木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか単語

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もしかして→与謝野晶子

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 https://twitter.com/MasudaToshinari/status/963722702434353153

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』とは、増田俊也による長編ノンフィクション。

「鬼の木村」と称された史上最強の柔道家・木村政彦の生涯を、「なぜ木村は力道山に敗れたのか」という謎を起点に描く。与謝野晶子は登場しない。

概要

昭和29年 12月22日――。プロ柔道からプロレスに転じた木村政彦が、当時、人気絶頂の力道山と「実力日本一を争う」という名目で開催された「昭和の巌流島決戦」。試合は「引き分けにする」ことが事前に決められていたものの、木村が一方的に叩き潰され、KOされてしまう。
まだ2局しかなかったとはいえ、共に生放送していたテレビの視聴率は100%。まさに、全国民注視の中で、無残な姿を晒してしまった木村、時に37歳。75歳まで生きた彼の、人生の折り返し点で起きた屈辱の出来事だった。
柔道の現役時代、木村は柔道を殺し合いのための武道ととらえ、試合の前夜には必ず短刀の切っ先を腹部にあて、切腹の練習をして試合に臨んだ。負ければ腹を切る、その覚悟こそが木村を常勝たらしめたのである。約束を破った力道山を許すことができなかった木村は、かつて切腹の練習の際に使っていた短刀を手に、力道山を殺そうと付けねらう。しかし、現実にはそうはならなかった......その深層は？

戦後スポーツ史上、最大の謎とされる「巌流島決戦」を軸に、希代の最強柔道家・木村政彦の人生を詳細に描く、大河巨編!!

2008年から2011年にかけて、格闘技専門誌「ゴング格闘技」にて連載され、2011年 9月に新潮社から刊行された木村政彦の評伝。第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞を受賞。2014年に新潮文庫から上下巻で文庫化され、現在はそちらで入手可能。
木村政彦生誕100周年となる2018年には、本書に入りきらなかった原稿を集めた『木村政彦外伝』がイースト・プレスから刊行されている。また「小説新潮」にて「続木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」が連載され（全6回）、2019年秋に単行本化予定だったが、2023年現在、なぜかまだ刊行されていない。

1954年 12月22日に行われた「昭和の巌流島決戦」、プロレスラー・力道山と柔道家・木村政彦の対決は、台本のあるプロレスだったはずが、力道山がそれを無視して木村をKOしてしまう。なぜ力道山は引き分けにするという取り決めを反故にしたのか。そして不意を打たれたとはいえ、史上最強の柔道家だった木村がなぜああもあっさりと力道山にKOされてしまったのか？　プロレス史上最大の謎とも称されるこの対決から語り起こし、単行本で2段組700ページ、文庫では上下巻合わせて1200ページ弱という大ボリュームで柔道家・木村政彦の人生を辿る。

読めばわかるが、著者の増田俊也は完全な木村贔屓で、全編から「不当に貶められた木村の名誉を回復したい」「力道山が卑怯なことをしなければ木村が負けたはずがない」という著者の信念が滲み出ている。と言っても露骨な木村賛美・力道山罵倒の本というわけではなく、可能な限り公平な記述をしようと心がけており、その結果「木村は力道山に負けた」という動かせない事実と、取材を重ねるほど「やっぱり木村は勝てなかったのではないか」という証拠が積み上がっていくことに対する著者の煩悶それ自体が読みどころになっている。

木村政彦の生涯を辿るにあたって日本の柔道史・格闘技史についても詳しくまとめられており、さまざまな流派のあった日本の柔道が講道館中心にまとまっていった経緯や、木村が現在の講道館中心の柔道史から黙殺されるようになった理由、木村政彦も登場する漫画『空手バカ一代』が日本の格闘技史に与えた影響とその内容の真実性の検証、木村らの旗揚げしたプロ柔道のブラジル遠征がブラジリアン柔術に与えた影響なども詳しく記述されている。
著者の増田自身が、北海道大学時代にいわゆる七帝柔道（講道館柔道とは異なる高専柔道の流れを汲む寝技中心の柔道）を経験しており、その経験を題材にした『七帝柔道記』という自伝的小説も出している。

刊行当初から各方面で絶賛された傑作評伝だが、良くも悪くも著者の偏った熱量が魅力の本であるので、内容全てを事実・正史として受け取るべきかはやや留保をつけつつ読むのがいいかもしれない。

『プロレススーパースター列伝』の原田久仁信による漫画版『KIMURA 〜木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか〜』が2013年から2016年にかけて双葉社の「週刊大衆」で連載された。全13巻。

与謝野晶子はなぜ力道山を殺さなかったのか

☆☆☆☆☆ 一言で言うなら時代がそれを許さなかった

二人の邂逅は昭和15年、晶子61歳、力道山 15歳のことであった。
老いたりともいえ血気盛んな晶子が力道山に後れを取るということはない。
若い力道山のバナナを揉んでやろうという気概は当然持っていた。

本書は『なぜ』の部分にスポットを当て、関係者たちの証言によって進められるドキュメンタリーである。

平塚らいてう、山田わか、児玉誉士夫、田岡一雄、梶原一騎などへのインタビューによって、官能的とも言われた寝技を駆使し『やわ肌の晶子』と異名をとった柔道活動や、東スポ誌上で行われた論戦の顛末が詳細に浮かび上がる。

そこには若い力道山に対する親愛の情や、これから花開かんとするプロレス文化への期待が読み取れる。
『なぜ殺さなかったのか』ではなく『なぜこの二人が同じ時代を生きたのか』を書き起こした著者渾身の一冊である。

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