ヴェスパー第2隊長 スネイルです
これより作戦内容を伝達します
私が立案した作戦行動に臨めること
光栄に思いなさい
V.Ⅱ スネイル(ヴェスパー・ツー - )とは、ゲーム『アーマード・コアVI ファイアーズ・オブ・ルビコン』に登場する企業キャラクターである。
概要
スネイルは第8世代手術を受けて強化人間となった後
新しい術式が普及するたびにその長所を取り入れるべく
再手術を繰り返している
新資源コーラルを求めて惑星ルビコン3に進駐している企業「アーキバス・コーポレーション」直属の強化人間部隊(アーマード・コア部隊)「ヴェスパー部隊」に所属する男性。
本作随一の俗物。
人物
ACシリーズの伝統として、キャラクターグラフィックなど、一切の個人設定は不明。推定年齢は30代~40代くらいか。
ヴェスパー主席隊長のV.Ⅰ フロイトに代わって実質的な部隊指揮官を務めているほか、アーキバスグループがルビコン3で運営している、捕虜とした現地民や敵対勢力構成員を収容する「再教育センター」の所長も兼務している。彼が所長に就任して以降、再教育センターの収容人数は右肩上がりらしい。
常に慇懃無礼な、鼻持ちならない態度を崩さないイヤミなおじさん。同情の余地が一切ないプロフィールや、作中の数々の所業と合わせて「全ての他人を捨て駒として見ている」ことが嫌でも伝わってくる、わかりやすい悪役。ヴェスパーの下位隊長からは「スネイル閣下」と呼ばれているが、そう呼ばせているのか、皮肉で呼ばれているのに気づいていないのかは不明。
作戦立案から前線指揮までマルチにこなす多彩な人物だが人使いは荒い……どころではなく、立案する作戦計画は(少なくとも作中披露されたものは)、戦闘員の損耗を明らかに考慮していない内容ばかり。前提条件に穴があっても、敵戦力が過小評価であっても、その辺りは伝えずに戦闘員に丸投げし、忠実なものであれ不穏分子であれ容赦なく使い潰す。
一方でプロフィールの印象とは裏腹に、必要と判断すれば自分自身で前線に赴くこともある。「友軍が多かったり、露払いが終わっていたり、自機の戦力が圧倒的に上だったり」という条件付きではあるが常に後方でふんぞり返っているわけではない。少なくとも口先だけの雑魚ではないのは確かであり、V.Ⅳ ラスティからも「伊達に上位ナンバーではない」と評されている。
人間関係
劇中描写された範囲では、やはりというか部隊内での評判は芳しくなさそう。ラスティには明確に嫌われており、V.Ⅴ ホーキンスには「人を呼びつけるのが好き」「遅れて来るのはいつものこと」「アイツはああいう奴だから(意訳)」と匙を投げられている。V.Ⅷ ペイターにも陰で呼び捨てにされており、フロイトにはほとんどまともに相手にされていない。
明確にスネイル派と取れるのはV.Ⅶ スウィンバーン。無駄な現場主義や神経質さ、敵対者を意のままに指導しようとする態度に通じるものがあるのか、彼からは慕われている模様。「職務に忠実」とされるV.Ⅵ メーテルリンクも、スネイル本人をどう思っているかは不明だが、少なくとも命令には忠実に従っている。
スネイルの方でも、彼ら(特にフロイトとラスティ)の腕前を評価こそすれど、基本的には「手駒」と「言うことを聞かない手駒」と「自分の足を引っ張る不穏分子」程度に思っている模様。また、傘下企業のシュナイダーからヴェスパー入りしたラスティのことは警戒している。
主人公・C4-621(レイヴン)のことは「駄犬」「害獣」と評し、一貫して蔑視&過小評価している。G5 イグアスについても「狂犬」と纏めている。スネイルとしては旧世代型強化人間自体が唾棄すべき存在であるようだ。
RaDの自動人形・チャティ・スティックに対しては「死を恐れないのは良いこと」と評価(?)している。当のチャティは「死なないわけではない」ためか、彼にしては言葉を濁した反応を返していた。
俺が企業だ! すね☆いるさん
無能な上層部、言うことを聞かない主席隊長、スパイ疑惑がある上に調子に乗っている第4隊長、頼りになるんだかならないんだかの部下たち、キャンキャン煩いルビコン土着民、時代遅れのベイラム……。こうした害悪集団に揉まれつつ、日々中間管理職業務を全うするスネイル氏。
