Steel Fury: Kharkov 1942とは、不朽の名作「パンツァーフロント」シリーズを彷彿とさせる至高の戦車シミュレーターである。
開発はウクライナのGraviteamで、販売は今はなきLighthouse Interactive。副題の通りハリコフ攻防戦を題材にとっているため、登場国は独ソのみである。続編として80年代の中東を舞台にした「Steel Armor: Blaze of War」が存在する。
Q.このゲーム凄いらしいけど一体何が凄いの?
A.始めに言っておくと、このゲームは戦車の変態が作ったゲーム。
・戦車を一人で操縦できない。
指揮、操縦、発砲、装填は全部別の人がやる。誰かやられたら人数に余裕あれば代わりを誰かがやる。真っ先に白羽の矢が立つのは無線手。代わりがいないような3人乗り戦車とかだったら諦めるしか無い。
「アメリカ軍やイスラエル軍が装填手ハブりたがらないのは仕方ないなこりゃ」と、妙に納得する。
・戦車戦の再現ではなく、戦場の再現を目指したシム。
ヘッドホン付けてやると「戦車のエンジン音・キャタピラ音、戦車の主砲や野砲・対戦車砲の発砲音、歩兵の機関銃やライフルの銃声、榴弾が爆発した音、装甲板に敵弾が当たって軋んだり穴あいたりする音、飛行機が急降下する音、木が折れる音、ドイツ語、ロシア語、英語の怒声、断末魔のうめき声、叫び声」が360度ありとあらゆる方向から延々と聞こえて来て、正直ちょっと怖い。 そういうのに耐性がない人はヘッドホン非推奨。
「実戦で逃げちゃう人がいるのは仕方ないなこりゃ」と、妙に納得する。
・敵を狙うシステムは、完全に本物準拠。
ドイツとソ連とアメリカで違うとかじゃなくて、車輌によって照準器の見方と使い方が違う。敵の弾(砲弾か銃弾かは問わず)が照準器に飛んで来れば割れちゃう。割れちゃうと敵が狙えないので、弾を入れるところを開けて直接敵を狙う。当たり前と言っちゃ当たり前だけど、照準器は砲身にぴったりくっついてるわけじゃないから、狙ったトコに弾が行かない。左側に砲手がいる独ソ英軍戦車は、狙ったトコに対して当たるトコはやや右にズレる。対して右側に砲手がいる米軍戦車は、狙ったトコに対して当たるトコはやや左にズレる。これも当たり前だけど、弾は重力に引っ張られて落ちるし、風の影響で右とか左にブレる。そこら辺は砲手の腕でなんとかする。ソ連戦車の照準器が曇ってるのも砲手の眼力でなんとかする。
初めのうちは「ソ連の戦車兵が近距離戦を好んだのは仕方がないなこりゃ」と、妙に納得する。
・戦車以外の敵が強くて戦車戦どころじゃない。
上で言ったけど、これは「どれだけゲームで戦場が再現出来るか」に挑戦したゲーム。塹壕が掘ってあって歩兵の人たちは、そこから対戦車ライフルで「戦車のちょっとしたスキマ」を狙ってくる。戦車で塹壕を踏み越える事も出来るけど、まだ無事な歩兵の人たちは、手榴弾を戦車の上に投げてくる。この時ハッチが開けっぱだと確実にあぼん。軽戦車みたいなエンジンパワーの低い車輌だと、塹壕にハマって出られなくなってしまうので注意。戦車に詳しい人達は分かるだろうけど、茂みかなんかに隠れて出待ち状態の対戦車砲はマジで分からない。発砲してくれれば音と煙で仕返しできるけど、対戦車砲は小さいので距離を見誤ることが多いし、何よりちっちゃいので当てづらい。数撃ちゃ当たる同軸機銃さんマジ天使!それに何より、榴弾が無いイギリス戦車で陣地掃討は苦行以外の何物でも無いことを痛感する。
爆撃したり機銃掃射してくる航空機に対しては、自分が狙われないように祈る以外対策がない。でも運が良ければ主砲のまぐれ当たりで撃墜できるかも。
「ルーデル閣下がスターリンから名指し喰らうのも仕方ないなこりゃ」と、妙に納得する。
・AIがやけに賢い。
敵AI戦車は、プレイヤー車の射界に入ると所謂「昼飯の角度」を頻繁にとる。やられた戦車を盾に使おうとする。やられたふりをしてプレイヤー車をやり過ごす等など、かなり強力なAIが実装されている。戦車だけではなく歩兵の人たちは、銃声や砲声を聞くと逃げるのでも装備を構えるのでもなく、まず地面に伏せる。士気の概念もしっかりしており、士気の低い戦車兵は一発食らっただけで戦車自体は無事でもハッチを開けて我先にと脱出する。その時、戦車が燃えていれば戦車兵も燃えながら出てくる。歩兵は戦況が不利だと感じると持ち場を捨てて戦闘エリア外へと走りだす。哀れにも必死に逃げていく歩兵や戦車兵を、キューポラから眺めていると
「優れた戦車兵は優れた兵器に勝るってのは本当なんだな」と、妙に納得する。
Q.何その鬼畜仕様・・・そこまでガチに再現してゲームになるの( ゚д゚)・・・?
