Item #: SCP-294 - The Coffee Machine (コーヒー自動販売機)
Object Class: Euclid
特別概要プロトコル
SCP-261のオリジナルの文章はインターネット上に掲載されています。英語が理解できない職員に向けた翻訳文章も存在します。閲覧は全てのクリアランスレベルの職員が利用可能です。
"不思議アイテム生成器" の性質を有するオブジェクトの作成は、よほどの理由が無ければもはや認められません。財団が保有するこれらのオブジェクトはSCP-294とSCP-261、そしてSCP-914だけで十分です。
説明
SCP-294は、英語圏のシェアワールド創作作品群「SCP Foundation」に存在するオブジェクトの1つです。SCP-294の見かけは普通のコーヒー自動販売機と差はありません。唯一の大きな違いは、英語のQWERTY配列のキーボードパッドが付いている事です。SCP-294に米国50セントを入れ、キーボードで注文内容を入力すると、SCP-294は注文内容を12oz (約340ml) 紙カップに注ぎ込みます。
SCP-294が受け付ける注文は極めて幅広く、事実上液体ならば何でも注文に応じます。初期の実験では97種類の液体を販売しました。これは水、コーヒー、ビール、ソーダのような飲用可能な液体は勿論、硫酸、ウィンドウウォッシャー液、モーターオイルのような飲用不可な物質、窒素、鉄、ガラスのような室温では液体にならない物質も含みます。また液体という概念を超えた、極めて抽象的な注文内容にも応じます。ただし能力には制限があります。紙カップは通常の物と同じですが、紙を腐食させるような物質の影響を受けません。
注文内容を効果が予測される範囲内で入力すれば、似たようなオブジェクトであるSCP-261やSCP-914のような予測不可能な結果は発生しにくいですが、裏を返せば、入力する注文の記述には注意を払わなければなりません。エージェントジョセフ・ ██████ (Joseph ██████) は、SCP-294でコーヒーを注文する際に "a cup of Joe (コーヒー1杯)" と入力しました。するとジョセフ・ ██████は大量の汗をかき、めまいを訴えながら倒れました。紙カップの中身は血、組織、その他体液が混ざった液体であり、DNAはジョセフ・ ██████の物と一致しました。ジョセフ・ ██████は治療され、4週間の休息と点滴で感知しました。CTスキャンではケガの兆候は見られませんでした。
およそ50回運転すると、SCP-294は約90分間動作しなくなります。この間にSCP-294は補給を行っているようです。ただし実験により、実際に液体を取得するのは注文を受け付けた時であると判明しており、何を補給しているのかは不明です。
SCP-294は現在2回職員研究室に配置されており、レベル2以上の研究員は利用が可能ですが、ジョセフ・ ██████の件を受けて常時レベル3警備員に監視されています。
SCP-294への注文履歴
- SCP-075 (腐食性カタツムリ) の分泌液: SCP-075は非常に凶暴で、分泌液は既知のあらゆる物質を腐食させる効果があり、分泌液の直接採集には成功していません。SCP-294に注文した結果、紙カップにSCP-075の分泌液を注ぐ事に成功しましたが、直後SCP-075は覚醒状態になり脱走事案が発生しました。SCP-075は捕獲・沈静化される前に注がれたのと同量の塩基性溶液を分泌しましたが、これは事後調査でも見つかっていません。注目すべき事に、紙カップはSCP-075の分泌液に腐食されませんでした。
- 金: 融解した金が注がれました。他の貴重な物質も同様に注文に成功しました。
- 非液体物質: 短く唸ると「OUT OF RANGE」(圏外) と入力画面に表示しました。SCP-294は空間や次元を越えた液体採集能力を持たないと思われます。
- ダイヤモンド: 短く唸ると「OUT OF RANGE」と入力画面に表示しました。他の固体物質も同様の結果となりました。ただし「炭素」という注文には液体炭素を注ぐという結果になりました。ダイヤモンドは炭素の固体結晶物質である為に液体ではないと判断されたようです。
- ███████製漂白剤、█████ ██ ███ █製コーラ、MET-RXパウダー、ガラムマサラをある割合で配合した液体: SCP-294の効果範囲実験。25m離れた位置に密閉容器を配置し試験した結果、カップに注がれると同時に密閉容器内の液体は同量だけ消滅しました。
