壊すべし
あの家 壊すべし
<双亡亭>を 壊すべし
<双亡亭>
壊すべし
概要、読むべし
『双亡亭壊すべし』とは、週刊少年サンデーにて2016年17号から2021年34号まで連載された漫画作品である。
作者は藤田和日郎。『月光条例』からおよそ4年ぶりとなる週刊連載となった。
これは双亡亭という、どの町にも一つはあるであろう幽霊屋敷と、そこに挑む者たちの活躍を描く物語。うしおととらを始めとし、恐ろしい描写とみんなのトラウマについては事欠かない作者が送る震撼のスペクタクル・モダン・ホラーである。
作者の作品に慣れ親しんだ読者にとっては言うまでもないことかもしれないが今回もトラウマ演出が目白押し。特に今作は舞台が舞台であるためか、ホラー描写についてはのっけから全力投球されており、読む者全てに凄惨で残酷な展開が待ち受けている。
反して登場人物はどいつもこいつもクセが強く危うさを抱えているが、理不尽や極限状況に対し徹底的に反抗する熱い心を持つ奴らで構成されており、ある種の安心感を与えてくれる。
先が読めない部分もあるが、舞台となる魔窟に相応しい一生残る恐怖と衝撃と、それらを凌駕する一生残る愛と勇気を期待したい。
粗筋、知るべし
ある日、日本の沼半井という町が航空隊によって突如として爆撃された。
一切合切が焼き払われ、辺り一帯は焦土と化した。無事な建物などある筈もなかった。
……にも関わらず、そこには瑕疵一つなく傲然と聳え立つ屋敷があった。
大正時代よりそこに在る屋敷の名は<双亡亭>。
以降、政府は双亡亭を破壊せしめた者に予算248億円を支払うと宣言。広く、そして手段を選ばず人材を募り始めた。
除霊のエキスパートや巻き込まれただけの一般人、得体のしれない怪物に至るまで。
立場も能力も違う、様々な人間と思惑が入り乱れる中、口にする言葉だけは皆同じであった。
――双亡亭、壊すべし。
人物、識るべし
- 凧葉 青一
過去からやってきた謎の少年。事故で行方不明となっていた旅客機と共に現れた。
事故から45年という歲月を経ているにも関わらず、その容姿や精神は子供のまま。更には手足をドリルへと変形させたり、霊力や怨霊を吸収したりといった、人の身にあらざる力を有している。
双亡亭を破壊する事に取り憑かれているかのような精神状態にあり、邪魔立てする者には容赦しない。が、不思議なことに務の描いたネコを見ると気を落ち着かせるという特徴がある。そして、物語が進むにつれ、純朴で家族思いな一面なども覗かせるようになるが、それが時として弱点になることも。 - 凧葉 務
絵本作家志望のビンボー絵描き。出版社に持ち込みを繰り返すも、凡そ子供向きとは言い難い暗い作風のため鳴かず飛ばずに終わっている。
青一は務にとっての従伯父(祖父の兄の息子)に当たり、身寄りの無い彼の身元引受人として政府に呼び出されたが、コレが運の尽き。以降様々なゴタゴタに巻き込まれ、結果として双亡亭の調査・破壊に身を投じる羽目になった。
うだつの上がらないダメ人間であるが、いじめ等の理不尽を目にすると助けずにはいられないお節介焼きでもある。また、双亡亭の異形や謎の芸術家などと関わっていくうちに、並々ならぬ精神力を見せはじめる。 - 立木 緑朗
復讐を誓った少年。元々は絵を描くのが好きなただの子供だったが、双亡亭に父親を「喰われ」てしまうという悲劇に見舞われる。ショックにより心神喪失状態に陥っていたが、務の言葉を切っ掛けに覚醒。復讐として、双亡亭を破壊をするという決意を固めた。
登場して間もない頃は、特にこれといった特殊能力は無い少年だったが、双亡亭へ介入していくうちに、ある変化が起きはじめる。また、その境遇と歳が近いせいか青一とは仲がいい。 - 柘植 紅
九州から参上した<刀巫覡>の女学生。小刀を用いてお祓いを行う巫女であり、その能力は名実ともに日本一。
両親が離婚しているため苗字が異なるが、緑朗とは姉弟である。刀巫覡の実力と緑朗の一件から政府直々の依頼を受け、双亡亭の破壊に向かう。
やたらとスペックの高い女学生であるが、緑朗の事となると取り乱したり、都会で道が分からず号泣したりするなど、感情の起伏がかなり激しいという欠点を持つ。
物語が進むにつれ、相手の悩みを真摯に受け止め、心を開かせる務を慕うようになる。
動画、見るべし
項目、辿るべし
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