さらば、遠き日単語

10件
ケイハウソヲツイテイル
2.1千文字の記事
  • 2
  • 0pt
掲示板へ

アンスバッハの放った弾は、ラインハルトの半身を打ち砕いた。
人は、失ってはならぬものを失った時、どう変わってゆくのか。

次回、「銀河英雄伝説」第26話、「さらば、遠き日」。
銀河歴史が、また1ページ

「さらば、遠き日」とは、『銀河英雄伝説ファン最初のトラウマである。

概要

小説銀河英雄伝説』第2巻野望篇最終章、およびOVA銀河英雄伝説』第26話(本伝第1期最終話)、アニメ銀河英雄伝説 Die Neue These』第23話の題名。

石黒監督OVAにおいては、前話運命の前日」において、捕虜引見式に引き出されたアンスバッハ准将オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク死体からハンドキャノンを取り出しラインハルトに狙いを定め、君の仇討ちを宣言する、という衝撃的なシーンに続く、ローエンラムラインハルト暗殺未遂事件」末を描く。

後の魔術師、還らずほどではないにせよ、油断していると次回予告の時点で壮絶なネタバレを食らう回。

ストーリー(石黒監督版OVA)

ローエンラム君の、とらせていただく!」

アンスバッハハンドキャノン引き金を引いたとき、諸将の中で反応できたのは二人。
一人はゴールデンバウの滅亡という的を守るために身を挺したパウル・フォン・オーベルシュタイン、そしてもう一人は、アンスバッハに躍りかかってハンドキャノンの射線を逸らせたジークフリード・キルヒアイス

キルヒアイスはそのままアンスバッハを喰い止めんとするが、その左手指輪から放たれた一条がキルヒアイスの頸動脈を撃ちぬく。それでも尚アンスバッハの手を離さず、もつれ合って床に倒れ込んだキルヒアイスアンスバッハの元に、を取り戻した諸将が駆けつける。しかし、全ては手遅れだった。

呆然としたまま、燃えるようなそのと同じ色に染まった友に歩み寄るラインハルト
横たわるその身体の側に跪きその名前を呼ぶが、帰ってきた言葉はあまりにも弱々しかった。

ラインハルトさま……宇宙を手にお入れ下さい」
「それと、アンネローゼさまにお伝え下さい。ジークは昔の誓いをまもったと……」

「いやだ、おれはそんなことは伝えない。お前の口から伝えるんだ。お前自身で。
おれは伝えたりしないぞ。いいか、一緒に姉さんのところへ行くんだ。キルヒアイス!」

ラインハルトは、自らの半身の言葉を受け入れられずにただ反発する。
しかし、キルヒアイスはかすかにほほえんだだけで、静かに息を引き取った。

   宇宙797年、帝国488年。人々の営みにかかわりなく、銀河は永遠の時を刻んでいる。  

 実はここまでで前半。

影響・補足

主人公ラインハルトのいわば半身であり、ファンからもっともされているキャラクターの一人でもあるジークフリード・キルヒアイスがこの時点、つまり原作で言えば10巻構成の第2巻巻末、OVAでは4期全110話に及ぶ本伝の26話でくも命を落としたことは、原作読者に、あるいは原作未見のOVA視聴者に絶大な衝撃を与えた。

作中でもこの事件のは凄まじかった。この出来事がいわばラインハルトの「覚醒」を呼び宇宙の統一へと邁進させることになるきっかけとなっただけではなく、作中でも、物語が後半に至るにつれ頻繁にキルヒアイスが生きていたら……」と言及され、もしそうであったら”神々の黄昏”作戦からロイエンタール元帥叛逆事件までの全てはかったかもしれないと言われているほどである。

ジークフリード・キルヒアイスを演じた広中雅志も、そのあまりにもい退場を惜しみ、あるいは自身の演じたキルヒアイスへの並々ならぬ故にもしも彼のをまた演じることができるなら、ほかの仕事を断ってでも駆けつける」と宣言しているほか、原作者の田中芳樹でさえく殺しすぎた」(初期はより短く完結する予定だったため)と発言しているほどである。田中芳樹が後に別作品で行った同様の展開はより物語クライマックス近くで発生したことを考えると、この「キルヒアイスく殺しすぎた」経験がを与えているのかもしれない。

