デアデビル(Daredevil)とは、マーベルコミックス社のアメコミに登場する盲目のヒーローである。
デアデビルの本名はマシュー・マードックといい、愛称はマット。ヒーロー活動をしていないときの、表の顔は弁護士。
マットはニューヨークのスラム街・ヘルズキッチンで、ボクサーである父ジャック・マードックとの父子家庭で育った。
二人は貧困の中にあり、とても一流とは言えない腕のボクサーだったジャックは、マットには学識を身に着けてもらって弁護士のような仕事に就かせようと考え勉強をするようにと普段から教育し、マットのほうはというと父のようなボクサーに憧れていた。
二人とも将来への展望は違っていたが親子関係が悪いということはなくむしろ良好なくらいで、マットは父の教えを守り、小さな頃から日々勉学に励んでいた。ただ、父の眼を盗んでこっそりトレーニングもしたりしていた。
あるとき、マットは事故によって放射性物質(あるいは工業廃棄物)を眼に浴びてしまう。
そんな劇薬と呼ぶのも生易しいモノを眼に浴びて無事に済むはずもなく、マットは全盲となってしまい、この時点で公的にボクサーとなる道は絶たれてしまった。
ただ、視覚を代償に『レーダーセンス』という、後にヒーロー活動をする上で強力な武器になる超感覚を身に付けることになった。詳細は後述。
事故から時は経ち、ジャックはマットの進学費用を稼ぐ必要に迫られ、八百長試合を組むことを持ち掛けられた。
息子のためにと了承したものの、その八百長試合をマットが‘見ている’と感じたジャックは、ボクサーとしての誇りと父としての想いに抗えず、意向に逆らい真剣勝負を仕掛けて試合に勝つこととなる。
父の勝利にマットは大いに勇気づけられ、より一層父への想いを篤くしたものの、八百長試合を台無しにした報復と見せしめにジャックは殺されてしまう。
この父の勝利と、悪によってもたらされた理不尽な死が、マットがヒーロー活動を行うきっかけになった。
更に時は経ち、マットは父の遺志を叶えて弁護士となる。
昼は弁護士マット・マードックとして日々弱者のためにニューヨークの法廷で舌戦を繰り広げてはいるが、
父の殺害を行った犯人を捕らえるため、弁護士だからこそ判ってしまう法をすりぬける悪党を裁くため、夜になるとマットはコスチュームを身に纏い、鍛えた肉体と超感覚を持つヒーロー、‘デアデビル’として、昼夜を問わず悪へと立ち向かっている。
デアデビルの最も特徴的な能力が、レーダーセンスという超感覚。
簡単に言うと視覚以外の全ての感覚が超強化されたようなもので、
音の反響で三次元的な構造物や距離感を正確に感じ取り、視覚に頼らないため背後からの不意打ちも、当然のことながら暗闇からの攻撃も効かない。
心臓の鼓動を聴けばその人物が嘘をついているかどうか、心臓疾患を患っているかすらも見分けがつく。
皮膚感覚も周囲の温度や気圧の変化を感じられるほどに敏感で、
嗅覚は人物の識別ができるほどに鋭く、同様に味覚も口に含んだだけで、それが如何なる成分で構成されているかまですら鑑定ができる、ソムリエも真っ青な鋭敏な感覚を持つ。
このトンデモな超感覚を頼りにデアデビルは戦い、時には弁護士マット・マードックが法廷での嘘を見抜く際の武器として使われる。
銃やナイフは使わず、棍棒や盲人が持つ白杖を改造した仕込み棍棒‘ビリークラブ’で武装し犯罪者と戦う。
マット自身の格闘能力も非常に高いレベルで、ボクシングを始め柔術やマーシャルアーツなどを棒術と共に、師匠のスティック(同じくレーダーセンスを持つ盲人)という人物から教わった。
補助系の能力持ちとはいえ、盲人だからとナメてかかったチンピラを、作品によっては幼少期の頃から軽くひねることが出来るくらに頑強で、その強さは推して知るべし。
レーダーセンスで超人的な感覚を得たといっても盲人であることには変わりなく、色彩を‘見分ける’ことは不可能だし、紙にインクで印刷されているに過ぎない文字を‘読む’ときは、普通の視覚障害者と同じく点字で読む必要がある。液晶画面の内容も‘見えない、判らない’ため、ドラマ版『DAREDEVIL』ではマットの持つスマートフォンの着信音は「かけてきた人の名前」が鳴るように設定がされている。
また、レーダーセンスも極端に大きすぎる騒音の状況下では感覚を乱され、健常者でいうところの目眩を起こすような、感覚の飽和状態に陥ってしまう。
加えて、レーダーセンスを持っている以外では、非常に高レベルの武術を習得している‘鍛え上げられたただの人間’でしかない。
キャプテン・アメリカのような人間の限界値ギリギリまでのスペックは持っていないし、X-MENのミュータントたちのようなトンデモ超能力は発揮できない。
ゆえに、デアデビルが主に戦う相手は超自然的なモノが目立つ悪役ではなく、
ギャングや犯罪者出身の悪役、貧困や差別、麻薬などを食い物にする悪役を相手に戦うことが多い。
いわゆるクライムファイター。
同じくニューヨークを活動拠点とするスパイダーマンとは協力することが多い。
パニッシャーの活動拠点もニューヨークなのだが、デアデビルは「法で裁けぬ」(逆に言えば法で裁けるならマット・マードックの出番)悪党を退治するヒーローのため、見敵必殺を信条とするパニッシャーとはやはり相性が悪い。
デアデビルが映像化として、映画化された初めての作品。
公開当時評判はあまりよろしくなかったが、アメコミを知らない・普段は見ない日本人が気軽にかつ容易くデアデビルというキャラクターを知るには恐らくこれが最適。
マット・マードックが、如何にしてデアデビルとなったかを描いた作品。
会社違いではあるが『バットマン:ダークナイト・リターンズ』という、近年のシリアス路線バットマンを確立した大ヒットアメリカン・コミックの著者が、デアデビルの始まりの物語を描いた作品。
映像作品配信サイトNetflixにおいて配信され、アベンジャーズ関連作品でもあるドラマ版『DAREDEVIL』の原案にもなったコミック。
暗い作風なので、アメリカンコミックに馴染みがありダークナイト三部作が好きな方にオススメ。
映画などでアメコミヒーローを知った人々が、原作コミックではこんな風に他のヒーローと共演しているのだという入門作に一番オススメかもしれない。
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最終更新:2024/05/03(金) 22:00
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