A.普通になる。綿密なパラメータが組まれているこのSteel Furyには、実戦で使われた戦術・戦法が使えるという強力なテクニックがある。
例を言えば、「敵車輌の直前にて砲弾を跳弾させ、車輌底板の貫通を狙う」といったような基本テクから、「敵の砲身内に機銃を突っ込んで乱射しまくり、乗員殺傷を狙う」という滅茶苦茶なものまで何でもござれだ(記事主は後者の方法にて機銃しか持たぬBA-64を駆ってヤークトティーガーを撃破したことがある)。
また、何よりも「戦車の突破力を何よりも体感できるゲームである」とも言える。いかに敵が、重機関銃と対戦車ライフルでハリネズミ状態と化した塹壕陣地に立てこもり、対戦車砲と迫撃砲で鉄の暴風を吹き付けようとも、「装甲に護られ且つ移動を行うことの出来る」戦車が圧倒的に有利なのである(無論、装甲が極端に薄かったり榴弾が積まれていない場合はこの限りでない)。
また、いかに強靭な装甲を持つ重戦車いえども、軽戦車の37ミリ砲弾ですら侮れない、と言うのも本シムの醍醐味である。 とりわけ、多量の砲弾を打ち出す対空機関砲なんかは非常に恐ろしいものである。本シムに登場する砲弾(徹甲弾)の大部分は、徹甲榴弾(AP-HE弾)と呼ばれる内部に信管と炸薬を充填した砲弾がその多くを占めているのだが、それは「装甲板に突入して貫徹しきれなかった場合、信管が作動して起爆する」という聞くに恐ろしい砲弾なのである。「鉛筆と鉛筆削り」を思い浮かべて頂きたい。前者が砲弾、後者が装甲板だと例えると、「先に削りきられた方が負け」と言った感じになる。即ち、硬い鉛筆が鉛筆削りの刃を駄目にしたら、鉛筆(砲弾)の勝ち。強靭な鉛筆削りの刃(装甲板)が鉛筆を削りきったら鉛筆削りの勝ち・・・と言った風である。して、その鉛筆(砲弾)がゴリゴリ削り合っている最中に爆発したらどうだろうか?いかに強靭な鉛筆削りいえども、ただでは済まないのはご想像の通りである。これが、重戦車でも軽戦車を侮れない理由である。
「そんなシステム実装されたらゲームにならねぇよ(#゚Д゚)!!」と思われるかもしれないが、軽戦車はよほど運が良くない限り、砲弾が弱点部位に撃ち込める距離まで詰め寄れない上、重戦車はその搭載砲の威力と射程距離を活かして、軽戦車をアウトレンジ出来るため、やはり重戦車のほうが性能上優位に立てるのは間違いない。加えて、悲しことに軽戦車は機動力が悪い。ゲーム性の強い戦車ゲームを嗜まれる戦車兵諸兄には耳を疑う話しだろうが、小さな車体故履帯幅が狭く、小さな低出力エンジンしか積めない軽戦車は、路上こそその軽さを活かした機動力を発揮できるものの、一度戦場の荒れ地へと出れば、デコボコで軟弱な地盤に呑まれつつ、よちよちと履帯で地面をかき回して進むことしか出来ないのである。そんな軽戦車だが、歩兵を伴った陣地突破では、そこまで機動力が重要ではないため、戦車としての役目を遺憾なく発揮してくれるであろう。
Q.そんなのが楽しいってのか( ゚д゚)・・・?
