KV-2単語

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KV-2とは、第二次世界大戦初期にソ連軍によって用いられた重戦車である。

概要

第二次世界大戦においてソ連軍によって用いられた重戦車KV-1であり、152ミリを旋回に積んで地攻撃を的として作られた車両である。さまざまな問題から運用は大戦初期にとどまったが、その重装甲と絶大な火力は相対した軍を局地的に恐慌に陥れた。

開発の経緯

車両であるKV-1開発経緯についてはそちらの項を参照。

KV-1テスト運用の場となった冬戦争だが、この戦いは当初はソ連側は鎧袖一触勝利を見込んでいた。しかし精強かつ士気も高いフィンランド軍の前に、戦線であるカレリア地峡では地戦で、副戦線であるラドガ方面では分断・包囲戦術によって、それぞれ大な死者を積み上げていたのである。

この状況をなんとか打破すべく、テスト運用で優秀な成績を収めたことで採用が決まったばかりのKV-1ベースにわずか2ヶちょいで急遽製造されたのがこのKV-2であった。

構造

体構造は基本的に原となったKV-1と同一であるが、特筆すべきはそのである。75mm厚の装甲を組み合わせて作られた巨大なとそこから突き出す太い152mm身は「武」を越えて異様な空気を漂わせており、ぶっちゃけ現代イスラエルの非対称戦争兵器ナグマホンに匹敵するAFV史上有数のキモさだと思うのは筆者だけだろうか? ドイツ兵からは「巨人」、ソ連兵からは「ドレッドノート」と呼ばれたその姿は一見の価値ありである。

ちなみにこの改造により重量は50トンえ、路上最高速度も実質20km/h台に低下。また152mmという既存の戦車常識を置き去りにした本格的な師団砲兵クラスの火を搭載した結果、必然的に分離装式を採用せざるを得なくなり装填速度は極めて遅い。その上に当時は旋回に動を用いるのも一般的ではなく、の旋回や照準にも長い時間がかかるという問題……もっというと傾斜地では旋回すら困難というレベル……を抱えていた。急造兵器からしょうがないんだけどね。

配備と運用

冬戦争に投入された先行試作タイプは期待にたがわぬ活躍を見せた。ある戦場に投入されたKV-2は48発もの37mm対戦車の直撃に耐え、その巨により攻略標であった地を破壊している。よって現場からの評価も高く、本格的な量産が開始された。

冬戦争終結から1年、ドイツによるソ連侵攻が開始。この時点で生産されていたKV-2は約200両ほどだが、その運用は本来の攻略用重戦車としてのものではなく、特に差異もつけずになーんも考えずKV-1戦車といっしょくたに配備・投入されるというずさんなものであった。そのため(ただでさえKV-1が鈍足なのに)その鈍足ぶりと重量に起因する故障の多さが嫌われ、大火力と重装甲を充分活かせない戦場にばらばらに投入されて撃破・喪失を積み重ねていくこととなる。そうした状況では追加生産の話も沙汰止みとなり、結局ソ連戦車としてはしいほどの短期間運用で終わってしまった。後のドイツが類似コンセプト車両であるシュトルムティーガーを防御用兵器として活用し、米軍に大きな脅威を与えたことを考えると勿体無い話と言わずには居れない。

その一方でぶつけられた側であるドイツ側はKV-2にさんざん苦しめられている。搭載する152mmは先述の通り師団砲兵が装備するクラスの重であり、この時代に一般的だったリベット接合の戦車なんかでは徹甲弾による直撃ではなく至近距離で榴弾が炸裂しただけで、爆衝撃でリベットがちぎれ飛び体が分解してしまう。スパロボ風にいうならマップ兵器シロモノで、こんなもんをほいほい撃ち込まれたらたまったもんではない。さらにKV-1をもしのぐぶっちゃけありえない重装甲ときたもんだから、これを見かけたドイツ軍はそれこそ近隣部隊の総をあげての迎撃を強いられることとなった。

