私にとっては、あなたはもうゼロなのよ
シエルとは、「ロックマンゼロ」シリーズに登場するメインキャラクター、及びヒロインである。
概要
作中でも数少ない人間の少女。
優秀なレプリロイドを開発するために、ネオ・アルカディア政府によってDNA操作で産み出された研究者の一人とされる。
その中でも特に優秀だったため、終戦後に消息を絶った指導者にして英雄『エックス』の代行となる存在の製作を秘密裏に命令される。
そして当時9歳にして、エックスのDNAを元に『コピーエックス』を作り出すことに成功。しかしコピーエックスの精神はエックスとは似ても似つかない別人であり、悩むことを知らない傲慢で独善的な性格となってしまっていた。
彼は表では指導者『エックス』本人として振る舞いながら、裏で「人間至上主義」と言える偏った政策を打ち出し、エネルギー資源の枯渇問題を理由に、人間を害する可能性のあるレプリロイドをイレギュラーと認定。問答無用で処分し始める。
そんな「不当な弾圧によるレプリロイドの処分」に疑問を感じた結果、コピーエックスの暴走に気づいた彼女は、最終的にネオ・アルカディアを離れる。
その後はイレギュラー認定されたレプリロイド達と共に、レジスタンスを結成。
不足しているエネルギー問題の解決と、ネオ・アルカディアとの平和的な交渉への糸口を模索するとともに、同じく処分されそうになっていたレプリロイドの保護活動などに奔走していく事になる。
しかしネオ・アルカディアからの攻撃は激しさを増していき、次第に追い詰められていったシエル達は、遥か昔に封印されたと言われる、もう一人の英雄『ゼロ』の眠っている遺跡へ向かう。
そして、伝説が始まる。
シナリオにおける変遷
ロックマンゼロ1の時点で14歳。
迫害されるレプリロイド達の状況を看過できず、レジスタンスのリーダーとして立ち上がるも多勢に無勢、当然ながら劣勢に追い込まれる。
仲間が次々に倒れていく中で、最後の希望として遺跡に眠るゼロを復活させ、レジスタンスの助けとなってくれるように懇願する。
ゼロの協力もあり、ネオ・アルカディアの手から逃れてレジスタンスの拠点が安定した後は、他のレジスタンスグループとの合流にも成功。
戦闘指揮をエルピスに任せ、自身は研究室でネオ・アルカディアの根本的な問題である、新エネルギー開発の方に尽力している。「おかえり」に悩殺される人多数。
3では新エネルギーシステム「システマ・シエル」をついに完成させ、またレジスタンスのリーダーとしても活動を再開。
エネルギー問題を解決するために、攻勢も収まってきたネオ・アルカディア側になんとか連絡を取れないか模索しているようだが・・・
4ではレジスタンスの拠点を離れ、レプリロイドや人間たちを助けるために大型トレーラーに乗り込み、ゼロや仲間たちと共に各地を奔走。そこでとあるキャラバンから衝撃の事実を知ることになる。
人物
基本的に優しく穏やかで、しっかり者な性格。
聡明で、間違っていることには毅然と立ち向かう強さを持つが、同時に先が見えない状況への不安や、この状況を(不可抗力であり間接的にではあるが)創りだしたことへの罪悪感をゼロに吐露してしまうことも。良くも悪くも人間らしい女の子。
過酷な現実に打ちのめされながらも、平和的な解決策があることを信じて前向きに研究を続けている。
戦うことは好まないが、意外と頑固な一面を持ち、他者の身を案じるばかりに前線に出るなどの無茶な行動を取ったりもする。
また一度熱中すると周りの物事が頭に入らない、研究者基質なところもある。
レジスタンスの指導や作戦指揮を行いながら、同時に新エネルギーの開発やサイバーエルフの研究を行うなど、多方面での才能を発揮している。
レジスタンスのメンバーには非常に慕われており、特にアルエットには「シエルおねえちゃん」と呼ばれ、尊敬されている様子。
手先も器用なようで、アルエットにぬいぐるみを作ってあげたりもしている。
ゼロに対しては、無理矢理に復活させてしまったことや危険なミッションを依頼せざるを得ない状況を心苦しく思いながらも、誰よりもゼロを信頼し、度々無茶なことを実行するゼロの身を常に案じている。
ゼロ4のEDでは、ゼロへの思いの丈を込めて「Freesia」を歌う姿が見れる。
ネタコーナー「シエルさま腹黒伝説」
作中の描写から腹黒キャラとして扱われやすい。というネタがある。
詳細はこちらをクリック。不快になる要素があるので注意。
- ある意味で全ての元凶とも言える境遇。
幼少の頃にコピーエックスを作り、さらに封印されていたゼロを起こすなど、ロックマンゼロにおいて全ての引き金となる事柄を引き起こした。