彼の原動力となっているのは
という見上げたプライドである。
注意しておきたいのは、これは「社のために尽くす」という社畜思想ではなく「私のために尽くす(せ)」という自己本位の思想という点。
そもそも、平気で人材を使い潰し、反抗者は片っ端から再教育センターに放り込む、ただでさえ性格に難がある人間など、企業内での信頼を得られるわけもない。「無能な上層部」というのもスネイルの主観に過ぎない(少なくともベイラムよりは遥かにまとも)。スネイル氏の振る舞いは上からも下からも危険視されるだけで、自分で自分の首を絞めているのだが、その辺りには考えが及ばないようである。
元々アーキバスのルビコン3人的資源は多くないのだが、物語終盤、いよいよもって手駒が足りなくなり、自ら出撃したスネイル氏が中間管理職的悲哀をぶちまける姿に「お前も苦労してんだな…」と妙な同情心が湧いてくるプレイヤーも多いことだろう。だが「それはそれとしてあなたはクソだ」と、遠慮なく攻撃を続行するプレイヤーも多いと思われる。
少しの笑いを提供し、なんら良心の呵責なくブッ倒せるこの上ない名悪役、それがV.Ⅱ スネイルなのだ。
搭乗AC:オープンフェイス / OPEN FAITH
アーキバス先進開発局(AADD)製の重量2脚フレーム「VE-4xAシリーズ」統一機。ACシリーズお馴染みのMS-09オマージュ脚部が特徴の、どっしりしたアセンブルである。人顔のように見える頭部も特徴。
エンブレムには「幾重にも開頭された顔面」が描かれているが、機体名の綴りが「FACE(顔)」ではなく「FAITH(信頼・信仰)」であることに注意したい。割られた顔の中には漆黒の闇が広がっているが、これがこの人物の本質なのだろうか……?
「アーキバス」を自称するだけはあり、フレームとインナーにはアーキバス製のVPパーツとAADD製のVEパーツ(あとシュナイダーブースタ)がずらりと並ぶ。中でも特徴的なのは「移動要塞」を志向した砲戦用FCS・VE-21Bだろう。
当然ながらAP・防御力・姿勢安定性は高く、特に対エネルギー防御は最強クラス。ブースタにはアサルトブースト特化型を選択し、小回りを犠牲に突撃力を確保。防御に物を言わせたごり押し近接戦を主軸としながらも、優れた武装構成で全距離に対応する。FCSとジェネレータを武装に合わせて最適化すれば、他はそのままでオンライン対戦にも投入できる良機体である。
登場タイミングによって武装構成が変化しているのも特徴。
旧装備版
チャプター3仕様。アーキバス製拡散レーザーキャノンとVCPL製垂直プラズマミサイルを背負い、AADD製の高火力レーザーライフルと神速の光槌・レーザーランスを構える。VE-20Cジェネレータによってライフルと拡散キャノンのダメージは約14%上昇している。
FCSの近距離補正が劣悪なため、近距離射撃はほぼ密着しないと当たらないが、そこをカバーするのがアサルトブーストとレーザーランス。迅速に距離を詰め、ランスチャージで一気に懐に潜りこみ、スタッガー中の敵に拡散キャノンをお見舞いする。
拡散キャノンをチャージすれば中距離戦にも対応できるので、接近を封じられたとしても問題ない。全領域をカバーできる、隙のない構成と言える。
アリーナ登録版
チャプター4以降、ライフルをアーキバス製スタンガンに、拡散キャノンをAADDの新兵器・スタンニードルランチャーに換装したアセンブル。ゲーム中で戦えるのはこちらの仕様のみとなる。実戦投入されたスタンニードルの性能が実証されたことで、満を持して取り込んだという所か。ここでも彼の慎重さが現れている。
旧装備版よりもスタッガー中の直撃威力を志向した仕様と言える。ランスチャージで距離詰めとスタッガーを同時に狙い、スタッガー中の敵にスタン弾をしこたまお見舞いする。圧倒的直撃補正を誇るスタンニードルがクリーンヒットすれば、中~軽量級は半壊する。スタンガンは弾速が速く、FCSの劣悪な近距離補正をある程度補えるのもポイント。
これでジェネレータも換装していれば……。EN射撃武器適正が適用されない武装ばかりになってしまい、強みが完全に死んでいる。スタンガン搭載によってより接近戦主体かつ持続火力が低下したこともあり、アセンブル完成度は旧装備版よりも下がってしまった。ただし感電死待ったなしの爆発力は本物であるため、油断すると死ぬ。
