シオン賢者の議定書とは、いかにユダヤ人が世界征服をしていくかという計画が練られた議定書である。「シオンの議定書」「シオン長老の議定書」という表記も見られる。The Protocols of the Elders of Zion。
概要
1897年にスイスのバーゼルで開かれたシオニスト会議(シオニストとは要するにイスラエルにユダヤ人の国を作ろうという思想の人たちのこと)に於いて、ユダヤ人たちがいかに世界を支配していくかを話し合ったかが記録された議定書であり、ロシア帝国の時代にとある新聞社によって暴露された。
その内容はとても恐ろしいものである・・・うわぁめっちゃ怖いやんユダヤ人これマジなん?
んやわけないやろ!!
実は
この本は、偽書である。
その内容はドイツのあまり有名ではない作家の有名ではない小説とフランスのそんなに有名ではない思想家が書いたさほど有名ではない思想本からのコピペであり、ロシア帝国のスパイであるラチコフスキーが捏造した偽書である。作者については異説もあるが、いずれにせよ偽書であることに変わりはない。
元々、ユダヤ人はヨーロッパに於いては迫害の対象であった。その理由はユダヤ人が排他的であることとキリスト教のせいであり、特に後者について、ユダヤ人はキリストを殺したからキリスト教徒にとっては敵であるとされてしまった。あんたらがメシアと崇めるキリスト自身も、それから聖典の旧約聖書の登場人物もユダヤ人じゃないかとかツッコんではいけない。
そのため、疫病が流行ったり、不作になったり、社会不安が起こったりすると妖怪ウォッチの「妖怪のせい」のごとくなんでもかんでも「ユダヤ人のせい」とされた。
そんな反ユダヤの素地があるなかで、この文書はロシア帝国に於いて反ユダヤのプロパガンダとして捏造され、ポグロム(ユダヤ人の虐殺)に使われたりしていた。最終的にはユダヤ人やその擁護者に裁判を起こされ、正式に偽書として認定された。
しかし、この文書は世界に拡散されてしまい、反ユダヤ活動の根拠として使われてしまった。それが巡り巡って、最終的にはあの美大落ちを虐殺者に暗黒進化させる一因ともなってしまったため、「最悪の偽書」と呼ばれることもある。
このため、コンスタンティヌスの寄進状と並んで「歴史は容易に改ざんされる」「デマが恐ろしい結果を招くこともある」ことの例として語られることもある。
関連動画
関連書籍
- シオン賢者の議定書 ユダヤ人世界征服陰謀の神話 (ノーマン・コーン著, 内田樹訳, ダイナミックセラーズ刊, 1986)
- Norman Cohn『Warrant for Genocide』の抄訳。新装版タイトルは『ユダヤ人世界征服陰謀の神話 (1991)
』『ユダヤ人世界征服プロトコル (2007)
』
- Norman Cohn『Warrant for Genocide』の抄訳。新装版タイトルは『ユダヤ人世界征服陰謀の神話 (1991)
- 【定本】シオンの議定書 (四王天延孝 原訳, 天童竺丸 監修・翻訳, 成甲書房刊, 2012)
関連リンク
- 【ゆっくり解説】史上最悪の偽書『シオン賢者の議定書』【歴史を変えた嘘】
- youtube「五回目は正直【ゆっくり解説】」 - シオン長老の議定書 人間の底すらない悪意の結晶
- youtube「俺の世界史ch」
関連項目
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