ゲルフ・ガンツとは、宇宙戦艦ヤマト2199に登場するガミラス軍人で、初代ヤマトのガンツのリメイクキャラである。
ガミラス軍人には珍しい肥満体で、加えて2199では若干童顔となっている。担当CVは緒方賢一/チョー。
概要
初代のガンツは飽くまで一般的なガミラス軍人で、冥王星基地司令シュルツともさして円滑な間柄ではなかった。
反射衛星砲を用いてヤマトを苦しめるが、これを爆破されて冥王星が陥落した後はシュルツと共に艦隊を率い脱出。「我らの前に勇者なく、我らの後に勇者なし」と勇敢に戦うが、アステロイドリングの磁力制御攻撃で戦死した。
宇宙戦艦ヤマト2199においては、容貌から性格に至るまで、かなりの改変と掘り下げが行われている。
まず、初代当時は配色ミスによる、地球人と同じ肌の色を持つというのは、純然たるガミラス人ではなく、ガミラスにより支配され惑星ザルツ出身。つまり占領地出身の二等軍人という、シュルツ、ヤレトラーと共通した設定となった。
そのためか冥王星に展開したザルツ人部隊の結束は高く、ガンツもシュルツの良き副官として活躍している。
シュルツやガンツがクローズアップされる時は、つまり冥王星陥落という負け戦であるが、その中において基地司令のヴァルケ・シュルツに「生きていれば汚名を雪ぐ機会もあります」と脱出を諭す。そして重巡「デストリア」を駆ってシュルツ撤退援護を試みたヤレトラーの意図を汲み取り、ゲシュタムジャンプを命じるなど、機転を見せている。
後に旗艦「シュバリエル」のみとなったシュルツ艦隊に、新兵器「デスラー魚雷」が補充物資として寄越される。
これはエネルギー吸収ガス生命体を充填した魚雷で、灼熱の恒星グリーゼ581近隣で発射。デスラー自らが発案した、ガス生命体に分解されるか、グリーゼ581で融解するかの生放送を命じられたようなものである。
普通に考えれば、ヤマトはここで完全に詰んでしまったといってもいい。しかし病魔を振り切った沖田艦長の指揮。
波動防壁を展開せず、あえてエネルギー放出を最小限として、グリーゼ581にガス生命体を誘引し、逆に飲み込ませる戦術を前に、デスラー発案の愉悦生放送は水泡と帰した。
当然、この有様に我らがゲェェェェル君が黙っているはずもない。
「この無能な劣等人種め、責任は全て貴様にあるのだから覚悟しろ」と屈辱に震えつつ耐えるシュルツを罵倒。
しかしここでもゲルフ・ガンツ少佐は男を見せた。無言で通信士を押しのけ、ゲールの通信経由の罵倒をシャットダウン。最早後顧の憂いはないという、力強い笑顔でシュルツに頷いてみせたのだ。
「シュルツ大佐と共に!」とガンツから始まる、尊敬すべき上官へのザルツ軍人達の敬礼は必聴である。
そしてグリーゼ581軌道上でヤマトを背部から攻撃、フレアへ追い落とそうとするが、それは果たせなかった。
シュルツの座乗する「シュバリエル」はミサイル兵装を重視した戦艦で、砲熕火力だけなら巡洋艦と大差ないものであり、波動防壁がなくともかなりの重装甲を誇るヤマトを前には、致命傷とはならず…
イレギュラーレベルのフレアを波動砲で薙ぎ払ったヤマトに追随できず、ついに「シュバリエル」は高熱で艦尾融解。
制御能力を失い、ガンツを含めザルツ軍人たちの「ザルツ万歳」を艦内に響かせつつ、再度巻き起こったフレアに飲み込まれ、乗員全てと運命を共にした。
体制上はガミラス軍人でも、最期まで故郷ザルツのために戦った軍人であり、戦死後2階級特進している。
兼役キャスティングについて
2199でゲルフ・ガンツ役のチョー氏は御存知の通り、藪やアナライザーも兼役で演じ分けている。
これに関しては人件費節減のためではなく、初代原作で緒方賢一氏が演じ分けていた3人を、違和感なく演じられる演技力を出渕監督が評価し、音響監督とともに特に依頼したものである。
チョー氏も初代ヤマトをリアルタイムで見ていた世代で「緒方さんの役ですか!」と、相当に盛り上がっていたとか。
実際、声質は確かに同じだが、藪、アナライザー、そしてガンツは別キャラクターとして違和感なく聞こえるあたりに、ベテラン声優/俳優ならではの高い演技力と、ヤマトへの愛情が感じられる(氏はYRAラジオのパーソナリティも担当)。
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関連項目
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