また、2017年5月に放送されたNHKニッポンアニメ100」の一環として行われた人気投票OVA銀河英雄伝説』が総合13位に入賞したことを受け、企画の一環として5月6日NHK BSプレミアムにおいて映画『わが征くは大海』とともに「さらば、遠き日」が(次回予告(27話)を含め)放送されている。ただし、なにせ内容が内容だけに、放送発表時のファンの反応は概ね「おろかなまねを……」といった感じであった模様。

関連動画

関連商品

関連コミュニティ

関連項目

ゼルローン駐留艦隊は、新兵の訓練を兼ねた活動中、
帝国軍と遭遇し、予期せぬ戦闘状態に陥ってしまった。
帝国と同盟、 再び正面対決予感

次回、「銀河英雄伝説」第27話、「初陣」。
銀河歴史が、また1ページ

【スポンサーリンク】

  • 2
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

さらば、遠き日

3 ななしのよっしん
2017/05/07(日) 04:25:46 ID: CZckJhPiPR
次回予告見てラインハルトばりに狽しながら次を確かめるのも悪くない
👍
高評価
0
👎
低評価
0
4 ななしのよっしん
2017/09/24(日) 17:11:35 ID: 6SC5EOfZpj
アニメの2クールの終わりはここまでかもな。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
5 ななしのよっしん
2018/12/15(土) 20:29:32 ID: CgLkciK3Yy
>別作品で行った同様の展開はより物語クライマックス近くで発生
これはこれで引っりすぎたという気もするけどな
牽引者を死なせるなら○○がいなくなった世界でなおどう生き、どう事態に向かうのかを見たかった
そういう意味ではヤンくらいの時期が最善ではあるんだけど、これは片割れの片割れの方が担当してたのかね
正直第二部のヤツには死後含めヤン程の存在感を感じなかったんだが…
👍
高評価
0
👎
低評価
0
6 ななしのよっしん
2018/12/15(土) 20:32:08 ID: bjSjbsTtJp
>>5
記事作成者が自分で説明するのもかもだけど、それ刊行されたのこの記事作った2年後なのでそっちのことではないです……
👍
高評価
0
👎
低評価
0
7 ななしのよっしん
2018/12/16(日) 20:52:38 ID: CgLkciK3Yy
あっそうなの?
こりゃまた大変失礼しました…
👍
高評価
0
👎
低評価
0
8 ななしのよっしん
2019/09/13(金) 16:44:24 ID: aig7Gu6F41
アンネローゼ様のに対する評価と危惧がモロに的中したうえに
ここまでに至る最悪の事態をキルヒアイスが命がけで救ってくれたというのが
今でも(読書視聴者視点でも)やりきれない・・・
👍
高評価
0
👎
低評価
0
9 ななしのよっしん
2019/10/29(火) 10:04:30 ID: aig7Gu6F41
DNT版ビジュアルネット開されてきて、もうすぐこの日が再来するんだな…と思った。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
10 ななしのよっしん
2020/04/17(金) 14:32:24 ID: 8NZvQiq88V
DNT版のこのシーンを見たとき、「このための宮野真守だったのか」と思った。

シュタゲで例えるなら、普段のラインハルト鳳凰院狂(り詰めて、弱みを見せないようにしている)で、この時のラインハルト岡部倫太郎(弦が切れたように一気に崩れた)なんだよな。そしてこの後のある意味虚な皇帝ラインハルトは執念オカリン

この3つを自在に行き来するのは、確かに宮野真守の十八番だわ。やっとこの配役に得心が行った。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
11 ななしのよっしん
2020/08/06(木) 15:51:14 ID: liXd7DPy2m
ファーレンハイトにはさせていた手錠アンスバッハにさせなかったり、チェックセキュリティがいくら何でもあまりにも杜撰過ぎたり、警備兵もキルヒアイス以外の提督達もモタモタしてたりと、やっぱりキルヒアイスを退場させるためとはいえ展開が雑すぎる気がする。
👍
高評価
0
👎
低評価
1
12 ななしのよっしん
2020/09/08(火) 17:26:01 ID: aig7Gu6F41
DNT版ではベルゲングリューン&ビューローの描写もあるからますます辛い…。
特にベルゲングリューンは後年の自害前にブラスター取り上げの件も
恨み辛み込みでぶちまけたかったかも
👍
高評価
0
👎
低評価
0

急上昇ワード改