東北ずん子とは (トウホクズンコとは) [単語記事]

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東北ずん子とは、主に宮城県で食される郷土料理『ずんだ餅』をモチーフとした東北地方応援キャラクターである。

東北イタコの妹で東北きりたんの姉であり、3人の総称として『東北3姉妹』と呼ばれている。

概要

上述の通り、枝豆をすり潰して砂糖とともに餅にまぶす宮城の郷土料理、『ずんだ餅』をモチーフとしたキャラクターで、後述する通り髪や着物に枝豆の緑をイメージカラーとして取り入れられ、枝豆を意識したカチューシャと『ずんだアロー』なる弓を持った長髪の少女である。

SSS 合同会社の手によって、東北地方を応援すべく企画されたものであり、東北6県（青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島）に本社を置く企業であれば自由に商用利用できるのが特徴である。

運営への利用に対する申請は不要。事務手続きの関係上、申請無しでの利用が推奨される。詳細は、公式サイト『キャラクター利用のガイドライン』を参照のこと。
当記事にはクリエイター向けの利用ガイドラインも併せて示されている他、分かりやすい例示がされている。

また後述のVOICEROID音声等に関してはライセンスがキャラクターライセンスと異なる為、上記使用ガイドラインの適用外となる点に注意。
詳細はAHSのFAQを参照されたい。

合成音声化

当初は東北地方振興のためのキャラクターであったが、しばらくしてその枠を超えた展開がなされ始めた。それがテキスト読み上げソフトの『VOICEROID』化である。

これに際し、東北ずん子ボイスロイド化ファンドにて資金が公募され、目標が達成されたことから開発・発売へと至ることとなり、2012年 9月28日、『VOICEROID+ 東北ずん子』が発売されることとなった。なお読み上げ機能に加え、音声素材であるexVOICEも追加されている。

さらにほどなくしてピアプロにも参加、2012年 12月21日、ピアプロへの投稿が可能となった。
（→「ずん子がついにピアプロに参加することになりました（／ず・ω・だ）／（／ず・ω・だ）／」）

そして2013年 6月20日、東北ずん子のVOCALOID化へのファンドがスタート。500万円以上集まった場合ボーカロイド化が決定することとなった。（→Anipipo - 東北ずん子ボーカロイド化）
なお、3万円以上の投資をした場合は東北ずん子のVOCALOID パッケージがそのまま手に入る。
こちらも１ヶ月（！）でファンドの目標資金が達成されたため開発が開始、2014年６月5日に発売となった。

そしてそして、先行してAI シンガーとなった妹きりたん、姉イタコの実績を引っさげ、満を持して東北ずん子をAI シンガーに進化すべくNEUTRINOずん子制作へのファンドがスタート。750万円以上集まった場合NEUTRINO化が決定することとなったがあっさりクリア。結果的に1364万500円の支援と300個の追加ボイス収録を含む第3ゴールで達成。支援者への先行配布を経て2021年 7月5日に一般公開された。さらに2022年 1月27日にはCeVIO AIによるソングライブラリが発売された。

2023年 1月13日にはAI 読み上げソフト『VOICEPEAK』の新展開となる『VOICEPEAK キャラクターシリーズ』の第1弾として『VOICEPEAK 東北ずん子』が発売された。おまけとして『VOICEPEAK ずんだもん』『VOICEPEAK フリモメン』も収録される。

2023年 1月21日には、東北きりたん VOICEPEAK化のためのクラウドファンディングのストレッチゴールを達成したことで『Seiren Voice 東北ずん子』の制作が決定し、7月20日に『Seiren Voice 東北きりたん』と一緒に発売された。

ずん子ワールドの快進撃は、多くの支援者と共にますます進んでいくのである。

キャラクタープロフィール

東北ずん子

名前：東北ずん子
身長：157cm
誕生日：10月27日
年齢：17歳（高校2年生）
趣味：ずんだ餅づくり
特技：弓道（ずんだアローという技でどんな餅もずんだ餅へと変えてしまう！）
将来の夢：東京にずんだカフェ、ずんだショップを作ること
CV：佐藤聡美
デザイン：江戸村ににこ

キャラとしての名前は「ずん子」であるが、後述の公式小説によれば本名は『東北じゅん子』で、訛りから来たあだ名であるという。

勘違いされやすいが、彼女自身はずんだ餅が好きないたって普通の女子高生である。能力を持ったのはごく最近のことで、三陸海岸を歩いていた際に落雷を受けて病院へ搬送、眼を覚ました際になぜか枝豆を模した『ずんだアロー』を持っていた。これを用い、鏃にずんだをつけて餅を射ったところずんだ餅が出来た。これを喜んだ彼女が日本中へのずんだの普及と、ついには東京は秋葉原へのずんだカフェ開業……というところまで夢をふくらませ日々活動しているという設定である。

