花咲舞が黙ってないとは、日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ作品、および池井戸潤の小説である。
概要
池井戸潤作の小説『不祥事』『銀行総務特命』などを原作としたテレビドラマ作品。
2014年4月～6月の第1シリーズ、2015年7月～9月の第2シリーズ、2024年4月～6月の第3シリーズと、現時点で3度に渡って制作・放送されており、第1シリーズ・第2シリーズがどちらも水曜10時枠で主演は杏、第3シリーズが土曜9時枠で主演は今田美桜となっている。
第1シリーズの前年に放送された池井戸原作ドラマの代表作である『半沢直樹』と同様に銀行を舞台とした作品であり、「女性版・半沢直樹」と言える主人公・花咲舞が臨店班（問題を起こした支店に直接出向き、業務指導を行う部署）として銀行内のトラブルに立ち向かうストーリーを描いている。
第1シリーズ終了後、2014年7月から六多いくみ作画により雑誌『Kiss』にて漫画版が連載された。
原作について
原作はクレジットでは第1シーズンが『不祥事』『銀行総務特命』、第2シーズンが『不祥事』ということになっているが、原作で花咲舞が登場するのは『不祥事』のみで、『銀行総務特命』の原作の主人公は指宿修平という別のキャラである。さらに第2シーズンでは実際には『不祥事』の収録作は使われておらず、『銀行総務特命』のほか『銀行仕置人』『銀行狐』『仇敵』『かばん屋の相続』に収録された、池井戸潤のさまざまな銀行ものの短編を花咲舞が主人公の話に改変して使用している。
さらにドラマのヒットを受けて、2016年に讀賣新聞紙上で原作者の池井戸潤による同題の新作小説『花咲舞が黙ってない』が連載され、2017年に中公文庫から刊行された。というわけでややこしいのだが、小説『花咲舞が黙ってない』はドラマの原作やノベライズではなく、ドラマの後に書かれた『不祥事』の続編である。
ちなみに小説『花咲舞が黙ってない』には、まだ東京第一銀行と産業中央銀行が合併する前の、若き日の半沢直樹も登場している。
主要登場人物
全シリーズ共通
- 花咲 舞（はなさき まい） 演：杏（第1・2シリーズ）／今田美桜（第3シリーズ）
- 東京第一銀行本部・支店統括部臨店班。
かつては明るい親切なテラー（窓口担当者）として顧客や同僚から人気があったが、突然本部の臨店班への異動を命じられる。一度スイッチが入ると手が付けられない猪突猛進な性質で、支店長等の業務方針に口出しをしては顰蹙を買うことが多く、相馬の手を焼かせる。
異動直後は行員の粗探しを行う臨店の仕事に思い悩むことも多かったが、正義感が非常に強く、間違っていると思ったことは徹底的に追及する。納得がいかないことに対しては「お言葉を返すようですが～」と反論し、不正を追及され逆上した相手に「黙れ！」と言われれば「黙りません！」と切り返す。
テラーとしては非常に優秀で、そのスキルを活かした事務処理能力を駆使して事件の解決を行うことも多い。 - 相馬 健（そうま けん） 演：上川隆也（第1・2シリーズ）／山本耕史（第3シリーズ）
- 支店統括部臨店班調査役。舞とコンビを組む。バツイチ
かつては優秀な融資マンだったが、上司に融資焦げ付きの責任を押し付けられたことをきっかけに出世コースから外れ、閑職の臨店班に回されてしまった。以来諦め癖がついてしまい、臨店の際にもできる限り波風を立てないように心がけている。
舞とはかつて中野支店に勤務していた頃からの上司でもあるが、歯に衣着せぬ物言いをする舞を苦手としている（原作では「狂咲（くるいざき）」というあだ名を付けている）。臨店においても言いたいことをすぐ口にする舞に振り回されっぱなしだが、根は熱い男であるため、徐々に自らの考えを改め、積極的に事件の解決に乗り出すようになる。
