318青年占領立法院とは、2014年3月18日から始まった、主に学生による台湾政府立法院の占拠、並びに台湾と中国の間に結ばれようとしている「両岸サービス貿易協定」に対する抗議活動である。
立法院というのは、日本でいう国会であり、民衆に占拠されるのは台湾史上初めてのことである。
なお、記事名は本件の台湾国内で一般的とされる呼称である。また、抗議活動のシンボルとしてひまわりが使われれいることから、中国語で「太陽花学運」、英語で「Sunflower movement」とも呼ばれているようである。
概要
事の発端は、台湾が中国と結んだ「両岸サービス貿易協定」を批准、つまり実際に有効にするための法案が、政権与党による強行採決によって立法院議会を通過しそうになったことによる。
2014年3月18日の午後9時ごろに立法院議会に学生らデモ隊がなだれ込み、以後現在(3月24日)に到るまで、立法院及びその周辺は学生や議会野党による占拠が続いている。
サービス貿易協定とはなにか?
台湾と中国の間で2013年6月に調印された経済協定である。
平たくいうと、この協定が有効になると台湾人も中国人もお互いの国で自由に商売ができるようになる。
ただし業種は「サービス分野」に限定されており、この協定によって台湾側で64業種、中国側で80業種の職業が相手の国に対して開放されることになる。
しかし、64業種といってもその中には雑貨店、ファーストフード店、パン屋、文具屋、理髪店等々多種多様な職業がその中に含まれている。台湾は中小企業が多い国であり、この貿易協定が有効になるとそれらの職が中国の巨大資本によって奪われてしまうのではないかという懸念がある。
また、この協定が有効になった場合、中国側からの労働者の流入によって台湾人の賃金の上昇が抑制されるか、下手をすれば今よりも低下することも心配されている。現在でも台湾人の新卒の初任給は2万2千元であり、日本円に直すと6~7万円でしかない。
以上のようにこの協定が有効になった場合、台湾の経済面における中国からの影響が強まることが不安視されているわけだが、更に政治面でも中国からの介入が強まることが危険視されている。
中国側の巨大資本参入による影響はもちろんのこと、台湾で働く中国人に選挙権まで与えられてしまうという情報もある(ソースが不明。どなたか情報求む)。
立法院占拠という事態が起こった理由
立法院を占拠するという計画を誰が立てたのかは現時点では不明である。
しかし、このような直接行動に学生らが及んだ理由は、サービス貿易協定批准のための法案が立法院で審議される際のプロセスが極めてずさんだったからである。
現在、台湾の政府与党は「国民党」という。対して野党は「民進党」という。
2013年6月の協定調印以来、台湾議会ではサービス貿易協定批准のための様々な議論がなされていた。
3月17日の時点で既に3度に渡る審査会が開かれ、また立法院での審議の前に合計16回に及ぶ公聴会が行われることになっていた。
しかし3月17日、立法院において国民党が議会を開き、サービス貿易協定批准のための法律について議論を開始した際、民進党議員の妨害によって議論が進まなくなると、国民党は議会を打ち切り、サービス貿易協定を強行可決したのである。議会開始からわずか3分後のことであったとされている。
このことが野党民進党や学生らの反発を招き、今回の事態へと発展したと思われている。抗議活動中の学生らは、今回の法案の審議過程を「ブラックボックス」と呼んでおり、現政権を批判する際のフレーズとして定着しているようだ。
学生達の活動
学生たちは今回の抗議活動の目標を上記の法案を国民に開かれた形で再審議することとしており、決して反政府並びに反中国の活動ではないとしている。
現状、立法院を占拠している学生は極めて組織だった活動をしている。
占拠に参加している人間をパソコンを活用して把握しており、暴力沙汰や武器持ち込みがないかどうか厳しくチェックしているようだ。学生たちが陣取っている立法院の北側は学生たちの専用スペースとされており、他の抗議グループが混ざることがないようにされている。
他にもゴミの分別を熱心に行い、勉学に励むなど、自分たちのイメージを良好なものにするために一所懸命活動しているとのことだ。
また、医療関係者が立法院内に常駐していることから、組織的なバックアップが行わていることが見て取れる。
3月23日深夜、学生グループの一部が日本の内閣に相当する行政院を占拠。これに対し政権側は警官隊を突入させ強硬に排除、約100名の負傷者が出たとされている。
3月25日、与党国民党のトップである馬英九総統が、学生側の人間を総統府に招いた上で対談を行いたいという意見を発表した。
終結
4月6日、「両岸協議監督条例」が立法化されるまで「両岸サービス貿易協定」の審議を凍結する妥協案が立法院長から示された。これを受け、4月10日、学生は立法院から退去した。
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この記事をご覧になられた皆様方が、もし少しでも多くの情報を提供していただけるのなら幸いです。
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http://togetter.com/li/646607
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