別海町(べつかいちょう)とは、北海道根室振興局管内の野付郡にある町である。
基礎データ
- 面積……1,319.63km²
- 総人口……13,984人 [編集] (住民基本台帳人口、2024年9月30日)
- 人口密度……10.6人/km²
- 隣接自治体……根室市、標津郡標津町、中標津町、 厚岸郡浜中町、厚岸町、川上郡標茶町
- 町の木……ナラ
- 町の花……センダイハギ
- 町の鳥……ハクチョウ
概要
町と言ってもその面積は東京23区のおよそ2倍あり、北方領土を除く全国の市町村中9番目に大きい。
町名の由来はアイヌ語の「ペッカイ(川が折れる)」または「ペッカイェ(川を折る)」から。これは町内を流れる西別川が河口付近で折れ曲がっている様子を表したものと考えられている。町名の読みは、公的には「べつかい」とされているが、「べっかい」という読みも認められている。
主な産業は酪農。そこかしこに家族経営の牧場が建っており、生乳の生産量は日本一。牛たちは摩周湖の伏流水を一日にたっぷり100リットルほどの飲み、これが美味しいお乳を出す秘訣となっている。
人間の数約1万4千に比べ牛は約11万頭と、人間より牛の方が圧倒的に多く、道路には牛横断注意の看板が掲げられている。
昭和40年には1835戸あった酪農家も、飼料の高騰や牛乳消費量の減少、燃料費の値上げなどが重なり、令和3年には607戸まで減少。この現状を打破すべく、お試しの移住住宅や研修牧場など、町をあげて酪農家を目指す人向けの移住者支援を積極的に行っている。
酪農が有名だが、日本一長い砂嘴の半島・野付半島をはじめ雄大かつ幻想的な自然を有しており、「ここまで来ると、べつせかい」と、町名をもじったキャッチコピーを掲げ、観光客を募っている。
町内の主な地名
別海町は、町役場のある別海地区を筆頭として、町内の広い範囲に市街地・集落が点在している。
- 別海(べつかい)
- 古くは西別(にしべつ)と呼ばれていた地域。位置的には町のやや東側。西別川の両岸に町内最大の市街地を形成しており、町役場・消防署・公立病院・高等学校までの教育機関など主要施設が揃う。かつては国鉄(JR)標津線の別海(べっかい)駅があった。
- 本別海(ほんべつかい)
- 「ほんべっかい」とも。根室湾に面した、西別川の河口付近の集落。昔はここに役場が置かれていて、別海という名称も本来はこちらを指していた。別海漁港があり、別海漁業協同組合が置かれている。
- 尾岱沼(おだいとう)
- 位置的には町の北東端付近、野付湾に面した地域。尾岱沼漁港を中心に集落が形成されている。その集落の南はずれには道の駅があり、野付半島や国後島を見渡せる展望室が設置されている。
- 西春別(にししゅんべつ)
- 位置的には町の西方にある。集落はかつて国鉄(JR)標津線の西春別駅があった場所と、その南東4kmほどの場所とに分かれており、両方を合わせると別海地区に次いで人口が多い。西春別駅の跡地は別海町鉄道記念公園として整備されている。
- 中春別(なかしゅんべつ)
- 位置的には町の北方やや東寄り。中春別農業協同組合が置かれており、農家直送の新鮮な牛乳を使用したソフトクリーム・アイスクリームを食べることができる。かつては国鉄(JR)標津線の春別駅があった。
- 上春別(かみしゅんべつ)
- 位置的には町の北方やや西寄り。法定速度で走ると走行音が「おお牧場は緑」に聞こえる道路(メロディーロード)がある。ちなみに国鉄(JR)標津線の上春別駅があったのはここではない。
- 走古丹(はしりこたん)
- 位置的には町の南東端、根室湾と風蓮湖に挟まれた細長い半島周辺の地域。風蓮湖側に走古丹漁港があり、その周辺に集落が形成されている。根室湾側には今は使われていない廃漁師小屋が3棟並んで建っている場所があり、「3匹の子ぶたの家」などと呼ばれているが、藁・木・レンガで出来ているというわけではない。
主な名所
- 野付半島(全長約26km、幅は狭い所で数十mの細長い砂嘴。根元は標津町に属する。)
- 新酪農村展望台(簡素な造りの展望台だが、あたり一面に広がる草原を360°のパノラマで見渡せる)
- 旧奥行臼駅逓所(明治時代に建設された駅逓。現存する貴重な駅逓で、国の史跡に指定されている。)
交通
国道
道の駅
鉄道
鉄道は通っていない。
かつて国鉄(JR)標津線が通っていたが、1989年に廃止された。その後、西春別駅の跡地が鉄道記念公園として整備され、鉄道車両や駅名標などが保存されている。その他、一部の駅では現在も遺構が残されている。
関連動画
関連リンク
関連項目
- 北海道 / 道東 / 根室
- 北海道:市町村の一覧
- 日本の市町村の一覧
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