A.その通り! 特に、自分の放った砲弾が敵戦車の装甲板に吸い込まれていく瞬間は最高そのものだ!
完全な余談だが、ヤークトティーガーのエンジン出力を10万馬力に設定して、F1マシンもびっくりの超スピードで機動戦を行うことも出来る。
Q.お、おう・・・。で、どういう戦車に乗れる?
A.バニラでは3つだけ。でも車内を完全再現↓
・Ⅳ号戦車F2型
・歩兵戦車MarkⅡマチルダⅡ(レンドリース)
・T-34/76 1941年型
でも、MODで20倍以上に増やすことが出来る。
ソ連軍
GAZ M1エムカ
ZIS-5
BM-13カチューシャ1940年型
BA-10
BA-64
T-26
T-60
T-38
BT-5(すみぺ御用達)
BT-7
T-34-76 1940年型
T-34-76 1941年型第183工場製(初期の生産型でヘッドライトが2つあり、操縦ハッチに覗き窓がひとつ)
T-34-76 1941年型スターングラード工場製(鋼製ホイール履きで防盾基部の形がスタイリッシュなT-34)
T-34-76 1942年型スターングラード工場製(上記のさらなる生産簡易型)
T-34-76 1943年型(42年型とも。所謂ミッキーマウス砲塔)
T-28E
T-34-85
T-44
KV-1 1940年型
KV-1 1940年型エクラナミ(A型の装甲強化型。見た目は強そうである、見た目は・・・)
KV-1 1941年型(主砲を行為力のZIS-5砲に換装した攻撃力強化型)
KV-1 1942年型(溶接砲塔鋳造砲塔の2種)
KV-1S(装甲を削ってT-34と一緒に行動出来るようにした。装甲削ったら重戦車の存在意義h(ry)
KV-85(ねんがんの 85ミリほうを てにいれたぞ! T-34/85「( ´_ゝ`)フーン」)
T-35A(ぼくのかんがえた さいきょうの せんしゃ。ずばり百貨店である。英国面の被害者)
IS-2スターリン(<「操縦手用前方バイザーを狙うなんて卑怯だぞ!」)
IS-2スターリン後期車体(↑改良しますた。よくIS-2Mと言われるがそれは戦後の車輌)
IS-3スターリン3
SU-76
SU-122(乗員5名だが出入り口はひとつしかない・・・)
SU-85(↑改良しますた)
SU-100
SU-152(ソ連一の強面。ズヴェロヴォーイと呼べ!)
ISU-122
ドイツ軍
BMW R-12
ケッテンクラート
オペルブリッツトラック
キューベルワーゲン82型
Sd.Kfz232 6輪装甲車
Sd.Kfz234プーマ 8輪装甲車
Sd.Kfz250 装甲兵員輸送車
Sd.Kfz251/1 装甲兵員輸送車
Sd.Kfz251/10 装甲兵員輸送車(3.7cm砲搭載型)
Sd.Kfz 251/9 カノーネンワーゲン(7.5cm砲搭載型。前後期型)
Sd.Kfz7 自走対空機関砲
Ⅰ号戦車F型(ちっちゃいティーガー)
Ⅱ号戦車C型
Ⅱ号戦車L型ルクス
35(t)軽戦車
38(t)軽戦車C型(履帯張り付けによる防御強化型も選べる)角谷会長御用達その1
38(t)軽戦車G型
38(t)指揮戦車 (C型ベースとG型ベースが選べる)
Ⅲ号戦車J型初期(42口径5cm砲)
Ⅲ号戦車J型後期(60口径5cm砲)
Ⅲ号戦車N型
Ⅳ号戦車F1型
Ⅳ号戦車H型「マーク4スペシャルだぁ・・・(嬉)」
Pz.kpfw T-34/747(r) (鹵獲品のT-34 でっかい鉄十字が識別ポイント)
パンターD型(制式化急ぎすぎのポンコツだが後期生産型は活躍)
パンターA型
パンターG型(パンターと言えばこれ)
パンターF型
パンター改造M10駆逐戦車(Hey Guys!!Thank you for join us!!)
