秋津洲(あきつしま)とは、ソーシャルゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場するキャラクター(艦娘)である。モデルは大日本帝国海軍の水上機母艦(飛行艇母艦)「秋津州」。
水上機母艦、秋津洲よ! この概要と一緒に覚えてよね!
水上機母艦「秋津洲」は、2015年4月末から行われた春イベント「発令!第十一号作戦」の6面目にして最終面である「打通作戦!ステビア海を越えて」の突破報酬として実装された。最終面突破報酬という性格から、ここで取り逃がすと今後しばらくは取得出来ないと予想されていた。
2016年3月11日のアップデートで通常海域でもドロップするようになったが、最深部の6-4と非常に難易度が高い。(道中でドロップするのが幸いだが、逆に言うとガシャンと空振りに終わることもあるのでやっぱり辛い。)その後イベント海域でもドロップするようになった。
水上機母艦としては、「千歳」「千代田」以来の実装となる。なお、改装すると軽空母になる千歳姉妹とは違って、こちらは改装しても水上機母艦のままである(といっても五段階改装となるあちらと違って、こちらは現時点では一段階改装のみ)。
ただし、同じ水上機母艦といっても、千歳姉妹とは色々と異なるので、運用には注意されたし。
- 甲標的の搭載は出来ない。なので先制雷撃は出来ない。というか、そもそも魚雷が搭載できないので雷撃戦ができない。
- 二式大艇を搭載可能。こちらはちとちよには積めないので注意。
- 前述したとおり、改装しても軽空母にはならない。
- 低速に分類されている(千歳姉妹は高速に分類されている)。また燃料の消費量も非常に多い。ただし、戦闘能力がほとんどないことを反映してか、弾薬の消費量は少ない[2]。
このように、同じ水上機母艦なのに千歳姉妹と色々違うのは、「秋津洲」は本当のところは「飛行艇母艦」として作られたことを反映していると思われる(詳細は史実を参照)。
水上機母艦なので、同カテゴリのちとちよ&瑞穂と比較される事になるが、その性能は大きく・・・と言うか殆どの面で異なる。
- ちとちよ・瑞穂は雷装があり甲標的も積めるので先制雷撃ができるが、秋津洲は雷装が0なので雷撃自体ができない。甲標的も積めない。
- ちとちよ・瑞穂は大発動艇が積めるので遠征の補助ができるが、秋津洲は積めないので遠征に行かせるメリットがない。(実装当初。今は積める。)
- 砲撃火力はちとちよと同程度だが上述の通り雷装が0なので夜戦にもつれ込んでも火力が無い。運が悪いと1-1のイ級にすら負けて帰ってくるため、1-1でのキラ付けすら難しい。
- 水上爆撃機は積めるが各スロットの搭載数が1しか無いため、速攻で全滅して行動不能に陥る。熟練度もどんどん下がる。他の水母は1スロ6~12機は積める。
- 水母共通で爆雷が積めるが、秋津洲はそれに加えてソナーが積めるため、爆雷ソナーのシナジー効果を受けられ、対潜攻撃力が高い。(改造後のみ)
- WG42が積める。(改造後のみ)
- 回避が高い。他水母の1.5倍はあり、軽空母クラスよりも高い。
以上のようにメリットはあるにはあるのだが、デメリットが大きすぎて「使おうにも秋津洲でない艦に任せた方がいい」と言うオチになる事が殆どで、実装当初は「弱い」「無能」の烙印を押され、「艦これ史上どう頭を捻っても使えない艦」と言う評価が定着してしまった。
対潜攻撃力だけなら使えなくもなかったが、それだけのために秋津洲を入れると他のデメリットが大きすぎてまず使われる事は無かった。
ただしこの無能さが逆にキャラ立てに役立ったのか何なのか、その見た目の可愛さも相まってファンは最初から一定数以上いた模様。秋津洲単艦で演習に挑む「秋津洲チャレンジ」なる遊びに熱中する提督もおり、そういう提督は得てして秋津洲のレベルは当たり前のようにカンストであった。
それからはイベントや6-xなどの新海域にて秋津洲がルート固定要員になる事が多数でてくるようになり、秋津洲も日の目を見るようになった。
・・・と思いきや、烈風を積んで制空補助ができるあきつ丸、流星改を積んで空母パンチができる速吸などと違って本当に置き物で艦隊の戦力が1隻分下がるため、秋津洲を使わない遠回りルートの方が楽な事も多々あるほどで、やっぱり使われないか、使われても「使わされてる感がすごい」との声もあった。
