特捜最前線2013〜7頭の警察犬とは、2013年9月29日にテレビ朝日系列で放送された2時間スペシャルの刑事ドラマである。
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
概要
特捜最前線の復活を掲げた、特捜最前線とは似ても似つかないスペシャルドラマ。「特捜として」という括りにとどまらず、刑事ドラマとしてもあまりにもぶっ飛んだ内容で、視聴者からは罵声と笑声が出た。
公式サイトには「伝説の刑事ドラマ復活」とあるが、そんな内容ではないし、むしろ別の悪い意味で伝説を作ってしまったと言えるだろう。
登場人物
こういう人たちが出てました。
警察
悪の組織
あらすじ、というか大まかな流れ
- とりあえず人が死ぬ。後述する組織について情報をくれるはずだった。
- 最近、首都圏でドラッグ絡みの事件が多発。なんか新興組織が暗躍しているようだ。
- 特捜刑事の上川隆也、警察犬を引き連れて捜査に乗り出す。
- 陣川警部補の弟が悪い奴で殺される。警察の仕事増えた。
- 古臭いアクション刑事みたいな演出をされた石黒賢とか、いろんな奴もがんばる。
- どうも姿をくらました、元麻薬対策班の刑事・伊沢が怪しいらしい。実は上川の親友だった男。
- 麻薬捜査の責任者である小日向文世らと共に、敵の本拠地があると見られる京都へ。
- 伊沢の妹の原沙知絵、刑事犬カールのお姉さんみたいな役で登場。
- 「クラシキ」って奴が新ボスらしいよ。
- 良く分からないところで度々アクションシーンが入る上に、何か色々と強引過ぎる。
- ともかく次々と悪い奴が消されていく。カツラの元教師の売人、内村完爾刑事部長、おっぱい女などが次々と死ぬ。
- 警察に内通者が!麻薬捜査をする刑事の一人、長谷川が怪しい。
- 特捜、ついに突き止めた真犯人の本拠地に乗り込む。だが真犯人に長谷川殺されてた!原さちえが重傷に!伊沢も凶弾に倒れる。
- 真犯人は小日向文世だった!追い詰められるも小日向逆上。
- 小日向無双状態に。2丁拳銃でメッチャ強い。警官は何十人で取り囲んで応戦するも、全然弾が当たらない。
- おまけに爆弾をバンバン投げてくる小日向。京都府警どかーん!。
- でも最後はわんわんの力で小日向逮捕。
- 笹野高史の歌。
以上である。
解説
全部を解説すると長いので掻い摘んで話すが。
警察犬大活躍
タイトルに警察犬とある通り、本作では様々な場面で警察犬が活躍する。
が、これがそもそも違うような気がしないでもない。いや、本当に最初から警察犬のドラマだったら良いんだけど、特捜最前線としてはどうかと。百歩譲って、警察犬が活躍するのは良いとしよう。しかし後述するような突っ込みどころがある為、警察犬が良い意味でのプラス要素になってない気がする。
しかもタイトルに「7頭の警察犬」と入っているのに、終盤までは上川がハンドラーであるジャーマン・シェパードと、原がハンドラーのラブラドールレトリバー、計二匹の警察犬ばかりが出てくる。本当に最後の最後になって残り5匹が出てくるのだ。タイトル詐欺じゃね?。
「むしろ警察犬がいたから、とりあえず話として救われた」という評価もあるのを付記しておこう。
良く分からない上に多すぎるアクションシーン
アクションシーンがやたら多いのだが、意味不明なものが少なくない。
例えば内村刑事部長が登場するシーン。警察の尾行を撒く為に仲間が運転するバイクに乗せてもらう、のは良いのだが・・・。内村部長は、なぜか放り投げられたヘルメットをジャンプキャッチで被り、そのままバイクに飛び乗る。しかもそのバイクが太秦撮影所の中を走り回る。そこまで派手な事になっているのに取り逃がしてしまう警察。尾行をまくにしても、あの方法しか無いと言うわけでもあるまいし。そもそも内村部長のジャンプキャッチと飛び乗りをやる必要性は?普通に乗るんじゃなんかまずかったのか?。
上記の場面以外でも、犯人の逃げ方がアメリカ映画に出てくる忍者のように無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きで不自然だったりなど、ともかくアクションが悪目立ちしているのである。異文化に圧倒された気分だ。
小日向無双
なんだかんだ言って、最後の最後に真犯人の小日向文世が追い詰められた。警官隊に取り囲まれたものの、あえて銃を取り警察に抵抗しようとする小日向。そこは良い。
だが問題は、小日向があまりにも強すぎるのである。2丁拳銃を巧みに使い、華麗なリロードを決め、圧倒的に数で勝る警官隊相手に派手な銃撃戦を繰り広げる小日向。逆に警官隊は、相手は防護服もアサルトライフルも持たない一人にも関わらず、物凄い手こずる。さらに小日向はその場から逃げ出し、車のトランクに入っていた爆弾を取り出す。そして警官隊にぼんぼん投げる。吹っ飛ぶ警官隊。
見ていない人はイメージしづらいかも知れないので、例え話をすると。暴れん坊将軍の殺陣の場面を思い浮かべて欲しい。徳川吉宗が悪党の屋敷に単身乗り込み、多勢の悪漢相手に立ち回り、次々と敵を倒していくあの場面である。あれの正義と悪の立場を入れ替え、刀を銃にし、松平健が小日向文世になると、上記の場面になる。
制作者の狙いとしてはラストの盛り上がりのアクションシーンだったのだろうが、視聴者は別の意味で盛り上がった(爆笑的な意味で)。小日向文世が強いとあんなに面白いのかと思った。
いや、誤解の無いように言っておくが、小日向文世を俳優として貶したいのではない、むしろ良い俳優さんだと思っている。恐らく相応の演出があれば、小日向が強くても緊迫した場面になると思う。
何が悪いって、脚本と演出が悪いのだ。
結局、小日向は何をしたかったの?
毎日毎日犯罪者と戦い続けた結果、警察の仕事に嫌気がさして悪の組織へと身を落した。
そして自ら組織のボスになった。
だが組織の事を警察が嗅ぎつけ、伊沢もかぎまわっていた事から、伊沢に全ての罪を被せて事実を隠蔽することを目論む。
捜査情報は自分が真っ先に知る立場だからそれを利用し、警察に捕まりそうになった奴は消した、前のボスも逮捕される前に消した。
だが特捜の執念の捜査によって悪事が露呈してしまったため、ついには警察と銃火を交える事になったのだった。
こう書くと、大まかな流れとしては悪くない気がする。L.A.コンフィデンシャルのスミス警部みたいなもんだろう。だが何か色々と違いすぎた、と言うことだったと思う。
外部リンク
関連項目
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