ティーガー初期型(やっぱりドイツ戦車と言えばこれ!)
ティーガー極初期型(レニングラード戦線で初陣を飾った耳付きティーガー)
ティーガー後期型
VK45.01(P)ポルシェティーガー
ポルシェティーガー第653重駆逐戦車大隊(P虎の実戦仕様)
ケーニヒスティーガー(M10パンターと合わせてバルジの戦いも出来る!)
号戦車マウス
E-100マウス砲塔
E-100クルップ砲塔
E-100ヘンシェル砲塔
E-79(パンツァーフロントシリーズの架空戦車より。8.8cm砲と12.8cm砲各型あり)
Ⅰ号4.7cm自走対戦車砲
Ⅲ号突撃砲C/D型
Ⅲ号突撃砲F型初期
Ⅲ号突撃砲F型後期
Ⅲ号突撃砲G型
Ⅲ号突撃砲G型ザウコプフ防盾 (かっこいい方の防盾装備型。因みにsaukopfは"豚の頭"という意味)
Ⅲ号突撃砲G型ザウコプフ防盾ツィンメリット・コーティング付き
Pz.Sfl.V シュトゥーラー・エーミール(よくシュタール・エミールと呼ばれてしまうが正しくはこっち)
Sd.Kfz131マルダーⅡ対戦車自走砲初期型
Sd.Kfz131マルダーⅡ対戦車自走砲後期型
Sd.Kfz132マルダー対戦車自走砲
マルダーⅢ対戦車自走砲
ブルムベーア突撃榴弾砲
ヘッツァー駆逐戦車 (角谷会長御用達その2)
Ⅳ号駆逐戦車L/70(V)ラング (ヘッツァーのお兄ちゃんみたいな奴)
Ⅳ号駆逐戦車L/70(V)ラング カモフラージュネット付き
ヤークトパンター駆逐戦車 (ツィンメリット・コーティング付きとカモフラージュネット付きもある)
ヤークトティーガー重駆逐戦車 (半端無く鈍い上、坂道が登れないがT-35よりいくらかマシ)
フェルディナント重駆逐戦車 (なぜかエレファントがない)
イギリス軍
ブレンガン・キャリア/ユニバーサル・キャリア
歩兵戦車MarkⅢヴァレンタインⅠ型 (新型の癖に微妙性能という英国面的戦車)
シャーマンⅤCファイアフライ(前後期型2種)
重巡航戦車A41センチュリオン(BESA機銃型は戦車ゲー唯一の実装)
巡航戦車クロムウェル Mk.Ⅲ/Ⅳ
M3グラント
歩兵戦車MarkⅣチャーチルⅢ型 (ダージリンさん御用達MarkⅦのご先祖)
アメリカ軍
GMC353 CCKWカーゴトラック
M3ハーフトラック
M8グレイハウンド
ウィリスMB ジープ(大戦中の米軍と言えばやっぱりこれ)
M5A1スチュアート
M3リー(前期型後期型。当たり前だが、全ての武装が使える)
M4A1シャーマン75ミリ砲搭載型(前後期型2種)
M4A1シャーマン76ミリ砲搭載型
M4A2シャーマン75ミリ砲搭載型
M4A3シャーマン76ミリ砲搭載型
M4A3E8シャーマン・イージーエイト
M36ジャクソン (天蓋付きと天蓋無しの2パターンが収録されている)
M26パーシング
イタリア軍
フィンランド軍
BT-42(Steel Furyには戦車ゲームの大切な全てのことが詰まってる。でも多くの人がそれに気付かないんだーーーー)
↓ Steel Furyのゆっくり戦記「黒饅頭物語」 ガルパンキャラらしき声が付くが実態は明かしていない。
↓ im@s架空戦記シリーズもついに登場! 上記「黒饅頭物語」登場"ズヴェズダ中隊"のスペイン内戦時代を描く。
国内パッケージ版も存在するが、プレミア価格になってしまっている。 因みに続編のSteel Armorであればパッケージ版でもかなり安い。
▶もっと見る
掲示板
提供: カペリン(代用ししゃも)
提供: れいらん@めいせきむ
提供: みのかさご
提供: らいふ
提供: j
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/25(火) 02:00
最終更新:2025/03/25(火) 02:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。