現在は様々なシステムアップデートや秋津洲自身のアップデートによって、秋津洲にできる事も増えてきており、無能ではなくなってきている。
- 大発をはじめとして上陸用舟艇が一通り装備できるようになった。
陸上型深海棲艦への火力要員としては流石に無理があるが、遠征要員にはなれる。ちとちよ・瑞穂に比べて燃料消費が1.5倍くらいあるが、弾薬消費が1/3程度しかないため、遠征を選べばちとちよよりも適任である。 - また、大発戦車隊の改修効果が大きいことも幸いし、改修済み大発戦車+WG42と装備することで、制空補助しつつ、集積ちゃんを燃やすぐらいなら可能となった。
勿論制空が足りているのであれば内火艇も含めた3点セットでルート固定しつつ、砲台子鬼を昼に破壊、集積ちゃんに至っては例え大破していても燃やすことも可能である。 - 水上戦闘機カテゴリの実装により、制空補助ができるようになった。
今では更なる修正により、熟練度ボーナスが空母の艦戦と同じ1スロあたりMAXで+25と言う高ボーナスになったため、3スロに満載すればそれだけで+75。オリョールくらいなら敵編成にもよるが秋津洲一人で制空を狙えるレベルである。
これはシステム自体のアップデートであり、他に一部の重巡や他の水母にも同じ事が言えるのだが、秋津洲はさらに各スロットの搭載数が1しかないことが逆に幸いし、水上戦闘機の動作範囲内では撃墜が絶対に起こらない。つまりボーキを一生消費しないのだ。[3] - 【期間限定海域限定】「緊急泊地修理」
2019年8月31日実装の新機能。期間限定海域(イベント)の特定海域限定で、「艦艇修理施設」を装備した秋津洲改または明石改を第1艦隊旗艦以外に配置して出撃した際、泊地修理に適したマスで「緊急修理資材」(アイテム)及び鋼材を消費することで随伴艦のHPを最大25%回復することができる。 - ルート固定についても強化されている。
そもそも緊急泊地修理はそれ専用の特別ルートを通ることとなり、2020年6月現在、例え修理を行わなくても何らかの形で1戦回避するルートを通ることができる。これは中大破による撤退を避けるだけでなく、ボスマスでの弾薬ペナルティを緩和、あるいは避けることができるため、撃破の可否に大きく関わってくる。それ以外にも秋津洲(と二式大艇ちゃん)の存在がルートの直接固定や編成条件緩和に関わってくる海域も多く、通常海域においても2期6-4にて、「秋津洲/長門/陸奥/航巡/駆逐2の編成で、戦艦2隻でも(比較的楽な)左最短ルートが可能」という修正が加わった。長門や陸奥の改二が持つ対地装備可能能力や、ビッグセブン特殊砲撃(胸熱砲)の存在により、難関と言われた6-4の難易度を大幅に下げることにも繋がっている。
このように、真面目に秋津洲入り編成が第一候補に上る事も多々あるようになった。
大艇ちゃんも基地航空隊で役割が与えられている。
大艇ちゃん自身は特に戦闘力を持たず、ちょっと索敵ができるだけの航空機だが、行動半径20というぶっちぎりの行動範囲の広さを活かして他の航空機を牽引する事ができる。
2016春イベでの基地航空隊ではこの行動範囲による制限が甘く、せいぜいが行動半径長めの艦戦下位機種を混ぜる程度の対応で全て何とかなっていたのだが、2016夏イベではこの辺りがブラッシュアップされ、最終海域のボスマスに航空隊を送り込むには、大艇ちゃんによる牽引がほぼ必須になった[4]
容姿
銀髪(薄い紫?)の長い髪を向かって右に垂らしたサイドテールにまとめている。その反対側には、先に錨のついた長いリボンを配しているため、一見ツインテールにも見える。頭には菊紋を配した小さな帽子を付けており、さらにアホ毛も装備している。
服装は、薄いエメラルドグリーンと白とグレーを配した制服に同じ配色のスカートだが、特筆すべき点としてなぜか腋を出している(ちょうど改装前の金剛型戦艦とは逆で、肩は繋がっているデザインになっている)。胸部装甲は普通(同時実装された面々が巨乳と平坦に偏ってるので、貴重な美乳枠ともいえる)だが、中破すると判るが実はノーブラである模様。
艤装は背中に背負っているが、巨大なクレーンが目立つ一方で武装はあまりない模様。また中破しないと判らないが、右の腰には鞄を提げている。中に入っているのは二式大艇用の爆弾もしくは増槽だろうか?
