてきたらしく、陸王を自分の分身として大切に扱う。古代一等兵とともにカラケチル飛行場を目指すが、既に敵の手に落ちている事を悟る。それでも友達と約束したからと飛行場突入を目指す。鹵獲された三式戦闘機との戦いで背中(OVAでは腹部)を負傷。それが原因で死亡した。
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関連項目
脚注
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