最強 羽生将棋とは、1996年6月23日に株式会社セタから発売されたNINTENDO64用将棋ソフトである。日本将棋連盟推薦。
NINTENDO64初のサードパーティ製ソフトであり、NINTENDO64本体と同日に発売された。
※この記事に登場する人物の肩書きは発売当時のものとする。
| 最強 羽生将棋 | |
| 基本情報 | |
|---|---|
| ジャンル | ボードゲーム |
| 対応機種 | ニンテンドウ64 |
| 開発元 | セタ,キワメ, 日本将棋ネットワーク |
| 発売元 | セタ |
| 発売日 | 1996年06月23日 |
| 価格 | 9,800円 |
| その他 | |
| ゲームソフトテンプレート | |
概要
タイトルのとおり当時七冠王だった羽生善治をイメージキャラクターに起用した将棋ソフトである。
羽生善治の棋譜が多数収録されている。1985年の新人王戦から1995年の名人防衛までの全公式戦612局の棋譜が、全て解説付きで収録されている。この解説の執筆者には羽生善治本人も含まれている。また、羽生善治の写真の収録数も50を超え、比肩するものはない。
コンピュータの思考部には金沢伸一郎が開発した「金沢将棋」を採用。NINTENDO64の性能と相まって、当時としてはきわめて強力かつ高速な思考を誇った。
キャッチコピーは「史上初の七冠制覇・羽生七冠王&コンピュータ将棋選手権4連覇中の巨匠・金沢氏の最強コンビが実現!!」
その後羽生七冠王は2017年に史上初の永世七冠の有資格者となり、金沢氏は2000年にコンピュータ将棋界唯一の永世称号であるCSA永世選手権者の称号を得たことで、永世最強コンビとなった。
コンピュータのレベル設定が可能であり、コンピュータのレベルによって棋力と思考時間が異なる。レベル5はアマ初段程度の棋力であり、1局あたりの思考時間は20分~1時間程度である。(あくまで目安であり、必ずこの時間内に収まるわけではない)
更に、思考時間は長くなるものの、より棋力の高い研究レベルも用意された。
また、盤駒は3Dで表現されており、視点変更も可能である。3Dの盤面での滑らかな棋譜再生も評価が高い。
ゲームモードも豊富であり、そのボリュームの大きさ、完成度の高さは現在でも十分に楽しめるほどである。
セタと言えば脱衣麻雀ゲーム「スーパーリアル麻雀」でも有名であったが、残念ながら本ソフトでは羽生善治を脱がすことはできない。
ゲームモード
最強対局
対局室
レベル1~5と研究レベルを相手に対局が可能。持ち時間の設定や駒落ち、二面指しも可能。
逆転将棋
10秒将棋
門下生大会
個性豊かな19人の門下生と、通常の平手対局や10秒将棋、駒落ちなどのさまざまな条件で対局する。
将棋学校
初心者教室
羽生善治がルールを図解つきで説明する「見て覚える将棋」、初心者レベルのコンピュータと対局する「実戦練習」がある。
研究室
羽生善治の棋譜を自由に検索して閲覧可能な「羽生の棋譜鑑賞」、コントローラ パックに保存した棋譜を読み込むことができる「棋譜の読み込み」、盤面を自由に編集して研究できる「自由研究」がある。
講座
3手詰めから15手詰めまでの詰将棋合計315問を解くことが出来る「詰将棋ドリル」、コンピュータの戦型を指定して対局できる「居飛車講座」「振飛車講座」がある。
実力試験
「初級試験」「中級試験」「上級試験」が存在し、9級から三段までの実力を測ることができる。
コンピュータの棋風
攻守のバランスが取れており、当時としては非常に人間的な指し手が特徴である。
とはいえ90年代のソフトなので、水平線効果による無駄な捨て駒や王手ラッシュなど、コンピュータらしい部分も多く残っている。
64の他のソフトと比べると、AI将棋3よりも攻撃的で、森田将棋64と比べると囲いを重視する傾向にある。
基本的に居飛車、振り飛車どちらも指すことが出来、振り飛車では特に三間飛車を多用する。居飛車では矢倉囲い、振り飛車では高美濃囲いを多用する。逆に穴熊はあまり好きではなく、めったに用いない。それどころか、COMが穴熊に組む途中でプレイヤーが定跡を外すと、香車を上がった美濃を組み上げることもある。
また、筋違い角戦法を多用するのも特徴である。
近年の製品や99年のコンピュータ将棋選手権での戦形選択から、「金沢将棋といえば藤井システム」という印象を持たれている方も多いだろうが、発売時期が古いこともあり、本作品のCOMは藤井システムを用いない。
BGM
作曲は新澤健一郎。将棋と聞いて一般に想像するであろう純和風なBGMではなく、シンセサイザーを活用して独特の世界観を演出している。
バグ・不具合
・連続王手の千日手について、王手を仕掛けている側がCOMの場合には通常の千日手として処理される。
・早石田の定跡の特定局面において、表示設定が一字駒だとフリーズが、二字駒だとCOMの駒として玉のような見た目をした謎の駒が出現する現象が発生する。
・秒読みの音声の再生中に投了し、すぐにAボタンを押すと、稀にフリーズが発生することがある。これはCOMの投了でも発生することがある。
・二面指しの際、一方の盤面についてコンピュータが思考している最中に、もう一方の盤面で対局を中断すると、フリーズが発生する。
関連動画
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関連項目
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