グラスランナー(grassrunner)とは、TRPGソード・ワールドシリーズに登場する架空の種族である。
概要
指輪物語のホビット、またはD&Dのハーフリングに起源を持つ、西洋中世風ファンタジー定番の小人族である。その設定のためグラスランナーも妖精界に属する陽気な妖精とされている。
見た目は人間の子供に似ており、成長しても背丈は低いまま。30歳前後で成人し、100歳前後から老化が始まり、200歳前後で寿命を迎える。ただし、寿命を全うするのは本当にごく稀であり、基本的には好奇心が原因で死亡する。陽気な性格と好奇心の高さから剣の加護の種族特性を持たない種族の中では広く人界に浸透しており、吟遊詩人(バード)や盗賊(シーフ)として人界を渡り歩く者も多い。
PCとしての能力
非常に極端な能力の偏りがあり、特に筋力は人間の子供にも劣る(必ず1-6の範囲になる)。その代わりに器用度・敏捷力・精神力は全種族中で最も高くなりやすく、知力・生命力もそこそこもらえる。
魔法との相性が非常に悪く、旧版ではルーンマスター(ソーサラー・シャーマン・プリースト)技能を習得できず、実質技能はレンジャー・バード・シーフ・セージからしか選べなかった。ただし共通語魔法(コモン・ルーン)は扱えるため、高い精神力を遺憾無く発揮できる。
2.0では魔法を含めたあらゆる技能を覚えることができるものの、最大MPが「なし」であるため魔晶石を使わない限りは魔法を使えない。よってMPを使う技能を取るのは非常に難しくなっている。
また「昆虫や小動物と意思疎通できる」という能力も持っている。しかし相手の知能は動物並として扱うため、論理的な会話や議論は成立せず、したがってフレーバー的な使われ方が多い(フナムシに岩場からちょっと退いてもらう、など)。
さらに2.0では種族特徴[マナの不干渉]により抵抗に成功した魔法は完全に無効化されるという特徴がある。
2.0における種族の特性
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
A- | A- | F | B- | B | S |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
上記のとおり、SW2.0においてはMPの値が「なし」であり、魔法が非常に使いづらくなっている。魔晶石を用いるか、HPをMPの代用品に出来る効果を使用しない限り魔法が使えない。また、《魔法拡大》系の戦闘特技を用いる事は、SSランクスタッフの<メイガス>の効果なしでは非常にコストかリスクの伴う行為となっている。
また、非常に非力な為(筋力が全種族中最低の「1」がありうる)、前衛を行うにもハンディキャップを背負う事になる。
特に、装備を「筋力の半分」のものしか装備できないフェンサーは、『2.0では武器によってはクリティカルが発生しない敵の数が多い(加えて、それらの敵にクリティカルする武器は重いor威力が低いorクリティカルし難い)』事と『HPを増加させる手段がない』事もあって、インフレが多い2.0ではよほど成長がうまくいかない限り後半前衛としての役目を果たせなくなってくる。
※(序盤ではいまいちぱっとしないが)筋力いっぱいの装備が出来る上にHP増加手段の多いファイター、低筋力装備と補助に徹する手段の多いグラップラーならば、(アタッカーとしては息切れしてくるが)武器の効果や戦闘特技を駆使して前線で戦い続ける事は難しくない。
高器用&高敏捷に加えて知力もそこそこであるため、メインスカウトとしての適正はかなり高く、[マナ不干渉]により精神抵抗に成功すれば(精神抵抗を行える)あらゆる効果を無効化できる事は上記の欠点を補って余りある特徴である。(特に、「抵抗:短縮」の効果を無効化できる事は大きい。パラライズミストなどの賦術は主に補助動作で使われるが、その場合は自動的に抵抗となる為、グラスランナーにとっては主動作で使われない限りまったく脅威とならない)
良くも悪くもとがった性能を持つ種族だと言えるだろう。
どうでもいいメタな話
- 見た目ロリショタなキャラを作れるため、そっちの趣味の大きなお友達に人気がある(おじさんグラスランナーがいないわけではない)。しかしロリキャラについては、2.0でドワーフにお株を奪われた感がある。
- ダメージ決定や防具着用の際に重要になる筋力が低く、知力は魔法不可なために生かしづらいと欠点が目立つ。しかし回避も魔法抵抗力も高く生命力も低くはないため、テクニカルな戦いが可能。特にクリティカルの爆発に定評があり、セージ/シーフの某グラスランナーは公式リプレイ史上最高の50点ダメージをたたき出したこともある。
- そのため、グラスランナーとクリティカル値を下げる魔法の武器や魔法との相性がいい。もっとも、あまりにもテクニカル過ぎるため、グラスランナーを採用しない卓も多い(でも人間とハーフエルフとドワーフばっかりのガチパーティーじゃつまんないよね)。
- 一方「魔法は使えない」「神は信じない」「定住が珍しい」という特徴のため、RPは楽観主義かつ現実主義が基本となる。公式リプレイにおけるグラスランナーは、大体前者の性格が強く現れている。
- マフォロのグラスランナーは「にゅう」「うにゅっ」と鳴くらしい(元々はミラルゴ出身のグラスランナー、パラサの口癖が伝染したもの)。
- 某ダイスの女神はこの種族でキャラメイクをした際に驚異の精神力30をたたき出し、ゲーム中で攻撃すればその半数がクリティカルという実力を見せつけた。おそるべしは有段経理・・・・・・。
- 某アメリカンな巨漢がGMを務めた卓では初期作成の時点で筋力7スタート(これは1d6で6が出た結果なのでまあいい)、序盤でほぼ専用に近い魔剣を手に入れたとはいえ中盤を過ぎるとオーガ(レベル7なのでSW2.0に出てくるモンスターとしては結構強い部類)を二刀流&ファストアクション+マッスルベアー&ヴォーパルウェポンによる怒涛の4連撃でワンキルするムキムキマッチョなグラランとは別の何かに進化し、最後の成長では素の筋力20に到達した。そのうえPT内でカップルが二つもできたもんだからグラランなのにツッコミ役、もしくは一番大人というわけのわからない立ち位置に。アレ?グラランって何だっけ?
- 2.0に登場する者は、もともとフォーセリアにいたものが、転送ゲートか何かを使って主界ラクシアに来たっぽい。
- どっかの世界では草原妖精と呼ばれてるっぽい。身も蓋もないね。
関連項目
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