曖昧さ回避
- 中国、後漢王朝の第12代皇帝、劉宏の諡号。
- 中国、後涼(五胡十六国の一つ)の第3代皇帝、呂纂の諡号。
- ファイナルファンタジーシリーズに登場する幻獣、憤怒の霊帝アドラメレク。
- スーパーロボット大戦αシリーズの黒幕、「霊帝ケイサル・エフェス」。同シリーズの最終作「第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ」のラスボスである。
本項目では1について記載。
概要
霊帝とは、三国志に登場する人物である。
後漢王朝の第12代皇帝で、本名は劉宏、諡号は孝霊皇帝。諡の「霊」には「乱れはしたが国を滅ぼす程ではなかった」(『逸周書』諡法解第五十四)という意味がある。
西暦156年に生まれる。漢王朝の皇族の一人で、解瀆亭侯に封ぜられていた(解瀆は冀州河間国、現在の河北省の中にある田舎貴族と考えてよい)。先代の皇帝である桓帝に男子がいなかったため167年に13歳で皇帝に擁立される。
治世は天災が相次ぎ、また政治は党錮の禁などの政治闘争で十常侍ら宦官によって政治が壟断されていた。
霊帝自身は酒と女に溺れるだけでなく、宮中で商人の真似事をして、売官を行うなどの悪政を行い、民力の疲弊を招いた。
この結果、184年に起きた「黄巾の乱」は全土を巻き込む大乱となり、これをなんとか鎮圧するも以降は地方軍閥の自立を招き、また後継者を明確に決めていなかったために、死後の皇位継承争いに端を発する動乱を招くことになったのである。
189年崩御。享年34歳。
逸話
- 十常侍について、「張譲はわが父、趙忠はわが母」と言っていた。
- 売官制度によって官位を買った者の中に、曹操の父曹嵩がいる(一億銭で太尉の官職を買った)。
- 188年に皇帝直属の常備軍「西園八校尉」を設置している。売官の目的こそ、この常備軍の設置費用のためにあったとみなす識者もいる。この時、皇帝自ら閲兵し「無上将軍」を名乗り任命式を行っている。
- 諸葛亮が北伐する際に奏上した『出師の表』では、「つまらない人物を登用し有能な人物を退けた、これが後漢の衰退した理由です。先帝(劉備)はいつも自分とこの事の話をして、後漢を衰退させた桓帝・霊帝の事を嘆いたものでした」という意味の文章が書かれている。
- のちに坂上氏、大蔵氏、丹波氏など、日本の氏族の先祖となった東漢(やまとのあや)氏の始祖である阿知使主(あちのおみ)は、漢の霊帝の曾孫を称した。
家族
- 光武帝(劉秀) - 先祖、後漢の初代皇帝。霊帝の6代前にあたる。
- 劉萇 - 父、後漢の解瀆亭侯。
- 董太后 - 母。多くのメディアでは息子と孫の劉協思いの好意的な人物に描かれるが、息子と一緒に売官に勤しんだ張本人でもある。
- 宋皇后 - 最初の皇后。宦官に無実の罪で誣告され、皇后を廃され自殺した。
- 何皇后 - 二番目の皇后、何進の妹。何太后、霊思何皇后とも呼ばれる。劉弁の母。
- 王貴人 - 側室、霊帝によって寵愛されたが嫉妬に燃えた何皇后によって毒殺される。劉協の母。
- 劉弁 - 何皇后との子。後漢第13代皇帝(少帝)。
- 劉協 - 王貴人の子。陳留王、のち後漢第14代皇帝(献帝)。
各メディアにおける霊帝
横山三国志
吉川英治の三国志(太平洋戦争中の作品)をベースとしている関係か、宦官達に真実を教えてもらえなかった悲運の皇帝という描き方をされている。郎中の張鈞から劉備の話を聞く。
しばしば、病床で「とてもつらい」と呟く姿がコラ画像にされているのはこのお方である。
蒼天航路
暗愚扱いされているが、人柄が良く描かれている。張譲や趙忠だけでなく、曹操の祖父の曹騰をも寵愛している。
コーエー三國志
VIが初登場。以降、登場するシリーズとしないシリーズがある。
ニコニコ動画における霊帝
関連項目
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