改造すると図鑑の登録位置も変わるが、画像自体はほとんど間違い探しのレベルである。
(答え合わせをしておくと、クレーンの左側に三連装機銃と、左腕に電探付きの腕章が追加されるだけ)
性格は基本的に元気っ子で、「かも」が口癖だが、おなじ口癖を持つ高波とは違って自信なさげな様子は無く、単純に語尾に「かも」と付けているだけの模様。
二式大艇のことは「二式大艇ちゃん」もしくは「大艇ちゃん」と呼んで可愛がっている模様で、普段から抱えている。ちなみに、「連装砲ちゃん」「連装砲くん」「長10cm砲ちゃん」「二式大艇ちゃん」とそのご主人は、全員しずまよしのりデザインである。
そのしずま氏によると、二式大艇ちゃんは可能性を秘めてる模様。
ビルド二式大艇ちゃんフルパッケージ
上記のしずま氏による可能性が起源となった大艇ちゃんの真の姿・・・ではなく、二次創作のお遊びネタ。
名前の語源は秋津洲の中の人である小松未可子が担当した『ガンダムビルドファイターズ』主人公イオリ・セイの制作兼愛機であるビルドストライクガンダムの一形態にちなむ。大艇ちゃんが変形した姿以外にも秋津洲と合体した姿も含めた総称としても親しまれている。(ちなみにMMDモデルも有ったりする。)
おお!こんな戦史もあるんだぁ!嬉しいかも
太平洋戦争が始まる前から、海軍では広い太平洋を戦場とすることが予想されていた(というか、アメリカを相手にすると必然的にそうなるわけで)。この広い太平洋で航空戦力を運用する場合、本格的な空母は数に限りがあるし、かといって占領した島に一つずつ飛行場を作るというのも無理がある(米帝じゃあるまいし)。
というわけで、日本海軍は海上を滑走路とする水上機の開発にも力をいれていた。しかしフロート水上機(艦これで言えば瑞雲とか水偵とかが該当)ではどうしても機体の大きさに制限を受けてしまうため、大型機となると飛行艇にならざるを得ない。
※瑞雲などのフロート水上機と二式大艇といった飛行艇との違いは、大まかに言えば、「水上で胴体が水に付いていないのが水上機で、付いているのが飛行艇」である。
となると、必然的に飛行艇を補給や整備をする洋上基地が必要となる(滑走路はいらなくても補給と整備は必要だからね)。
というわけで、当初は水上機母艦<神威(かもい)>を改装してみたが、飛行艇用母艦としては性能不足であった。
そこで、昭和14年のマルヨン計画で、新しく飛行艇母艦を建造することになった。
こうして建造された<秋津洲>は、1942年4月29日、神戸川崎重工にて竣工した。排水量は5,000tと、5,500t級軽巡(球磨型、長良型、川内型)よりやや小さめの艦となった(ちなみに、千歳型水上機母艦は12,000tである)。
ところが、お世話する方の二式大艇が出来上がってみると、こちらは重量31tという化け物シロモノであり、舷側に備え付けられるレベルのウィンチで艦上に引っ張り上げることは不可能であることが判り、急遽35tの引き揚げ能力を持つ大型クレーンを装備した。
なお、<秋津洲>は千歳型のように「カタパルトで水上機を打ち出す」ような機能はなく、あくまでも泊地での整備に特化した艦である。というか、そもそも二式大艇を乗せたまま航行すると転覆しかねないので、戦場近くまで運搬する、という使用も出来ない。なので、<秋津洲>は分類上は水上機母艦だが、その性格はどちらかといえば<明石>のような工作艦に近く、戦闘する艦ではなかった。
なお、その後マルヨン計画(昭和17年)に同型艦3隻分の予算が計上されたが戦局の関係で一旦ご破算に。マルキュウ計画で改めて1隻分の予算を立てて建造を開始し、<千早>という艦名まで決まっていたが、こちらも同じく戦局の関係で建造中止となる。……くっ。
