概要
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元々は、京王ではなく小田急系列の「帝都電鉄」という鉄道会社の路線であったため、馬車軌ではなくJRなどで一般的な狭軌を用いている。察しのいい方はお気づきだろうが、京王電鉄の旧社名である京王帝都電鉄の「帝都」はこれが由来である。
短いながらも、JRに比べ吉祥寺から渋谷へ行く際の手軽なアクセスになること、渋谷も吉祥寺も大きな街であること、下北沢や明大前といった京王線・小田急線の乗り換え口があること、及び下北沢・明大前ともそれなりににぎわう街であること、花見などの行楽地である井の頭恩賜公園に面する駅があることなどから意外と乗客は多い。
というか、乗り継ぎに便利な渋谷寄りの車両は日中でも満員だったりする。東大・明治大など沿線に大学が多いことも影響しているといえよう。
その決して少なくない需要に対してわずか5両という短編成で運行している。側に踏切のある駅が多く、ホーム有効長を伸ばすのも難しい状況である。
運賃も安く、吉祥寺から渋谷・新宿まで230円で行けるなど、都心外縁の沿線としては非常に気軽に都心にアクセスできる。このため単なるショートカットの他にも都心から井の頭公園に行く観光乗客などもいる。特に桜の見頃には急行も停車するため、桜見物の乗客が多くなる。
駅間が短いのも特徴であり、最長駅間は1.2km。ほとんどの区間で駅間が1kmもないためホームの端から次駅の端が見えたりもする。
基本的に全線走破する列車しか運行されていないが、一部の列車は車庫がある富士見ヶ丘駅発着とするものもある。おおよその時間帯で急行と普通が1:1~2の割合で運行されており、急行列車は線内で唯一待避線が設けられている永福町駅で普通列車を抜くダイヤが組まれている。
現在走行している車両は全て京王1000系(2代目)。かつては京王3000系が井の頭線の顔として走っていたが、2011年12月に1000系への置き換えが完了し引退した。
3000系から始まった井の頭線伝統の7色のカラーリングは1000系にも引き継がれている。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 急 行 |
○駅周辺情報・■乗り換え路線 | 所在地 |
IN 01 | 渋谷駅 | ● | ■JR東日本:山手線、埼京線、湘南新宿ライン ■東京急行電鉄:東横線、田園都市線 ■東京メトロ:銀座線、半蔵門線、副都心線 |
渋谷区 |
IN 02 | 神泉駅 | ┃ | ||
IN 03 | 駒場東大前駅 | ◇ | ○東京大学駒場キャンパス ◇東大で各種試験実施時に停車 |
目黒区 |
IN 04 | 池ノ上駅 | ┃ | 世田谷区 | |
IN 05 | 下北沢駅 | ● | ■小田急電鉄:小田原線 | |
IN 06 | 新代田駅 | ┃ | ○ラーメン二郎 環七新代田店 | |
IN 07 | 東松原駅 | ┃ | ||
IN 08 | 明大前駅 | ● | ■京王電鉄:京王線 ○明治大学和泉キャンパス |
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IN 09 | 永福町駅 | ● | ○和田堀公園 ※退避線があり急行と各停の接続が行われる |
杉並区 |
IN 10 | 西永福駅 | ┃ | ○大宮八幡宮 ○高千穂大学 ○白井・具志堅スポーツジム | |
IN 11 | 浜田山駅 | ┃ | ○松本清張邸 | |
IN 12 | 高井戸駅 | ┃ | ||
IN 13 | 富士見ヶ丘駅 | ┃ | ○富士見ヶ丘検車場 | |
IN 14 | 久我山駅 | ● | ||
IN 15 | 三鷹台駅 | ┃ | 三鷹市 | |
IN 16 | 井の頭公園駅 | ◇ | ○井の頭恩賜公園 ※吉祥寺駅とは非常に近い ◇観桜時期の土休日に停車 |
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IN 17 | 吉祥寺駅 | ● | ■JR東日本:中央線快速電車、中央・総武線各駅停車 | 武蔵野市 |
幻の延伸計画
1951年に首都圏の球場不足解消策として完成の東京グリーンパーク野球場への足として、京王帝都電鉄は吉祥寺駅からグリーンパーク、西武新宿線田無駅を経由し、西武池袋線東久留米駅までの延伸を計画していた。
しかし、西武鉄道や近隣住民の反対で計画は難航。かつ、グリーンパーク野球場が商業的に失敗し、1952年以降試合が全く行われず、1956年に球場解体となったこともあり、計画は中止された。
関連動画
関連項目
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