概要
藤子・F・不二雄のSF短編の一つ。奇想天外社『マンガ奇想天外』1982年5月号に掲載された。冷戦期における核戦争の恐怖をテーマに描いた作品。
みどりヶ丘シネサークルの4人が第一回映写会を開催し、各々が作品を披露していく。
世界を駆け回る男を映した作品、8年間の街の発展を映した作品、某有名映画のパロディー作品……各メンバーが力作を披露して称賛し合う中、メンバーの1人が「つまらない」「ひま人の遊び」と一蹴する。
そして最後に上映される彼の作品の内容は……
登場人物
- 土井
- 面長かつ出っ歯のサラリーマンらしき人物。商用で海外に出かけることが多いのを利用し、ジョギングで世界中を駆け巡る「世界を駆ける男」を制作した。
- 立花
- 髪が薄く眼鏡をかけた中年男性。12年前にかまえたマイホームの2階にカメラを設置し、毎日3コマずつ撮影。8年間撮り続け、街が発展していく様子を8分の映像に収めた。
- 会長
- みどりヶ丘シネサークルの会長。本名は不明。ミニチュアやアニメーションを活用し、スター・ウォーズのパロディ作品「スターウォーク」を制作した。
- 佐久間
- ロン毛とぐるぐる眼鏡が特徴の男性。作家性や問題意識のなさを理由に、メンバーが作った作品を酷評する。映写会の最後の作品として、自身が制作した「ある日……」を上映する。
関連項目
ネタバレ
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
佐久間が制作した作品「ある日……」は、通勤風景や昼下がりの公園、買い物に行く主婦などを映し、最後に「プツン……」という音とともに画面が白くなって終了する。ビギナーの試し撮りだとメンバーが笑う中、佐久間は「ある日突然……核戦争が始まって一瞬にして小市民の生活が消滅したという結末です」と話す。それを聞き、メンバーはそれぞれダメ出しをする。
唐突すぎる。
伏線もないし…
説得力ないね。
それに対し、佐久間は核ミサイルが世界中に配備されている現状について話し、以下のように反論する。
「ある日」は「唐突」にやってくる。
「説得力」のある破壊なんてあるものか。
「ある日」はいつくるか……今日にも……
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