曖昧さ回避
- 過去の事件や創作上の事件などをまねて犯罪を犯した人のこと。
- copycatさんが家出したときに代理で生放送する実況者のこと。詳細はcopycat参照。
- 宮部みゆきの長編小説、およびそれを原作とした映画。本項で記述。
- M・ヨート&H・ローセンフェルトの長編小説。《犯罪心理捜査官セバスチャン》シリーズの2作目。
概要
『模倣犯』(もほうはん)とは、宮部みゆきの長編ミステリー小説。
1995年から1999年まで「週刊ポスト」に足かけ5年に渡って連載されたのち、加筆修正を経て2001年に小学館から上下巻で単行本化。宮部みゆきの新たな代表作としてたちまち大ベストセラーになった。現在は新潮文庫に全5巻で収められている。
「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」でともに第1位に輝き、第55回毎日出版文化賞特別賞、芸術選奨文部科学大臣賞文学部門を受賞した。オールタイムベスト投票の『東西ミステリーベスト100』2012年版では41位に入り、宮部作品では『火車』(5位)に次ぐ、名実ともに宮部みゆきの代表作のひとつ。
《ピース》と呼ばれるシリアルキラーが、幼なじみとともに巻き起こした凶悪な連続誘拐殺人事件の顛末を、被害者遺族、事件の発見者、警察、事件を追うルポライター、犯人の身代わりにされた青年とその家族、そして犯人たちの視点から徹底的かつ重層的に描く。
2002年に森田芳光監督・脚本、中居正広主演で映画化されたが、『東西ミステリーベスト100』の作品紹介では「率直に言って最低の出来だった」と書かれる程度の代物なのでお察しください。
ちなみに映画版に関して「あまりの出来の悪さに原作者が激怒して試写の途中で席を立った」という噂がまことしやかに囁かれているが、原作者の宮部氏は原作と映画は違うものとしてある程度肯定的に評価しており、試写会の途中で席を立った件についても実際に席を立ったのは上映終了後であり、その理由もただトイレが近かったから一目散にトイレに駆け出しただけなのだが、その行動が映画の出来に怒っているように誤解されてしまったというのが真相である。[1]
主な登場人物
- 有馬義男
豆腐店を経営する老人。《ピース》たちに殺害された古川鞠子の祖父。精神を病んだ娘を抱え、《ピース》たちに翻弄されながらも突然降りかかった不幸に立ち向かう。 - 塚田真一
強盗に両親と妹を殺害された17歳の少年。自分の不用意な発言から家に強盗を招き寄せてしまった事実に苦しむ。全ての発端となった事件の第一発見者。 - 前畑滋子
ルポライター。ライターとしての実績を作るため事件の取材にあたり、ルポを雑誌に連載し始めるが……。のちに長編『楽園』で再登場し、この事件で負った傷から再起するために新たな事件を追う。 - 樋口めぐみ
塚田真一の家族を殺害した強盗殺人の主犯・樋口秀幸の娘。父の減刑嘆願書に署名させようと真一に執拗につきまとう。 - 武上悦郎
警視庁捜査一課の刑事。捜査ではなく、資料整理を担当する。『R.P.G.』にも登場している。 - 篠崎隆一
墨東警察署刑事。 武上の部下として配属される。 - 高井和明
蕎麦屋「長寿庵」の跡取り息子で、栗橋浩美と《ピース》の同級生。特殊な視覚障害のため、周囲からは愚鈍と思われており、栗橋に昔から使いっ走り扱いを受けている。栗橋が犯人だと気付き、栗橋を止めようとするが……。 - 高井由美子
和明の妹。栗橋の本性に気付き、兄を栗橋から引き離そうとするが……。誰も彼も悲惨な境遇に追い込まれる事件関係者の中でも、一、二を争う不憫な登場人物。 - 栗橋浩美
連続誘拐殺人の犯人のひとり。容姿にも頭脳にも恵まれるが、強すぎる自尊心ゆえの酷薄さを併せ持つ。《ピース》とともに次々と事件を起こし、警察や関係者を翻弄していくが……。 - ピース
連続誘拐殺人の主犯。
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 6
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