中国3大IT企業・BAT(バイドゥ・アリババ・テンセント)の一角。
QQやウィーチャットなどのソフトウェアをヒットさせ、社会信用スコアリングサービスもスタートさせ、コミュニケーションや日々の支払い、そして信用の点数化といった分野で、中国の社会構造にまで深く食い込んでいる企業である。またこれらの事業で得た豊富な資金力を武器に、自動運転自動車や次世代AIと行った未来的技術にも盛んに投資・研究開発を進めているとされる。
株式の時価総額は、2021年9月の時点で世界11位。[1]かつてはFacebookを抜き、ランキング8位に付けたこともあった。
1990年代末にリリースしたインスタントメッセンジャーソフトで、中国で大ヒット。元は「中国版ICQ」という立ち位置のソフトだったが、SNS機能やボイスチャット機能も備え「中国版skype」兼「中国版facebook」のような存在にもなったという。中国でのナンバーワンSNSの座を射止めた「QQ」は2009年にはアカウント数が10億前後になった。
インスタントメッセンジャー機能を主としたスマートフォン向けアプリで、2011年にリリースされた。日本で言う「LINE」のような存在だが、こちらも中国で圧倒的なユーザー数を獲得し、2018年3月にはWechatの月間ユーザー数が10億人を超えたと発表された。
決済サービス「微信支付(Wechat pay)」も2013年8月にリリース。これはQRコードを読み込むなどの方法で支払いや送金ができる機能で、競合するIT企業「アリババ(阿里巴巴)」が提供する「支付宝(Alipay)」の後追いだが、Wechatの圧倒的シェアを背景にしてWechat payは急速にAlipayを追い上げて中国の社会に浸透した。中国ではこれら「微信支付」「支付宝」の普及によって各種支払いがかなり高度にキャッシュレス化されているという。このWechat payにより、テンセントはFinTech企業としての存在感も増すこととなった。
安全保障上の理由からインドではすでに使用を禁止している。
アメリカではトランプ大統領が禁止措置を打ち出したものの、続くバイデン政権ではこの禁止令を一旦取り消したうえで、改めて米国民の重要データに危険を及ぼす恐れのある外国製アプリを精査するとしている。[2]
2018年1月にスタートした社会信用スコアリングサービスで、個々人のクレジットカードヒストリーや資産状況、消費活動状況、社交状況などの「信用度」を点数化して個々人に割り振るものであり、高得点であれば生活上で様々な優遇措置を受けられるというもの。やはりアリババの「芝麻信用(Sesame Credit)」の後追いであるが、こちらもWechat payとAlipayの関係と同じく、熾烈なシェア争いが予想されている。
2008年にネクソンの「アラド戦記」の代理運営を開始。2015年には「リーグ・オブ・レジェンド」を開発したライアットゲームズを完全子会社化、2016年には「クラッシュ・オブ・クラン」を開発したスーパーセルの株式84.3%を取得している。さらに2021年にはイギリスのスモウ・グループを完全子会社化すると発表している。[3]
2017年のスマホゲーム売上世界一を達成した「Arena of Valor」の運営もこの会社。さらに、ゲーム実況でも大人気のバトル・ロワイアルゲーム「PUBG」の中国での独占運営権を保有している。
2017年12月には、ユーザー10億人を誇るメッセージサービス「WeChat」内でミニゲームが遊べる「WeChat mini games」をリリース。跳一跳はリリース直後から多くのユーザーにプレイされ、2018年1月にはDAUが1億人を突破している。
ゲーム売上は1兆円と、ハード本体を売っていないにも関わらず、今世界最強のゲーム会社の座に就いている。
アニメ・漫画関連ポータルサイトである「腾讯动漫」を運営。多数の人気ウェブコミックを展開しており、それら自社で権利を保有している漫画のアニメ化作品や、またオリジナルアニメなども多数送り出している。
例えばニコニコ大百科に記事があるだけでも、
と多数の漫画・アニメ作品が、何らかの形でテンセントに関わっている。漫画の連載サイトが腾讯动漫であったり、アニメの配信サイトがテンセントの動画配信サイト「腾讯视频」であったり、アニメ制作会社がテンセントの出資を受けていたり。
このように、中国の漫画・アニメ関連の文化・産業を急ピッチで成長させている企業でもある。
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最終更新:2024/12/26(木) 21:00
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