本仕様が生きるのは複数vs複数のチームバトル。味方と交戦中の敵を死角から串刺しにして全火力を叩きつけたら離脱し、次の獲物を探す。重装甲で多少の流れ弾には耐えられるので、長いこと戦線を引っ掻き回すことができる。はいそこ、スネイルらしいヘイト擦り付け戦術とか言わない
ストーリー中の活躍
チャプター1『壁越え』で初登場。ルビコン解放戦線の要衝攻略「壁越え」にフロイトを投入せざるを得なくなっていたところ、ハンドラー・ウォルターからレイヴンの売り込みを受け、ちょうどいい捨て駒として雇う。壁越えを完遂したレイヴンに、ラスティは「これで上も君の名を覚える」とエールを送るが、スネイルはそうではなかったようだ。
惑星封鎖機構が本格的な治安維持行動を開始すると、スネイルも激務に追われていたようだ。チャプター3『旧宇宙港襲撃』で再びウォルターからレイヴンを売り込まれた際には余裕のない姿を晒している。
…ヴェスパー副長ともなれば心労も多いようだ
とりわけ今の状況では何が言いたい?(ガチギレ)
ベイラム主導で行われたC兵器討伐作戦では、アーキバス側からラスティと共に「お目付け役」として参戦。ブリーフィングにしゃしゃり出た挙句G1 ミシガンに説明を横取りされたり、鼻っから自分以外を下に見る言いざまでG5 イグアスのヘイトを買ったりもしたが、任務ではしっかり役目を果たした。
寄せ集め各位 統率を欠かないように
なんだこいつは 舐めてんのか…?
チッ イラつく野郎しかいねぇ
大深度地下施設「ウォッチポイント・アルファ」の深奥到達戦では、いよいよ目障りになってきた621とラスティを共倒れさせるべく、双方に真の敵を伏せた「だまして悪いが」を発行し、激突させる悪辣さも発揮している。そして、更に多くの手駒を使い捨て、スネイルは遂に集積コーラルへの道を拓かせた。
表ルート・その1
621。この節は、お前の目で 『レイヴンの火』を見た後に確認しろ。 |
スネイルは621とウォルターを奇襲し、2人を再教育センター送りにする(殺してもよかったが、上層部が興味を示したので生け捕りになったらしい)。しかし暫く後、アーキバスがコーラルを星外に吸い上げるバスキュラープラントを再建した辺りで、621はルビコニアン勢力の手引きを受け逃亡する。
ドーザー「RaD」を中心としたルビコニアン勢力は、星間移住船「ザイレム」を起動し、バスキュラープラントを破壊するために進撃する。スネイルは地上で蜂起したルビコニアン勢力の火消しに回り、ザイレム撃墜のためフロイトを差し向けるが、フロイトは生きていた「駄犬」との戦いに熱中した挙句、敗北。
フロイト 何を遊んでいるのです
目標はあくまでザイレムの掌握です
その駄犬は無視して構いませんそうだったな スネイル
了解した
(通信途絶)
切り札の強襲艦隊も壊滅し、最早スネイルに打つ手はなくなった。ザイレムはバスキュラープラントに到達し、2度目の「アイビスの火」が起こる。全てが終わった後には、かつての開発惑星の痕跡だけが残された――
表ルート・その2
レイヴン。この節は『ルビコンの解放者』を 見届けた後に閲覧するべきです。 |
スネイルは621とウォルターを奇襲し、2人を再教育センター送りにする(殺してもよかったが、上層部が興味を示したので生け捕りになったらしい)。しかし暫く後、アーキバスがコーラルを星外に吸い上げるバスキュラープラントを再建した辺りで、621はルビコニアン勢力の手引きを受け逃亡する。
ドーザー「RaD」を中心としたルビコニアン勢力は、星間移住船「ザイレム」を起動し、バスキュラープラントを破壊するために進撃する。スネイルはザイレム掌握のため、アーキバス精鋭部隊を率いてザイレムに乗り込むが、そこで生きていた「駄犬」と遭遇する。
ここでスネイルと戦うか、無視するかはプレイヤーの選択に委ねられ、それによってその後の決戦でのセリフが少し変化する小ネタが仕込まれている。
ああ…貴方の再教育は
もう諦めましたよ
上層部が間抜けなせいで
無駄なことに労力を払ったものですあくまで噛みつくつもりか…?