そのエピソードのひとつとして有名なのが、1941年6月下旬のとあるKV-2の奮戦である。内の戦車師団と近くの沿いの歩兵部隊との連絡を断つためにたった一両だけで送り込まれたそのKV-2は、当時のドイツ軍最新鋭対戦車であった5cm戦車部隊返り討ちにし、ドイツ軍の切り札である88mm高射砲の設置が始まったことも見ぬいて榴弾で吹き飛ばした。間にび寄った工兵によって履帯を破壊されたものの戦闘機は失われておらず、翌日に戦車を囮にしている間に設置された2門88mm高射砲狙撃されるも6発のうち4発を跳ね返した。しかも(おそらく重傷であったと思われる)乗員はまだ戦意を失っておらず、88mm高射砲への応射のために旋回をはじめたため、破孔から工兵手榴弾を投げ込んでようやくトドメを刺した、という。日本語で表現するなら「玉砕」としか表現できない凄まじい奮戦だが、そもそもの命が「死んでこい」としか解釈できないずさん極まりないものであり、救の情に燃えて命に従い最期の間まで戦い抜いた彼らの名前もまた現代には伝わっていない。
また、この話は当初日本KV-1によるものという誤った形で伝わっており、小林源文氏の劇画「街道上の怪物」においては戦車KV-1となって描かれている。

関連作品

動画

初代PSゲームソフト鈍色の攻防」より。9:22より(この世界での)KV-2試作を回収せよとの示を受けたプレイヤー部隊と敵軍との交戦が描かれます。回収したら自軍で使わせてもらえるのですが、装甲はともかく装填速度の遅いこと、遅いこと……。

静画

関連立体・MMDモデル

関連コミュニティ

関連項目

第二次世界大戦時のソ連軍の戦車
戦車快速戦車 BT(戦車) / T-26
戦車 T-28中戦車 / T-34
戦車 T-35重戦車 / KV-1 / KV-2 / IS(戦車)

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59 ななしのよっしん
2017/11/08(水) 14:14:51 ID: H+Zilwkink
思ってないでしょ
ただ、命に逆らえば一族郎党反逆者として皆殺しだろうし....
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60 ななしのよっしん
2017/12/06(水) 11:00:05 ID: 49tI0PySlS
>>AFV史上有数のキモさだと思うのは筆者だけだろうか?
とかわざわざ書いてるけどこいつ自身が、全般にあるクソ寒いネタコピペ論文並の書き方が、大百科史上有数のキモさだな。
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61 ななしのよっしん
2018/03/05(月) 14:54:20 ID: wnHYN8iW+u
>>AFV史上有数のキモさ
はあ? チョロQみたいでかわいいだろ。
T69とかならまあ、キモいって表現するのもわかるけど。
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62 ななしのよっしん
2018/03/17(土) 12:32:23 ID: C/VzQAseTT
DTMでの猛威の振るいっぷりにはカチューシャもニッコリ
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63 ななしのよっしん
2018/03/27(火) 12:10:49 ID: edvVbVx5pv
>>62
最高速度でドリフト中のクルセイダーRHワンパンされても生えませんわ
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64 ななしのよっしん
2018/04/04(水) 19:30:51 ID: QFtbi3qWZd
どのゲームでも152mmの威は凄まじいな。
でも・・・大抵リロード遅いから大物狙いじゃないと反撃がw
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65 ななしのよっしん
2018/11/19(月) 15:34:26 ID: ig85FatS9F
wotで使った事あるけど、凄まじい威以上に凄まじいリロード驚愕したなぁ
かと言って備の精度が今一で遠距離戦に向いているわけでもいので、
どうしてもガンガン撃たれる運用が前提になってくる
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66 ななしのよっしん
2020/04/09(木) 15:26:56 ID: WAIVN3E3sI
>>65
WTでも凄まじい威だったわ
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67 ななしのよっしん
2020/05/14(木) 13:02:09 ID: f+uQcnW+ZV
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68 ななしのよっしん
2023/07/22(土) 14:37:40 ID: ftntyKx7Tz
タミヤのヨンパチ再販して欲しい
頼むぅ・・・
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