201系(ニヒャクイチケイ)とは、1980年前後くらいから登場した日本国有鉄道の直流通勤型電車である。
正式な名前は国鉄201系電車。
ちなみに読み方は「にひゃくいちけい」や「にーまるいちけい」などがあるが、どちらが正しいかは不明。
みなさんどうぞ好きなように呼んでください。
概要
時は昭和50年代半ば、103系ばかり作るのにいい加減飽きてきた国鉄は、
103系の後継車両として1979年に試作車、1981年に量産車を製造し201系をデビューさせた。
丁度オイルショックもあってか、国鉄で初めての電機子チョッパ制御を採用し電力回生ブレーキを装備した「省エネ電車」として、また15年以上103系ばかり製造され続け久しぶりの新型通勤用車両とあってか華々しくデビューした。
(※電機子チョッパ制御について詳しくはWikipediaなりを参照すると分かりやすいかも。)
前面は左右非対称型で、上半分の大半を用いた黒い鋼製パネル(通称 ブラックフェイス)をはめ込み黒のアクセントを効かせた斬新でとてもナウいデザインは高く評価され、今までの通勤型電車のイメージを大きく変えた。
こうして201系は、才色兼備で前途有望な次世代型通勤車両のスタンダードとして日本鉄道車両界を引っ張っていく存在となる
・・・はずだった。が、
電機子チョッパ制御の採用などで製造コストが思いのほか高くついたということで、
深刻な財政難真っ只中の末期の国鉄にとってコスト高車両は非常に厄介な存在という事になってしまった。
そんなこんな言ってるうちに201系よりも軽量で安い205系とかいう銀色のソックリさんが登場。
結局201系は5年ほどで製造を打ち切られる不遇な車両となってしまったのであった・・・。
101系の置き換え用として中央線に初めて登場してから、
JR東日本では他に、総武線、青梅線、五日市線、京葉線などにも導入され、
JR西日本でも東海道本線・山陽本線(JR京都線・神戸線)を中心に導入された。
特に中央線と京葉線には分割編成(6+4)もあり、首都圏から近郊路線・地方私鉄乗り入れに重宝された。
なんだかんだいって結局1,000両近くも製造され30年以上にわたり活躍する事になる。すごいぞ201系!
東日本所属車は大型の排障器が、中央線快速用には電動式大型種別表示機が追加され、顔つきが固まった。それでも押し寄る年波には勝てず、2005年ごろから東日本では老朽化にともなって次々とリストラが始まっていった。
特に中央線では超過密ダイヤや最長東京~河口湖などの長距離運用などによる酷使で「故障頻発・床下からきしみ音・走る音はジェット音」状態の車両が続出。2006年から後継車E233系による置き換えが始まって以来、急速に姿を消していった。そのE233系投入完了後も三鷹駅 - 立川駅間での高架化工事で予備編成が2組必要となり、最後はH4編成とH7編成が残った。これらも2010年に完全退役。2010年10月17日のH7編成の長野総合車両センターへの廃車回送を兼ねた松本駅までの臨時団体列車を以って全ての運用を終了した。
京葉線にも2010年からE233系5000番台が導入され、JR東日本では2011年6月20日をもって完全に消滅してしまった。
一方、JR西日本では・・・
「古い車両を末永く大切に使っていきましょう」という方針の下、
103系と共に大幅なリニューアルが施され、内装面では新車に引けをとらない立派なものになった。
新型車両がどんどん導入されている東海道・山陽本線(JR京都線・神戸線)区間からは引退となったが、
2005年度はらオレンジ色となって大阪環状線(4M4T)、2006年度からウグイス色に塗られて大和路線・おおさか東線など(4M2T)に投入される。
なにぶん、快速・特急以外はほとんど103系しかいないような線区だったので
新しい引越し先では新型車両扱いされる事になった
・・・かどうかは分からないが、
先輩である103系が現役バリバリの主力として頑張っているような区間である事と、
いまだにリニューアルされていない103系中心の阪和線や旧型車両天国の広島岡山地区という
(大阪環状線・大和路線を追い出されても)将来の活躍の場も約束されている状況から考えると
今後も西日本を中心に末永く201系が活躍することは間違いないだろう。
201系の未来は明るい!!
当初は全車大阪環状線に転属予定だったが、3種類の編成(4M2T2Tc・4M4Tc・6M2Tc)が出来上がってしまうため、一部奈良への転属変更を余儀なくされている。しかしその分、京阪神所属時には見られなかった快速運用を目にする姿がたまに見られるようになった。1日2往復限定であるが、環状線所属の朱色編成で運転される大和路線区間快速に201系が充当され、窓や屋根の見た目こそ違うものの、往年の中央特快を彷彿とさせる走りっぷりで大和路線を駆け抜けていたが、この運用も2016年10月1日を以って終了し、オレンジ色の201系が快速運転する姿は見られなくなった。
なお、大阪環状線では2016年度~18年度にかけて新型車両の323系に置き換えられることが発表されている。2017年3月4日以降は日中の環状運転のほとんどが323系に置き換えられ(201系による環状運転は6運用中1運用のみ)、専ら朝夕ラッシュ時運用と桜島線直通または線内折り返し運転に充当されていた。その後も何度も運用を変更しては323系に置き換えられ、2019年6月7日をもって大阪環状線・JRゆめ咲線から引退した。
大阪環状線から撤退した編成は主に車齢の古い編成が編成ごと廃車、新しい編成は6連化されて奈良支所に転属した。
土休日だけながら、区間快速・快速運用も存在し、(色は違えど)まだまだ中央快速線を彷彿とさせてくれる風景は見ることはできる。
しかし、2024年度までに東海道・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)に投入された225系によってねん出される221系に置き換えられ、全廃することが決定してしまった。2024年後半も細々と運用に就いているが、検査周期から運用可能期間も長くなく「省エネ通勤電車」もいよいよ終焉の時が迫ってきていたなか、播但線運用が残っていた網干所属の221系2本が2025年3月に奈良に転属。201系の運用を221系に置き換え2025年3月14日に定期運用を終了した。また、これに前後する形で奈良から宮原などへ疎開回送が行われている。
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関連項目
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