ARIEL(エリアル)とは、笹本祐一作のSF小説である。イラスト担当は鈴木雅久。
概要
「読むテレビアニメ」をコンセプトにして書かれたスーパーロボットSFである。
20世紀末、地球近傍に突如巨大な人工天体が出現し、銀河帝国による地球侵略開始を宣言した。ワープや超光速航行、慣性制御を操り、地球全土を電波ジャック&自動翻訳して侵略を宣言するなど、圧倒的な技術格差を前に人類の勝ち目は全くないように思えた。加えて時代は冷戦末期、米ソ首脳は東西対立の中で無視を決め込み、しかし、日本の国立科学研究所(SCEBAI[1])所長である岸田博士には勝算があった。組織の総力を挙げて個人的な趣味で製作した女性型ロボット「ARIEL」[2]がその真価を発揮する時が来たのである。
一方、地球など一飲みにできるはずの宇宙人側にも事情があった。銀河帝国の侵略を業務として請け負ったのは、経営状態が火の車である侵略会社ゲドー社である。やっとの思いで受注した侵略業務、会社存続のためには帝国からの補助金目当てにダラダラと長引かせ、かつなるべく低コストで作戦を成功させる必要があったのである。更に、同業他社や商社の思惑も加わる。
かくして、宇宙人と地球の奇妙な馴れ合い激烈な戦いが始まった。
1986年から朝日ソノラマの雑誌「獅子王」にて連載が始まり、ソノラマ文庫で刊行。「獅子王」の休刊後は文庫書き下ろしとなって、2004年に全20巻52話で完結した(その後、番外編が2冊出ている)。
2005年に第36回星雲賞日本長編部門を受賞した。
再刊として、描き下ろしを追加したソノラマノベルス版(朝日新聞社→朝日新聞出版)が全10巻+番外編1巻の構成で刊行されている。Kindleでも出版されているため、古本を探し回るよりは手軽に全巻入手できるだろう。加えて、ノベルス版の描き下ろしはまとめて朝日エアロ文庫から刊行されている。
メディアミックスとしては、1989年と91年にOVAが出ているほか、ソノラマカセット文庫からオーディオドラマ化され、コミック版も存在する。加えて、公式アンソロジーといえる『エリアルコミック』も刊行された。
関連動画
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時おり、OVA(1991年版)を著者本人がニコニ広告することもある。
関連項目
脚注
- *="Science, Chemical, Electronics, Biochemical. Aerospace&Industry"の略称。
- *"All Round Intersept&Escort Lady" =「全領域要撃/支援レディ」の略。岸田博士はその優位性について「イージス護衛艦、次期主力戦車、次期要撃/支援戦闘機を一機種で兼用する」と説明する。
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