- 今まで飲んだ中で最高の飲み物: レベル4職員███ ██████研究員が入力。コーラのような液体が注がれました。研究員はバチェラー・パーティーで飲んだカクテルが "最高の飲み物" だと思い出し、確信しました。液体はラム酒とコーラを混ぜたものですが、研究はそれを知りませんでした。
- 今まで飲んだ中で最高の飲み物: エージェント████████が入力。上部が白い泡で覆われた黒い液体を出力しました。エージェントはビーチで友人達と共に飲んだウィーンラガーだと説明し、実際に液体はウィーンラガーでした。上記2つの実験は、SCP-294は条件を満たす為、対象の心を読み取る事が可能だという事を証明しました。
- 完璧な飲料水: 無臭のラベンダー色の液体が注がれました。被験者はそれを飲むとショックを受け、その後自殺しました。遺書には「すまない、あの時からこの世の全てに失望してしまった」と書かれていました。再度の実験は危険と判断されました。液体の内容は特定されていません。
- キャシーが気に入る飲み物: キャシーとは、生きている絵であるSCP-085 (手書きの"キャシー") の事です。SCP-294は3秒ほど唸り、空のカップを排出しました。カップの側面には伝統的なソーダ屋のグラス、グラスを満たす茶色い液体、その上にホイップクリームが乗っかっている絵が描かれていました。SCP-085は液体を飲むと、チョコレートバナナのミルクセーキだったと述べ、おいしいと評価しました。
- 音楽: わずかにアルコールの味がする、透明なきらめく液体が注がれました。研究員は摂取後、聴こえはしないがリズムを "感じる" と報告し、流れるように踊り始めました。
- 医学知識: 透明な緑の液体が注がれました。大規模なセキュリティ違反が発生し、休憩室に4人のエージェントが避難、唯一無傷だったエージェント██████が注文した結果です。摂取したエージェントは財団の医療訓練と同様の方法で他のケガしたエージェントを治療する事が出来ました。エージェント██████は医療訓練が不要になりましたが、効果の再現の試みは成功していません。自衛本能を読み取ったのではないかとエージェントは推測しています。
- 私の人生: ████████博士が入力。非常に粘り気のある不透明な液体を注ぐまで、SCP-294は3分間音を鳴らしながら激しく震えました。摂取後、博士は今までの人生の全てを思い出したと報告、自分のオフィスに入り、48時間後に538ページの自叙伝と共に戻りました。
- 私を驚かせて: 不透明のカップに液体を注ぎました。手に取った瞬間即座に気体へと変化し、周囲2mに熱湯を激しくまき散らしました。注がれた液体は単なる水でしたが、温度は200℃ありました。
- キリストの血: 入力画面に "Hic est enim Calix Sánguinis mei" (私の血が入った杯です) と表示し、紙の酒坏に約0.12リットルの赤い葡萄酒が注がれました。
- スミロドンの血、リョコウバトの血、トーマス・ジェファーソンの血: いずれも「OUT OF RANGE」でした。スミロドンは1万年前、リョコウバトは1914年に絶滅しています。トーマス・ジェファーソンは第3第アメリカ合衆国大統領で故人です。
- タイリクオオカミの血、ウマの唾液、コアラの尿、フォベロミス・パッテルソニ (Phoberomys pattersoni) の脳脊髄液: IQが99で筆記試験により好奇心が低いと判断されたDクラスで入力。4回とも内容通りの液体を注ぐ事に成功しました。フォベロミス・パッテルソニは800万年前に絶滅しています。
- 室温超伝導: 種が浮いたリンゴジュースが注がれました。キング博士が入力しました。
- D-151839の白血病: D-151839の遺伝子と一致する白血病由来の芽球を含む液体が注がれました。再試験は「OUT OF RANGE」でした。D-151839の白血病は治癒したように見えましたが、15日で再発しました。
注文内容 "SCP-294を含んだ創作物"
関連する液体が注がれました
- SCP Foundation
- SCP-261
- SCP-914
- SCP-075
- SCP-085
「OUT OF LINK」
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- 0pt