反出生主義(はんしゅっしょうしゅぎ)または、アンチナタリズム(antinatalism)とは、出生に対して否定的意見を持つ立場のことである。出生主義の反対。
「生きることそのものが苦しみであるのでそもそも生まれてくるべきではない」、「この世に生まれる子供のことを思えば子を産むべきではない」といったような、人がこの世に生を受けることそのものを否定する厭世観的な考え方が反出生主義である。なお生まれることが子供にとってではなく道徳的に悪いとするなど細かな考え方の違いはある。
つまるところ反出生主義とは、人生は苦しいことが多いし、幸福の多い人生だったとしても最後には死の苦しみを味わうことになるが、生まれないことによってこれらをすべて回避できるから、人は出生すべきではない、という考え方である。「出産を生労病死の苦を負った人を作り出す行為」と捉え、それを否定する。
全ての人は産むべきではないと考える反出生主義にたいして、自分自身が子供をつくらないという考えであるものをチャイルド・フリーという。また、恵まれた遺伝子のみを残そうとするものを優生思想という。優生思想と根本的に違うところは、不慮の事故や事件、災害、病気や障害などに巻き込まれる可能性や着々と迫りくる死への恐怖、優秀な人同士での優劣、格差なども否定することである。
ノルウェーの哲学者ピーター・ウェッセル・ザプフェは子供は親・出生地・時代を選ぶことが出来ず、同意なしに生み出されていることを指摘している。
また、ケープタウン大学哲学科教授であるデイヴィッド・ベネターは、我々には不幸な人をつくらない倫理的義務があるが、幸せな人をつくる倫理的義務はないという主張をしている。
また、ABEMA Primeの反出生主義を題材にした回では、生きている人間の中から、事故や事件に巻き込まれたり、病気や障害などを患ったりして不幸になる人間が一定数存在してしまうことから、出生主義は犠牲者を生み出すシステムを容認する主義だと言及された。これに対して、反出生主義は平等主義の最終形態であると指摘された。
死恐怖症(タナトフォビア)の視点から、死という不幸に対しては、すべての生まれた人間が避けることのできないものであることから、死を避けるには生まれないことが最善であると考えられる。
この考え方によって飢餓、環境問題、資源問題などを解決することができると考えている支持者もいる。アメリカの環境保護団体「VHEMT(自主的な人類絶滅運動)」は、反出生主義を掲げて人口を減らし、最終的に人類を絶滅へと導くことを是としている。
(ただしVHEMTは殺戮や自殺(教唆)は否定している。彼らによれば、それらは不道徳であるし、死亡率の上昇は出生率の上昇を招くため人口減少にはつながらないという。)
仏教における苦(ドゥッカ、dukkha)とは、「生苦:人は生まれる場所、条件を選べない。」「老苦:人は必ず老いる」「病苦:人は病気になる」「死苦:人は必ず死ぬ」のという4つ(生労病死)が根幹とされている。
スリランカ上座仏教の長老であるアルボムッレ・スマナサーラは生苦を「生きるとは、苦から逃れ続けること」と説明している。人は空腹という苦から逃れるために食事を取り、食べ過ぎは苦であるから食事を終了する。座り続けることは苦痛であるから立ち、立ち続けることは苦痛であるから座るのである。
マニ教の聖アウグスティヌスは、死から逃れられない肉体で子を作るのは不道徳であるとした。
12世紀ごろのヨーロッパに存在した、キリスト教の要素を持ったグノーシス主義的な宗教「カタリ派」は現世を否定し、また生殖のための性行為すら禁じる厳格な禁欲的教義を持っていたとされる。ただし厳密にその禁欲的教義を堅持するのは「完徳者」と呼ばれる上位信者のみであったともいう。また、そもそもカタリ派は異端とみなされて弾圧され消滅しており、彼らの教義を正確に伝える詳細な資料は残されていない。
「既に生まれてきてしまっている人が、誕生否定的な考えを持ったまま死んでいくのはすごく残念。有限の人生を生きようとする人が、残りの人生をどうしたらいいかを考えるヒントや、議論の下敷きにしてほしい」
【東京すくすく】生まれないほうが幸せ「反出生主義」に反響
「同じ境遇…励まされた」「出産で価値観が変化」 識者はどう見る? https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/birth/74758/
掲示板
10992 ななしのよっしん
2024/10/04(金) 16:39:54 ID: L9tffJyjgl
他人に産ませないのがこのイカレ思想の本道だから世間とのかかわりを希薄にするなんてありえないぞ
10993 ななしのよっしん
2024/10/06(日) 09:19:52 ID: WHzznXk8RS
>>10990
反出生主義者ってか、そんなに生まれたら可哀想とか思うのであれば
ミサイルやらロケットが日常的に降り注ぐのに子沢山のガザ地区に行って説法していってほしいよね
すくなくとも少子化に悩む日本としては、反出生主義ってのは有害思想なので日本から出ていってほしいものだ
親ガチャは確かにあるにしろ、停電しない電気に飲める水道、貧乏人でも高度な医療を受けられる(たとえ病気で働けなくなっても生活保護で医療は無制限に受けられますよ)日本において『反出生主義』を唱えることはお門違いだ
10994 ななしのよっしん
2024/10/06(日) 20:01:50 ID: ivpLnWkgz4
反出生思想によって人間が滅びに瀕するところまで行ったと仮定して
そのあと人類が大人しく滅ぶとは思えない
生きて再び繁栄して快適な暮らしをするために、弱者を切り捨て、泥をすすってでも滅びを回避しようとすると思う
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最終更新:2024/10/06(日) 20:00
最終更新:2024/10/06(日) 20:00
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