ハイオクとは、ガソリンの種類のひとつで、オクタン価の高いガソリンである。
「プレミアムガソリン」などとも呼ばれる。
概要
日本におけるレギュラーガソリンのオクタン価はJIS規格上で90以上と定められている。それよりもオクタン価の高いガソリンがハイオクガソリンである。
ハイオクガソリンのオクタン価はJIS規格上は96以上だが、市販されているハイオクガソリンは98~100が殆ど。
日本国内ではハイオク・レギュラーの2種類しか存在しない。
特に、ヨーロッパ車は日本国内ではハイオク指定される事が多い。なぜなら、ヨーロッパではミドルレギュラーガソリンのオクタン価が95もあるから(上から98・95・91の3種類に分かれている。ヨーロッパ車の一般的な乗用車ではオクタン価95指定のものが多い)。日本では100・90の2種類しか無い為、必然的に高オクタン価のハイオクガソリンでカバーするしか無くなる。
オクタン価を高めるワケ
エンジンの高出力化を進める方法として、「圧縮比を高める」という手段がある。
空気は圧縮すると熱を発する。ガソリンエンジンは混合気(気化したガソリンと空気を混ぜた状態)をシリンダー内で点火してその爆発力で動かすというメカニズムだが、
エンジンの設計していないタイミングで自然発火を起こすとエンジン温度が設計よりも高温になってしまい故障につながる。
オクタン価が高いほど自然発火しにくくなるので、必然的に高出力化のためにはハイオクガソリンの使用が求められる。
現存するハイオクガソリンの各社ブランド名
※2022年4月現在。ENEOSは2018年の「ヴィーゴ」のブランドを廃して以来、ハイオクガソリン用ブランド名を冠していない。
燃料選択をミスったらどうなる?
レギュラーガソリン指定車にハイオクを入れた場合
基本的に問題はないが、かといってわざわざハイオクを給油するメリットはない。「ハイオクガソリンに含まれている添加剤によってエンジン内部や燃料系統の清浄効果が得られる」という説があるが、効果はせいぜい焼け石に水レベル。むしろ燃料の単価が高くなるので割りに合わない。
スズキ製の原付(2000年代後半以降の燃料噴射装置搭載車)はハイオク使用を禁止しているのだとか…
ハイオクガソリン指定車にレギュラーを入れた場合
車種によって程度の差はあるが、ノッキングが発生しやすくなり、出力・燃費が明らかに悪化する。そして故障のリスクが非常に高まるため緊急時以外はレギュラーガソリンを使用してはいけない。
近年の自動車ではノックセンサーが検知し、ECUによって燃料噴射量や点火のタイミングをずらすなどの補正が行われ、ノッキングが生じにくくなってはいるが、エンジンの過剰な加熱による破損を防ぐために、燃料を増量させるので総じて燃費は悪化する上、故障のリスクもあるので緊急時の使用に留め、継続使用はすべきでない。
スバルでは、ハイオク指定車でレギュラーガソリンを使用し続けたことによる故障は保証対象外となることを公言しており、 三菱自動車製GDIエンジンはレギュラーガソリンを使用するとデトネーション(異常燃焼)を起こし、コンロッドが折れたりピストンが溶けてエンジン内部がズタズタになるので要注意である。
また、
- トヨタ製・2ZZ-GE(トヨタ・セリカ、ロータス・エリーゼ、ロータス・エキシージ等)
- トヨタ製・1LR-GUE(レクサス・LFA)
- トヨタ製・1NZ-FEの「ターボ仕様」(トヨタ・ヴィッツ TRDターボM、トヨタ・カローラアクシオ GT TRDターボ)
- 日産製・VR38DETT(日産・GT-R)
- ダイハツ製・DC-DET(ダイハツ・ストーリア X4)
これらのエンジンはメーカーが「レギュラーガソリンを絶対に使用するな。車両火災を起こす。」と警告するレベルである。
オートバイも同様で、ノッキングが発生する。自動車とは違い、ノッキング対策センサーがないものがほとんどで、
自動車よりも故障リスクが尚更高いので要注意。
関連動画
関連項目
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