ワイルド・スピードとは (ワイルドスピードとは) [単語記事]

ワイルド・スピード（原題：The Fa st and The Fur ious）とは、アメリカ合衆国のユニバーサル・ピクチャーズが2001年に製作・公開したカーアクション映画、及び本作を起点とするシリーズ作品である。

「走っている時間だけ、オレは自由だ。」

概要

基本情報
ワイルド・スピード
監督	ロブ・コーエン
脚本	ゲイリー・スコット・トンプソンエリック・バーグクィストデヴィッド・エアー
音楽	ブライアン・トランソー
製作	ニール・Ｈ・モリッツ
配給	ユニバーサル・ピクチャーズ
公開	2001年 6月22日(米国) 2001年 10月20日(日本)
上映時間	106分
映画テンプレート

主演にヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカーを迎え、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースターらが出演するカーアクション映画。監督はロブ・コーエン。シリーズを通じて登場するドミニクとブライアンの初邂逅、続編以降に繋がる全体のテーマである「ファミリー」の原点を描く。

アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで繰り広げられるストリートレースや日本車をメインとした様々なチューニングカー、NOS（ナイトラス・オキサイド・システム）を使用した時の景色が歪む様な加速描写等が見物である。

米国での興行収入は2億ドルを記録し、後に続くシリーズの起点となった作品。

あらすじ

アメリカ、ロサンゼルス。凄腕ドライバーのドミニク・トレットは仲間からカリスマ的扱いを受けストリートレースに挑む一方で長距離トラックを夜な夜な襲撃、車両強盗団のボスとして活動していた。ある日、彼にレースを挑まんとする青年、ブライアン・オコナーが現れる。

やがてレースや車いじりで親交を深め、「ファミリー」としての関係を深めていく2人。だがブライアンの正体はロス市警の警官であり、連続車両強奪事件の主犯格であるドミニクを逮捕するため、彼を監視していたのである。

やがてドミニクの妹であるミアとの恋愛感情を抱くブライアン。ファミリーを取るか、警官としての任務を取るか。彼の葛藤の末に出された答えとは…

本作より登場する主要キャスト

ドミニク・トレット：ヴィン・ディーゼル/日本語吹き替え CV:内田直哉(初代～X3)→楠大典(MAX以降)
通称ドム。ワイスピシリーズ全体の主人公で、同シリーズ3大ハゲの一人(もう2人はルーク・ホブス、デッカード・ショウ)。MAX以降はスピンオフのSUPER COMBOを除き全シリーズ皆勤。X3にもラストに登場している。
ロサンゼルスでストリートレースのカリスマとして活動する傍ら、車両強盗団のリーダーとして生計を立てている。ファミリーに対する想いは人一倍強く、危機に晒された時には圧巻のドライビングと肉体を用いて護り抜く。
特にブライアンとの関係は深い。本作での出会いを皮切りに、MAXからSKY MISS IONのドラマは彼らを中心に動いていくことになる。ICE BREAK以降はサイファーとの敵対関係がメイン。妻であるエレナの喪失、息子を誘拐され、JET BREAKでは実弟ジェイコブを自らの手駒にしたりと、因縁は回を数えることに激化していく。
ブライアン・オコナー：ポール・ウォーカー/日本語吹き替え CV:森川智之(初代～X2)→高橋広樹(MAX～SKY MISS ION)
ロス市警の潜入捜査官。連続車両強盗犯のリーダーであるドミニクを逮捕すべく車好きな青年としてストリートレースの輪に入る。ドライビング技術も回を重ねる毎に頭角を現し、ドムに引けを取らないほどの実力の持ち主。そしてドムのファミリーとして行動を共にする中、彼の妹であるミアに好意を寄せていく…
次作のX2では正規ナンバリングで唯一の主役作であり、旧友のローマン、テズなどといった人間関係も明らかになっていくので必見。
演じたポール・ウォーカーはSKY MISS IONの撮影中に事故で他界。作品自体がポールへのメッセージであり、ミアを妻として迎え入れたブライアンの一つの終着点とも言える作品である。
以後は姿は現さずともファミリーを影から支えている。
レティ・オルティス：ミシェル・ロドリゲス/日本語吹き替え CV:喜田あゆ美(初代)→甲斐田裕子(MAX以降)
ドムの彼女。彼の為ならどんな車でも乗りまわす、強い女性の多いワイスピウィメンズ筆頭。高度な運転テクと改造技術を持ち合わせている縁の下の力持ち。シリーズを重ねる毎にアクションシーンも徐々に増えていき、SKY MISS IONではあのUFC ファイターのロンダ・ラウジーともやり合うなど度胸も十分。
MAXで敵の罠に嵌り記憶を一度失っており、取り戻すまでのドラマがEURO MISSON、SKY MISS IONの2作にかけて展開された。ICE BREAKのラストでエレナの忘れ形見であるドムの息子と共に暮らす事を決意し、以後はドムと3人で家族として生活している。
ミア・トレット：ジョーダナ・ブリュースター/日本語吹き替え CV:幸田夏穂(初代)→園崎未恵(MAX以降)
ドムの妹。マズいサンドイッチを作る。運転テクは兄譲りで、以後のシリーズでその技術を垣間見ることができる。ブライアンとは初代で良い感じになっていき、MEGA MAXにて晴れて夫婦に。SKY MISS IONまでに一男一女を授かった。
JET BREAKでは弟のジェイコブの身を案じ、子供達をブライアンに預けドムの元へ舞い戻る。