…そういえば旧世代型だったな
涎を垂らして獲物を追うしかできないわけだ
貴方の飼い主も…
実に反抗的でしたよ
地上ではルビコン解放戦線が決起し、ウォッチポイント・アルファへ突入を開始。更にやはり生きていたラスティが解放戦線に復帰し、新型機で出撃する。アーキバスは切り札の強襲艦隊と、惑星封鎖機構から鹵獲・改修したアーキバス・バルテウスをザイレムに投入した。
…独立傭兵レイヴン
駄犬というのは訂正しましょう
貴様は…
駆除すべき害獣だ!…このガラクタ(編注:ザイレム)を落とすのはいいでしょう
苦心して吸い上げたコーラルです
こんなもので焼かれては困る
地を這う猿どもを扇動したのも…
まあいいでしょう
621の前に現れたアーキバス・バルテウス。駆るのはもちろん、怒りに震えるスネイルである。戦おうが無視しようがどっちでもキレるんかいお前……。
裏切り者の第4隊長
頭の悪い上層部
そして何より
火種をまき散らすルビコンの害獣…
どいつもこいつも
この私を苛立たせる…!
死んで平伏しろ!
私こそが企業だ!
普段の慇懃無礼な態度はすっ飛び、ひたすらに憎悪をまくしたてるスネイル。特大レーザーブレードをやみくもに振り回すバルテウスの姿から、コクピット内で狂乱しているスネイルの様子を想起したプレイヤーもいるのではなかろうか。さっさと静かにさせてやろう。
(絶叫)
フロムスタッフも字幕を付けることすらはばかられたのではないか、そう思える手塚氏の断末魔演技をご堪能あれ。一連のセリフは英語版でも凄まじい熱演が行われているため、そちらも鑑賞をお薦めしたい。
それにしても「最後のプラン」とは? 直後、ラスティ機が何者かに撃墜される。まさか、この新手が……?
この次のミッションで、621はその正体と思われる敵と遭遇する。
裏ルート
強化人間C4-621 レイヴン。 この節は『賽は投げられた』ことを 確認後に閲覧してください。 |
強化人間 C4-621 レイヴン
ヴェスパー第2隊長 スネイルが
貴方を使い捨てるべく控えています
このまま進めば 貴方は
企業勢力の虜囚となるでしょうどういうことだ
通信障害だと…
帯域を変更しなさい
本部への連絡はあとだ
まさか… 駄犬の飼い主が
策を弄したか…?待ちなさい
このノイズは…
そこ! 何者か!貴様は…
独立傭兵レイヴン…!
駄犬にしては鼻が利く…
どうやってここを知った?
…まあいい
身体に聞くことにしましょう
3週目以降にプレイできる『賽は投げられた』ルートでは、オールマインドがスネイルの策略を警告し、逆奇襲を促してくる。
指定ポイントでスネイルと交戦する621。だがそこに、潜伏していたイグアスも乱入。三つ巴の戦いとなる。
化け物退治の時の
木っ端役人じゃねぇか…
ちょうどいいぜ…
てめえも気に入らねぇ まとめて殺してやる…不愉快なんですよ 旧世代型は…
貴方は存在からしてカビが生えているのです
それを自覚しなさい
…ああ もう一匹もそうでしたね
道理で気分が悪いわけだ…
死闘の果て、生き残ったのは621だった。これ以降、621はウォルターとも切り離され、オールマインドの虜囚として動くことになる。
余談
- ファンアートでは「金髪オールバックで細い眼鏡をクイッとしてる、やや細身のおっさん」として描かれることが多い。ラスティと並んで集団幻覚共通像がはっきりしているキャラクターである。
- その所業から「こいつは悪だから何をしても許されるよ!」ムードが漂っているのか、はたまた中間管理職的悲哀や何度も強化手術を重ねる「臆病さ」が創作意欲を刺激するのか、二次創作では実に多彩な弄られ方をしている。ラスティやフロイトに振り回されたり、フロイトや621の強さを畏怖したり、実はフロイトに並々ならぬ思い入れをしていたり。実は隠れた人気キャラである。
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