ともあれ、竣工した<秋津洲>は横須賀鎮守府の所属となり、初代艦長黛(まゆずみ)大佐(後に<利根>の艦長や<大和>の副長も歴任した人である)の発案で独特のストライプ迷彩や偽艦首波(艦首が大きな波を蹴立てて高速航行しているように見せかける白い塗装)を艦に施した。ところが、不時着機の回収任務でガダルカナル島方面に向かったところで、第一次ソロモン海戦に向かっていた第八艦隊から危うく敵と間違えかけられる羽目になる。旗艦<鳥海>に乗っていた大西参謀長から「随分とまたゴテゴテと厚化粧に塗ってきたな」と言われて、黛艦長は「戦闘力の無い艦なので昆虫みたいに保護色に塗ったんですよ」と返している。
また、第二次ソロモン海戦の直前には、<陽炎>に給油したという記録も残されている。「サ~ンキュ!」
1944年になると、日本海軍は<明石>を始めとした工作艦を失い、<秋津洲>も工作艦として改修され、前線に投入されるようになった。
そして9月24日、フィリピンのコロン湾にて、給糧艦<伊良湖>と共に米軍の空襲によって沈没した。
1944年11月10日、除籍。
現在、海底にその身を横たえた<秋津洲>は<伊良湖>と同様にダイビングスポット「秋津洲レック」となっている。
戦後、その名は海上保安庁のしきしま型巡視船の2番船<あきつしま>(2013年11月28日竣工)に受け継がれる。巡視船とはいえ、大きさはこんごう型イージス護衛艦と同等の、世界最大クラスの巡視船である。2015年4月の天皇皇后両陛下(当時。現在の上皇上皇后両陛下)のパラオご訪問に際し、<あきつしま>は御召艦ならぬ御召船を務めた。
今こそ、秋津洲流戦闘航海術実践の時。出撃するかも!
と、彼女が勇ましく声を挙げている「秋津洲流戦闘航海術」についても簡単に追記しておきたい。
前述の通り、黛艦長の発案により厚化粧独特な迷彩パターンを施した<秋津洲>だが、それ以外にも黛艦長や乗組員達は敵弾をかわすための奇抜な方法をいくつも考案しており、そのうちの一つが「秋津洲流戦闘航海術」と呼ばれるものである。
これは、両舷の錨を右舷側に長く延ばしておき、敵艦爆が爆弾を投下したタイミングで「前進一杯」(緊急時の最大出力)をかけると、さながら艦全体が右に引きずられるように動いて爆弾をかわすという、言うなればリアル戦艦ドリフト(戦艦じゃないけど)である。爆撃をかける側も艦体が前進するのは予想出来ても、さすがに横に動くのは予想の範囲外であり、実際に<秋津洲>は爆撃をこれで回避している。
勇ましい名前から誤解されるかもしれないが、「秋津洲流戦闘航海術」は、以上のようにあくまでも回避技である。
関連動画、発見したかも。艦隊、戦闘よーい!
やっぱ、この関連静画変かもですか!?そう?かな・・・。あたしは気に入ってるんだけど・・・
関連コミュニティ見るの?それは大切かも。はい!どうぞ
関連項目
2015年春イベント 『発令!第十一号作戦』 新規実装艦娘 | ||
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脚注
- *改造後は他にソナーやWG42、熟練艦載機整備員も装備可能になる。
- *具体的にいうと、燃料/弾薬の消費量は50/10。同じ水上機母艦の千歳(未改装)が35/35、千歳甲が35/45である。
- *艦載機の撃墜は艦戦同士の制空権争いによる「割合撃墜」と対空砲火による「固定撃墜」があるが、対空砲火は艦攻や艦爆、水上爆撃機のみを対象としており水上戦闘機は固定撃墜を受けない。受けるのは割合撃墜だけだが、こちらの艦隊においては制空権を完全に喪失しても10割撃墜される事がないので、搭載数1だと切り上げで必ず1残る=1機も減らない。
- *カタリナ等の他の偵察機でも可能だが、他の編成を足の長めのものを混ぜる必要があり、完全に自由な編成を牽引できたのは大艇ちゃんのみ。
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