もともと弓道のたしなみがあることもあり、裾が短めの弓道着を着た公式立ち絵が多い。ただし、本来はいているはずの袴をはいていないため、まるでミニスカートのような雰囲気である。上述の通りずんだ餅がモチーフのため、髪は足まである深緑色の長髪、着物は萌葱色主体と、大きく緑で色合いがまとめられている。
また眼を引くのがカチューシャで、まさにずんだの原料である『枝豆』そのものである。
この他、緑から黄緑色へとグラデーションのかかったセーラー服姿、体操着姿、ジャス姿(宮城の方言でジャージのこと)、水着姿、振袖姿なども公開されているが、いずれも緑色又は枝豆を意識したデザインである。

その彼女の相棒たる『ずんだアロー』は本来上記のように技の名称であったが、現在は弓そのものの名として用いられている。両端に枝豆をあしらった緑色（やや茶色に描かれることもある）の弓で、右肩にかついでいる姿が一般的である。これに矢をつがえ、餅に向けて撃つと、光を放ちずんだ餅になるというものである。
(なおその弓に生命が宿ったのがずんだもんで、マスコットのような姿になったり人の子供のような姿になったりする)

餅は通常の白い餅でも、よもぎ餅でも何でもいいらしい。ちなみに桁外れに大きく、ずん子と比べると弓弦だけでゆうに頭二つを超える長さがある。また扱い方も構造上通常の弓とは異なる模様。因みに、小説の設定上は平均以下の凹凸のない胸と何度も弄られたり、公式の四コマではイタコさんの胸が成長していく事に対しずんだパンチを放つなど胸に関してネタにされる事があるが公式は余所の子を見ていて楽しいと二次創作では公式とは異なる設定での創作を認めており、まあこまけぇことは(ry

なお、これらの服装の立ち絵やデフォルメキャラはイラストの他、MMDモデルとしても公開されており、公式 Web ページからダウンロード出来る。またキャラミんompでもモデル提供が行われている。

公式書籍

2012年 6月13日より、ずん子を主人公とした連載小説が週１回更新（休みあり）で始まっている。ずん子を主人公に、姉のイタコや妹のきりたん、さらに個性豊かな同級生、そして謎生物のずんだもんなどが織りなすコメディ作品である。

当初はTwitterを利用しており、本人はもちろん、新たにつけ加えられた登場人物やナレーションまで新たにアカウントが取られ、かけ合い形式で進むとともに、節目節目にTw it picを使った簡単な挿絵も入る。追うのが大変な上に話数がかなり多くなっているので、ナレーションである"n_zun ko SS"アカウント作成のTogetterのまとめを見るのが分かりやすい。また、まとめは公式でも閲覧可能。

しかし、このTwitter形式は91話で全廃、92話以降はSSS社の提供するアイコン小説サイト「アイノベ」での更新となっている（挿絵は従来通りTw it picを使用）。こちらも公式で閲覧可能である。

2013年 10月29日には、この公式小説の冒頭を再構成した単行本『東北ずん子「むちむち」じゃありません! 「もちもち」です! 』がPHP研究所より刊行されている。

なお、この作品では登場人物に全員立ち絵があるが、これについてはイタコ・きりたん・ずんだもん（普段ずんだアローに変化している謎の動物、改訂により追加)・四国めたん(ずん子のクラスメイト、改定によりより追加)だけはずん子と同じ利用ライセンスを持つ。ただし、他のキャラは非商用のみの使用しか認められていないので注意。この辺りは、「キャラクター利用のガイドライン」にも書かれているので参照のこと。

また、公式同人誌として、ずん好き1-3巻、ずんパラ1-2巻、ゲームブック「ずんちゃんクエスト」1巻が刊行されている。各イベントや公式 BOOTHにて購入することが可能。

公式漫画

現在公式漫画が3つ存在している。

一つ目は、卯匡（うきょう）氏による四コマ漫画『ずんちゃんといっしょ！』である。同作は2014年２月から３月にかけて、SSS社と四コマ漫画連載サイト『4K OMA PARTY』・クラウドワークス社の三者合同で行われたコンクールでの採用作で、当初は当ページ上で連載が続いていた。

しかし、当の4K OMA PARTYが9月いっぱいをもって作家陣に対し予告なしに無期限更新停止という没義道な真似をしたために、やむなく同作はニコニコ静画と作家公式 Twitterに掲載場所を移転し連載中である。→ずんちゃんといっしょ！公式マンガページ

作品の特徴として、公式小説ではおとなしくてどちらかという振り回されていた側のずん子が、逆にずんだ餅をどかどか押しつけるなど大暴走を繰り返しては大騒ぎを起こし、その様子をずんだの妖精であるはずのずんだもんに恐れられ、さらには姉も妹も小説よりぶっ飛んだキャラづけでいじり倒されるというスラップスティックな展開になっている。ずん子ちゃん、いじられすぎてストレスたまってたんだね……（涙）。

