静かなる消失(A QUIET EXIT)とは、『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』における45番目のChapterである。
概要
クワイエットとの親密度が最高になると受注できるようになるサイドオプス150『クワイエット確保』を遂行するとそのまま自動的に発生するゲーム終盤のエピソード。
突発的に開始されるが『メタルギアソリッドV』の中でも高難易度のミッションとなっているので装備を整えてから臨みたい。
ツーマン・セルで還ってこい
突如として姿を消し、ヘリに紛れてアフガニスタンへ逃走したクワイエット。
知りすぎた彼女を野放しにはできず、追って現地へ降り立つヴェノム・スネーク。
しかし、クワイエットはすでにソ連軍に捕まりどこかへ移動させられていた。
インテリジェンス・ファイルから移送先がラマー・ハーテ宮殿だと突き止めたヴェノムは、擁護派が増えてきた最中なぜクワイエットが自らダイヤモンド・ドッグズを離れソ連軍に身をゆだねたのか、真意を探るため宮殿へと向かう。
そのヘリの中でコードトーカーから衝撃的な事実が告げられる。クワイエットの喉には寄生虫がいた。しかもそれはあってはならない英語株だったのだ。スカルフェイスから虫の運び屋兼最後の切り札としての役割を与えられたのがクワイエットであり、そのロールを拒否した彼女が喋らない理由もそこにあった。
クワイエットは部隊に残り続けるため永遠の沈黙を貫くことを決意したが、隔離プラットフォームでの突然変異種の事件がそれを挫いた。声帯に虫を宿している限り何かの要因で“目覚め”が起こる。英語株を発症させないための自己犠牲の精神で部隊を去ったのである。
いずれにせよ、スカルフェイスが残した負の遺産を封じ込めるためにも彼女を回収、もしくは始末しなければ。
宮殿ではクワイエットは呼吸が抑制される服を着せられ、多くの同胞を彼女に奪われたソ連軍兵士から拷問を受け、強姦されようとしている最中だった。
耳を食いちぎり金的を喰らわせ、踊るような動作でナイフを閃かせて兵舎内の敵を片付けたクワイエットと合流したヴェノムは給水タンクで消火活動を行うと、周囲を囲むソ連軍の包囲網をいつもの調子に戻った狙撃手との共闘で撃破。これで全部片付いた思い固い握手を結ぼうとする二人……しかし一台の戦車が生き残っており、クワイエットはヴェノムを庇うように前に出て大地を咬むキャタピラ目がけロケットランチャーを撃ち込むも、戦車からの砲弾が着弾して意識を失ってしまう。
砂嵐が吹き荒れ新たな敵が続々と集まる中、碌な装備はおろか水も太陽もない荒野を、こちらの声は届かない無線越しに指示されたランデブーポイント目指し、クワイエットを担ぎながら疾走するヴェノム。
辺り一面にソ連軍の戦車隊が集う。一時毒蛇が這う岩陰に身を隠し息をひそめるも、一人のソ連兵がすぐそこに。直後、銃声が鳴り響く。その弾丸が捉えたのは二人ではなくさきほどのコブラだった。重装備の兵士は“敵”の発見を諦め去ってゆく。しかし、コブラは二匹いた。クワイエットを狙っていたソイツに自らの腕を差し出して噛まれ、叩き潰すもヴェノムは気を失う。
それから少ししてクワイエットの意識が目覚めたときもヴェノムは未だ失神していた。潰れた毒蛇と腕の咬み傷から事態を悟った彼女は患部に口をつけ毒を吸い出す。その時、無線から応答を願うピークォドからの声が。しかし、砂嵐は完全には去っておらず機影は見えない。何か音を発するものは――二人して弾丸はもう撃ち尽くしてしまっているし発煙筒の類も見つけられない。ピークォドがこれ以上の待機は難しいと懇願のように叫んでいる。
〈エイハブ、聞き取れない。何と言った?〉
ナバホ語での疎通を試みるも当然通じない。
〈何を言っているのか分からない。英語は喋れるか?〉
「急げ、ボスが死ぬ。」
これ以上は無理だ。ピークォドは通信を切って一時退避しようとしている。
それはたった一つの方法だった。覚悟を決めたクワイエットはヴェノムの耳を塞ぎ息を大きく吸い込む。
キプロスの病院で自分の存在に火を放ちこんな身体にした男への報復心を捨て去った彼女は綺麗な発音で世界共通言語を口にしていた。
「助けに来て、お願い」
〈場所を教えてくれ。位置はわかるか?〉
砂嵐は相変わらず視界を消し去っていたが、虫たちが砂塵の向こうにあるピークォドの位置を知らせてくれた。
「旋回して。8時」
〈了解。誘導してくれ〉
「10時の方向……戻して、1時。……微調整、左。……そのまま直進。あと、1.5。そうもっと右……もう少し……あと1マイル。風が来る、微調整右!……左、少しだけ……あと0.5……見えた、機影を確認」
〈エイハブ、こちらも見えた!……君は……そんなに“お喋り”とは知らなかった、クワイエット!〉
こうして喉に宿る最終兵器を覚醒させ自身の命を奪う禁断の言語を口にすることで彼女は仇の命を救い、その姿を目に焼き付ける。
医療班から血清を打たれたヴェノムが目を覚ますと傍にクワイエットの姿はなかった。足跡をたどると一本の木にテープがくくり付けられている。そのテープには「クワイエットでいたくなかった」、「言葉を使って気持ちを伝えあいたかった」という彼女の想いが録音されていた。
クワイエットに与えられた言葉は『報復』だったが、彼女は感謝の言葉を使い、静寂に帰ったのだった。
余談
ゲーム本編ではクワイエットは風のように去り、その後どうなったかは描写されなかったが、小説版においてはソ連とアフガニスタンの国境線でガソリンを被り焼身自殺したことが描かれている。
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関連項目
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