E・HERO アブソルートZeroとは、漫画「遊☆戯☆王GX」に登場するカードである。
概要
プロデュエリスト、響紅葉が使用する最強HERO。フィールド上の自身を除く水属性1体につき攻撃力が500アップする効果を持つ。
紅葉が世界の頂点に立つこととなったデュエル大会決勝戦でのフィニッシャーとなったカード。この光景を見た幼き日の万丈目は、紅葉にあこがれるようになる。万丈目が紅葉と、「光と闇の竜」に会う1年前のことである。
十代VS万丈目戦では十代が使用する。
フィールドの「E・HERO アイスエッジ」と手札の「E・HERO オーシャン」を融合素材として融合召喚された。
「エレメント・チェンジ」でフィールド上のモンスターを水属性に変化させてこのカードの攻撃力をアップさせるという、紅葉のデッキにはなかった戦術を取り、「ダークエンド・ドラゴン」を戦闘破壊した。
アブソルートZeroの奥にかつて憧れた決闘者、紅葉の幻影を見る万丈目であったが、その後、目の前にいるのは十代であり、倒すべきライバルであることを再確認、「竜の巣窟」で「ライトエンド・ドラゴン」を特殊召喚し、ライトエンドの効果でこのカードの攻撃力を下げ、戦闘破壊した。
最終決戦、十代&万丈目VSトラゴエディア戦で再登場。
フィールドの「E・HERO エアーマン」と墓地の「E・HERO オーシャン」を融合素材として「ミラクル・フュージョン」で融合召喚される。「E・HERO Great TORNADO」と共にトラゴエディアに攻撃を仕掛けた(どちらがダイレクトアタックしたかは不明)。直後に「コンストレック・エレメント」でTORNADOと共に「E・HERO The シャイニング」、「E・HERO フレイム・ブラスト」に再構成された。
作中では「再構成」としかされていないので、ルールの処理としてこのカードがどこへ行ったのかは不明。
攻撃名は「Freezing at moment」、「瞬間氷結」。紅葉が使用した際は単に「Freezing at moment」とだけ表記されていたが、十代が使用した際は「瞬間氷結」に「Freezing at moment」がルビとなる形で表記されていた。
効果を使用すると両手が刃に変わるようで、紅葉が使用した際はそれがなく、VS万丈目戦の十代が使用した際はあることから、効果を使用すると「瞬間氷結」がつき、しないと単に「Freezing at moment」であるとも考えられる。
単に演出の都合であるとも考えられるが。
攻撃の際は多数の氷弾を飛ばしながら突撃する。ただし、VSトラゴエディア戦では単に突撃して攻撃していた。
カード名の「アブソルートZero」(absolute zero)は「絶対零度」を表す。
物質のエネルギーが最低である状態、とどのつまりこれ以上は下がらないとされる温度のことで、-273.15℃とされる。熱力学温度における0K(ケルビン)。いちげき ひっさつ!
ちなみにアブソルート(absolute)は「絶対的な」という意味。「アブソリュート・パワーフォース!」のあれである。
OCG版
ジャンプコミックス「遊☆戯☆王GX 4巻」(2008年11月4日発売)の付録カードとしてOCGに登場。このカードの初登場話は5巻収録なので、フライング収録である。
融合・効果モンスター
※「遊☆戯☆王GX 4巻」収録のカード(YG04-JP001)による
星8/水属性/戦士族/ATK 2500/DEF 2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
漫画版でははっきりと分からなかった融合素材の指定が、「HERO」+水属性、とされた。また、融合E・HEROが共通して持つ融合召喚でのみ特殊召喚可能な効果が追加され、攻撃力アップは自身以外の同名モンスターを数に含めなくなった。そして一番大きいのがフィールドから離れたときに「サンダー・ボルト」を撃てるような効果の追加である。
素材の縛りは非常に緩く、HEROメインのデッキでなくとも、水属性がある程度あり、融合主軸のデッキなら若干のHEROを加えることで融合が可能。水属性には融合素材代用効果を持つ「沼地の魔神王」がいるので、水属性の確保も難しくはない。また、同じE・HERO内では「E・HERO バブルマン」や「E・HERO オーシャン」がある。
また、E・HEROデッキで「超融合」を用いれば水属性モンスターの除去として使用することもできる。
よく見れば分かるが、属性融合のE・HEROで唯一、素材指定が「HERO」と名のついたモンスターである。D-HEROなども融合素材にできるので、覚えておくといいだろう。
自己強化はE・HEROデッキでは運がよければ程度だが、水属性デッキで力を発揮する。展開力の高い「ガエル」デッキなどでは大幅な強化が望める。また、こちらが水属性デッキを相手にした場合に有利な効果でもある。
そしてもっとも強力なのが最後の全体除去である。
発動条件が「フィールド上から離れた時」なので、破壊されてもされずとも、墓地へ行っても除外されてもエクストラデッキに戻っても、どういう状況でもフィールドから離れさえすれば発動する。そのため、このカードがフィールドにあるだけで相手にプレッシャーを与えることができる。
一時的に除外する効果を持つ「亜空間物質転送装置」、「パラドックス・フュージョン」などをこのカードに使用すれば擬似的な「サンダー・ボルト」となる。また、このカードに「融合解除」を使用した場合でも、強制効果ゆえにタイミングを逃すことなく、融合素材を戻した上で全体除去ができる。戻した融合素材で、あるいはそれを再び融合したモンスターで直接攻撃が可能となり、終盤の相手ライフが少ない状態であればこれで決着をつけることもできる。
その他、このカードを融合素材にしたり、リリースやシンクロ素材などにしても発動可能。ただし、エクシーズ素材にした場合は、エクシーズ素材の扱いの都合上、発動不可。
この効果を回避するためには、自分のモンスターがいない状況で除去する(発動するが、損失なし)、「No.16 色の支配者ショック・ルーラー(2016年1月禁止カード化)」などで発動不可にしてから除去する、「天罰」、「スターライト・ロード」などで発動・効果を無効にする、このカードを裏側表示にして裏側表示のまま除去する、など面倒な手順を踏まねばならない。
あるいは、戦線を立て直せる算段があるのであれば、一度全滅覚悟で特攻するというのも、場合によっては一つの手かもしれない。
最近は破壊効果対策のカードが数を増やしているので、以前よりは対処しやすくなっている。とはいえ、存在するだけで抑止力となり、禁止カードの「サンダー・ボルト」と同等の効果を得られるこのカードはまさに最強HEROというに相応しい能力であるといえよう。
遊戯王GX4巻を買えば簡単に手に入るので、これからHEROデッキを組もうとする人はぜひとも手に入れたい1枚。
「未来融合-フューチャー・フュージョン」が現役だったころは、このカードで任意のHEROと「沼地の魔神王」を墓地へ送り、「ミラクル・フュージョン」でそのまま好きな2体融合のE・HEROへとつなぐことができた。
「E・HERO ジ・アース」、「ターレット・ウォリアー」などとは相性がいい。全体除去をしつつ、攻撃力の上がったそれらのカードで直接攻撃できる。
その他の作品において
「Dチーム・ゼアル」では、フュージョン・マスクがカイトとのデュエルで使用。
手札の「E・HERO オーシャン」と「E・HERO アナザー・ネオス」を「融合」した。「超銀河眼の光子龍」の攻撃で破壊された際に効果を発動し、超銀河眼を破壊したが、それによって「エクシーズ・ダブル・バック」を発動されてしまった。
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