二つ目は、菊池弥氏による四コマ漫画『東北ずん子×４K OMA PARTY』である。題名から解ると思うが、これも4K OMA PARTY連載であった。しかし例の事件によって第３話にして連載中止に至ってしまった。しかも作者が違ったためにまく処理が出来なかったのか、現在放置状態で、半ば幻の公式漫画と化している。（このアーカイブから現在も閲覧は可能）

そして三つ目は、一つ目と同じ卯匡氏による『ずんだもん TV！』である。まんがタイムきららキャラットで2023年 10月号より連載が始まった。ずんずん PJ 公式さんの中の人曰く、だいぶ前から調整させて頂いていたとのこと。

先述の「ずんちゃんといっしょ!」とは違う世界線で、ずんだもんを前面に押し出したタイトルであるが、一番最初のコマに登場したのはずん子である。また初っ端からずん子のフトモモが強調されており、ずんだ狂ぶりも相変わらずである。

アニメ化

2015年 3月6日よりKickstarterにおいて、東北ずん子の画集制作を行うためのクラウドファンディングが始まった。画集制作の目的には、アニメ化に向けた設定資料を作ることが含まれている。これまでも幾度かクラウドファンディングを活用しているが、今回あえて海外のクラウドファンディングサイトであるKickstarterを使う理由は、「さらに多くの人に知って頂き、そして応援して頂きたいとの思い」からであるという。

目標金額は$30,000で、期限は2015年 4月5日午前8時。支援者にはその金額に応じて謝礼があり、お礼のメッセージや画集、さらに高額支援者にはVOCALOID ソフトや江戸村ににこ氏へのイラストリクエスト権などなど、ファン垂涎のラインナップとなっている。詳しくはこちらを参照されたし。（ページの下の方に日本語での説明あり）

若手アニメーター育成プロジェクト『あにめたまご2017』に応募し、見事受託制作団体に決定。2017年 3月11日に『ずんだホライずん』のタイトルで初お披露目となった。

プロジェクト運営

東北ずん子・ずんだもんプロジェクト(ずんずん PJ)の運営は柔軟な対応と濃厚な特徴でも知られている。

具体的にはツイッター上でファンアート等をいいねRTしまくるエゴサモンスター、ファンの気持ちと界隈の盛り上がりを第一にする姿勢、クラウドファンディングやAIといった新しい何かに即首を突っ込む異様な行動力と言った全体的に前のめりに過ぎる点である。

10月27日のずん誕ともなるとツイアカが規制されるまでいいね爆撃を繰り返している。またR-18なイラストを棲み分けするためのハッシュタグ『ｺｯｼｮﾘ』を発明した事はVtuber界にも影響を与えている。

2010年代初めの方では海千山千だったCFを成功させ合成音声ソフトになったのは後の流れにつながったと言えるし、最近ではAIきりたんの衝撃のデビューは記憶に新しいだろう。

また当初から公営民営個人運営問わずご当地キャラとしての横のつながりも重視しており、広くコラボ等を展開。ついなちゃんのボイロ化CFを手伝ったのもその縁である。

ただし、手広く精力的に展開している一方その全てが成功しているわけではない。またあるイベントで会場限定販売した公式グッズが転売ヤーのせいでファンの手に渡らなかった対抗手段として同じものを通販で再販した所、消費者庁から注意を受けるという事態もあった。（『限定』という優良誤認にあたるため）

しかしこれについてはファン第一の姿勢に合致、未だ進まぬ転売関連の法整備、そして積み上げられてきたずん子運営への厚い信頼によりファンからは反省すべき失敗としながらも擁護的・同情的な声の方が大きい結果となった。

2011年のプロジェクト開始以来、プロジェクト名およびTwitter(現X)アカウント名は「東北ずん子公式」であったが、ずんだもんの知名度・人気の上昇を受け、2023年より「東北ずん子・ずんだもんプロジェクト(Xアカウント名は東北ずん子・ずんだもん公式)」に名称変更した。

グッズ

公式BOOTHやmagの東北ずん子SHOPで公式同人誌や抱き枕カバーなどが買える。

東京池袋にある宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」でも、ずん子の絵が描かれたずんだサイダーやポスターなどが売られている。なおサイダーはAmazonでも購入可能。

宮城県白石市の白石城にある歴史探訪ミュージアムにも東北姉妹のグッズが置かれていて買うことができる。他の周辺の店にも、下記のスタンプラリーがきっかけで生まれたずん子コラボ商品を売っているところもある。（白石駅周辺ではずん子の絵が入ったタクシーやバスが走っていたり、ポスターや等身大パネルを設置している店が存在する）