配役一覧

日本語吹き替え版は劇場公開及びDVDなどのソフト版とテレビ朝日放送版で配役が異なる。

役名	俳優	TV版吹き替え声優	DVD版吹き替え声優
ブライアン・オコナー	ポール・ウォーカー	堀内賢雄	森川智之
ドミニク・トレット	ヴィン・ディーゼル	菅田俊	内田直哉
レティ・オルティス	ミシェル・ロドリゲス	高山みな美	喜田あゆ美
ミア・トレット	ジョーダナ・ブリュースター	井上喜久子	幸田夏穂
ジョニー・トラン	リック・ユーン	池田秀一	中田和宏
ジェシー	チャド・リンドバーグ	鳥海勝美	青木誠
レオン	ジョニー・ストロング	桐本琢也	樫井笙人
ヴィンス	マット・シュルツ	西凜太朗	落合弘治
エドウィン	ジャ・ルール	三宅健太	高木渉
タナー巡査部長	デッド・レヴィン	金尾哲夫	稲葉実
エージェント・ビルキンス	トム・バリー	藤本譲	宝亀克寿
へクター	ノエル・ググリエミ

シリーズ作品

本作の好評価とヒットを受けてシリーズ化された。『X3』まではカーレースを主体とした作風だったものの、『MAX』以降はいかにもハリウッドなカーアクション路線に切り替わった。ドミニクを中心としたファミリーも当作から拡大していく。

2020年現在『JET BREAK』までのメインシリーズ9作に加え、『MEGA MAX』で登場したルーク・ホブス、『EURO MISS ION』から登場したデッカード・ショウを主役に据えたスピンオフ作品の『SUPER COMBO』が製作、公開されている。以下、シリーズ一覧。

ワイルド・スピード (The Fa st and The Fur ious)　（※本記事）
ワイルド・スピードX2 (2 Fa st 2 Fur ious)
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT (The Fa st and the Fur ious: Tokyo Dr ift)
ワイルド・スピード MAX (Fa st & Fur ious)
ワイルド・スピード MEGA MAX (Fast Five)
ワイルド・スピード EURO MISSION (Fa st & Fur ious 6)
ワイルド・スピード SKY MISSION (Fur ious 7)
ワイルド・スピード ICE BREAK (The Fate of the Fur ious)
ワイルド・スピード/スーパーコンボ (Fa st & Fur ious Presents:Hobbs & Shaw)
ワイルド・スピード JET BREAK(F9:The Fa st Saga)
ワイルド・スピード FIRE BOOST(Fa st X)

時系列は初代→X2→MAX→MEGA MAX→EURO MISS ION→TOKYO DR IFT→SKY MISS ION→ICE BREAK→スーパーコンボ→JET BREAK→FIRE BOOSTと、2～3作目の間に4～6作目の出来事が起こっている形となる。

また、初代とX2の間に起きた出来事を描いた「ワイルド・スピード X2:序章」、X2とMAXの間の出来事である「ロス・バンドレロス～盗賊たち～」と、2つの短編が製作されている。またシリーズ作品ではないものの、TOKYO DR IFTを手掛けたジャスティン・リン監督によって製作された「ベター・ラック・トゥモロー」は同作のプロローグとも言える作品。

2019年にはNetflix配信作品として「ワイルド・スピード/スパイレーサー」が配信開始。同じトレットの苗字を持つトニーを主人公にした作品であり、ドムも本作に登場する。

2020年には海外限定でオリジナルストーリーのPS4/Xbox One/Steam ゲーム「Fa st & Fur ious: Crossroads」が発売。オリジナルキャラクターを中心としたシナリオではあるが、ドミニクも要所で登場する。海外限定のため海外ゲーを扱う店か個人輸入でしか買えない(Steamはおま国)が、どうしようもないクソゲーであるためそこまでの手間をかける必要も無いだろう…。