食べ歩きが趣味で、臨店に出向く際にはグルメガイドを持ち歩く。また、舞の父・幸三の料理にはまり、「酒肴処 花咲」の常連となる。 - 芝崎 太一（しばさき たいち） 演：塚地武雅（第1・2シリーズ）／飯尾和樹（第3シリーズ）
- 支店統括部次長。舞と相馬の直属の上司。
トラブルが発生するとすぐ「大変だー」と慌てて臨店班に仕事を持ち込んでくる。 - 辛島 伸二朗（からしま しんじろう） 演：榎木孝明（第1・2シリーズ）／神尾佑（第3シリーズ）
- 支店統括部部長。
物腰が柔らかい人物で人望も厚い。銀行の旧弊な体質を変えることを期待し、舞を臨店班に抜擢した張本人。
第1・第2シリーズの登場人物
- 児玉 直樹（こだま なおき） 演：甲本雅裕
- 第1シリーズでは経営企画本部次長。第2シリーズからは秘書室次長に就任する。
真藤の忠実な部下で、臨店班の監視を命じられる。相馬とは同期入社。 - 真藤 毅（しんどう たけし） 演：生瀬勝久
- 第1シリーズでは経営企画本部常務執行役員。第2シリーズでは常務取締役に昇格する。
将来の頭取候補の1人。銀行の利益を第1に考え、そのためには行員の犠牲もやむなしという冷徹な精神を持つ。
次々と不祥事を暴く臨店班を快く思っていない。中でも自身の派閥に所属する行員の首を飛ばした際には激昂する。 - 堂島 正吾（どうじま しょうご） 演：石橋凌
- 専務取締役。第2シリーズから登場する。
ニューヨーク支社から本部へと復帰し、真藤と頭取争いを繰り広げる。 - 花咲 幸三（はなさき こうぞう) 演：大杉漣
- 舞の父。原作には登場しないドラマオリジナルキャラクター。
妻を早くに亡くし、男手ひとつで舞を育ててきた。舞の一番の理解者であり、頼れる父親。
門前仲町にある自宅で飲食店「酒肴処 花咲」を営んでいる。
第3シリーズの登場人物
- 昇仙峡 玲子（しょうせんきょう れいこ） 演：菊地凛子
- 経営企画部主任調査役。
紀本の命により東京第一銀行の不祥事を隠蔽するための特命任務を受けることとなる。
いずれは東京第一銀行初の女性頭取も夢ではないとされるエリートで、その経歴から出会った当初は舞も憧れを抱いていたが、目的のためには清濁併せ呑む狡猾さも持っており、徐々に舞と対立することになる。 - 紀本 平八（きもと へいはち） 演：要潤
- 経営企画部長。40代にして執行役員まで上り詰めたエリート行員。
産業中央銀行との合併交渉を有利に進めるため、東京第一銀行にとって不利益となることを隠蔽するべくその特命係を昇仙峡に命じる。 - 川野 直秀（かわの なおひで） 演：平原テツ
- 東京第一銀行の銀行員の一人で相馬の同期。故人。
優秀だが正義感の強い理想主義者であり、それ故に銀行の抱える闇に触れ、自殺に追い込まれた。 - 花咲 健（はなさき けん） 演：上川隆也
- 舞の叔父。「酒肴処・花さき」の店主。第1・2シリーズの幸三に代わって登場。
舞の就職をきっかけに脱サラして兄の店を継いだ。舞に対しては過保護気味で本人からはウザがられているが仲は良い。
妻がいるが、別居中。 - 半沢 直樹（はんざわ なおき） 演：劇団ひとり
- 産業中央銀行の経営企画部次長。
頭取からの信頼も厚い優秀な男だが、「お客様の利益を第一に考える」ことを建前に情報解禁前に産業中央銀行の支店に合併の話を漏らしてアドバンテージを得るなど、アンフェアなやり口も行う強かな人物。
関連項目
外部リンク
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 0
- 0pt
