ねこぢる(本名:橋口 千代美)は、女性漫画家である。埼玉県出身。
1998年5月10日に東京都町田市の自宅で首つり自殺により死去。享年31歳であった。
ねこぢるとその作品について
主に魚のような目をした白い猫を主人公とする一話完結型の不条理漫画を描いていた。その内容は様々で、単純なコメディ、グロテスクなブラックジョーク、自身を猫とした旅日記などがある。猫が主人公とはいえ、世界観は人間社会そのものであることが多い。作品によっては血が出たり内臓がはみ出したりミンチになったりすることも多く、読み手は何らかの狂気を感じることも多いだろう。
デビューは1990年の「ねこぢるうどん」。子猫がうどん屋で睾丸を切り取られる話で始まった。猫だけでなく、人や豚、それ以外の動物も皆「痛い痛い」と泣きながら腕を切られ頭を割られる。
彼女の作品には「裏」がない。例えば彼女の世界では、豚は罵られ、殺され、食べられるだけの存在である。そこに基本的には救いはない。そのような描かれ方に眉をひそめる人も多かったが、その人は現実世界で食肉加工される豚を救おうとはしない。生前の「トンカツって豚の死体だよね」という発言にはそれが端的に現れている。彼女の描く猫の黒い眼は、そんな世の中の矛盾をありのまま捉えていたのではないか。
彼女が自殺した理由は本人の遺志により公表されていないため、巷には様々な憶測が流れている。気が狂ったのか、多忙による疲労か、商業化に嫌気がさしたのか?真相は分からないが、確実に言えるのはその憶測をしている我々を白い猫の姉弟が無機質な目で見ているということである。
その後
ねこぢるの夫であり漫画家である山野一は、「ねこぢるy」名義で、
にゃーこやにゃっ太らを主人公にした漫画、イラストを手がけるようになった。
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