(ドラマCDなどで本人もそれを自覚している描写がある)
ちなみに、シエルの曾祖母がマザーエルフを作ったという情報が後日、明かされている。この血族は呪いでも受けてんのか - 場合によっては無理難題をゼロに押し付けてくることが多い。
おそらくゼロでなければ不可能であろう、難度の高いミッションばかりを「お願い」してくる。行く宛もないゼロにとって、選択肢は無いに等しい(一応お断りすることはできるが、ゲームの仕様上レジスタンスベースから出て行くことはできない)
またどこに行っても何をしても、最終的にボスと死闘を繰り広げる羽目になるため、特定ステージやボスに苦戦したプレイヤーは特にそう思いやすい。
ただ実際のところ、ゼロ1のミッションはそれだけレジスタンス側が追い詰められているが故の苦肉の策であり、その後のボスとの死闘も不可抗力か、ゼロ自身が進んで突貫している(シエルの静止を振り切っている)面が強い。 - さらにミッション評価(リザルト)で散々なコードネームを付けられる。
S、A~Fの総合評価の他にコードネームも表示されるのだが、ムノウやテツクズに始まり、オンボロにゼンマイジカケ、さらにマケイヌやウスノロなんて評価も。
ミッション失敗の他、サイバーエルフを使う、ダメージを受ける、リトライする、時間をかけるとすぐ減点されて扱き下ろされたりする。割と厳しい。
(シエル「危険だから帰ってきて」→言う通りに帰るとミッション失敗→マケイヌ)
一応リザルトが高くなると一転してユウシャ、エイユウ、キュウセイシュなどの評価にもなるため、単に扱き下ろされるだけという訳ではない。
余談だが、この評価はロックマンゼロ1のみであり、2からは「フジミのセンシ」「キズダラケのガンマン」といったプレイスタイルによる表現へと変更されている。
(それでも「ドンソクの~」「ウラギリの~」といった評価はあったりする)
ゲームのシステム評価なのでぶっちゃけシエルは関係ないのだが、レジスタンスを纏める立場などから、状況的にシエルが下していると受け取られやすい。
おそらくシリーズ初作品+携帯機だったことから初回で低評価を取りやすく、印象に残る人が多かったことも理由の1つだと思われる。 - 例え銃で撃たれようとも、ゼットセイバーでぶった切られようとも死なない不死身の身体。彼女を生かすためにイベントで何人のレプリロイドが犠牲になったか・・・
ちなみに、シエルが攻撃を受けると「リザルトが減点」される。言うまでもなくシステム的な仕様です本当に(ry - そんな彼らの犠牲を「かわいそうだけど、仕方ないわね」の一言で済ます。
(もちろん内心では相当に堪えているはず・・・というか「ゼロが救出ミッションに失敗した際の発言」なので、ムノウでマケイヌな彼を気遣ったのだろうと思われる) - 上記の事情も相まって、下手すると「記憶がないのを良いことに、お前は『英雄』だと言い聞かせて、ゼロさん(仮名)をこき使っている」と受け取られることも。
「私にとっては、あたなはもうゼロ(下僕)なのよ?」
レプリロイド達からも好かれ、レジスタンスを纏めあげているという手腕も、実は「秘密裏にレプリロイドを洗脳している」「反抗的な連中は危険なミッションに送り込み謀殺している」のではないかと、一部プレイヤー間では囁かれて(セイッフッハ - ぶっちゃけ笑顔や心配顔の下で何考えるかわかんなアカルイミライヲー
などが主な理由と推測される。 通称(愛称?)は「シエル様」。
ただ彼女の場合は止むに止まれぬ状況か、ゲームシステム上の仕様であったことがほとんどで、作中でそのように言及されたことは一切ない。
また以上の内容はロックマンゼロ1の頃の話であり、2以降はシステム面も改修されて、そのような描写もあまり見られなくなった。
余談
ロックマンゼロシリーズはGBA初期から中期までに発売されていったため、
「顔グラが作品を追うごとに綺麗になっていく」と言う特徴がある。
その中でもシエルは作中で1年や数ヶ月単位で時間が経過しているにもかかわらず、そのグラフィックの変化はまるで若返っているように見えてしまう。
ロックマンゼロ3までは登場人物中唯一のまともな体を持った人間であり、そのことが二次創作ではよく利用される。
どういう意味かはお察しください。
関連動画
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関連項目
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