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アナとエルサのフローズンジャーニー(Anna and Elsa's Frozen Journey)とは、東京ディズニーシーのアトラクションである。施設番号は6(ファンタジースプリングス内)。
| アナとエルサのフローズンジャーニー | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| テーマポート | ファンタジースプリングス |
| スポンサー | 大和ハウス工業株式会社 |
| 施設番号 | ファンタジースプリングス 6 |
| 所要時間 | 約6分30秒 |
| 定員 | 16名(1艘) |
| 優先入場 | ディズニー・プレミアアクセス |
| オープン日 | 2024年6月6日(正式オープン) |
| 東京ディズニーシー・テンプレート | |
東京ディズニーシーのテーマポート、ファンタジースプリングスの「フローズンキングダム」エリアに位置するアトラクション。提供は大和ハウス工業株式会社。
映画『アナと雪の女王』をテーマにしたボート(水流ライド)形式のダークライドであり、ゲストは屋内を進むボートに乗り『アナと雪の女王』の物語を体験する。「フローズン」は『アナと雪の女王』の原題Frozen(凍りついた)のこと。つまり「アナとエルサのアナと雪の女王の旅」。
2024年6月の東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」グランドオープンにあわせて開設された。テーマパークファンの言うところの「Eチケット」(最上位アトラクション)に分類される、同テーマポートの旗艦アトラクションである。
大物揃いのファンタジースプリングスの中で一頭地を抜くスタンバイ待ち時間を誇り、もともと大型アトラクション比率の高い東京ディズニーシー全体でも「ソアリン:ファンタスティック・フライト」と並ぶ域にある。時間指定型の有料優先入場サービス「ディズニー・プレミアアクセス」対象だが、園内でもっとも早く、公式開園時間直後に終了する(全時間帯で売り切れる)ことが珍しくない。
海外のディズニーパークでは、ウォルト・ディズニー・ワールドのエプコット、および香港ディズニーランドにおける『アナと雪の女王』のアトラクション「フローズン・エバー・アフター」に相当する。ただし、類似部分はあるもののクローンというわけではなく、むしろ題材とライドシステムという大きな枠を除けば8割がた別物といえる程度には独自性が強い。
ボートに乗って、ディズニー映画『アナと雪の女王』の世界を体験することができます。姉妹の愛が永遠の冬に閉ざされたアレンデール王国を救う壮大で心温まる冒険の物語を、おなじみの名曲の数々とともにお楽しみください。
映画『アナと雪の女王』の物語を追ってゆく、いわゆる「ブックレポート」式のダークライド。
ゲストはアレンデール王国の宮殿内からボートで漕ぎ出し、北欧のアレンデール王国の王女であるエルサとアナのストーリーが語られる。ミュージカル映画である『アナと雪の女王』を彩った名ナンバーの数々を中心に、印象的なシーンの数々がその場で繰り広げられているかのような光景を巡ってゆく。
ライドビークルは16人乗り(4人×4列)のボートである。基本的に全年齢向けの屋内ファミリーライドであって、おおむね穏やかに進行するが、照明の暗い部分(夜のシーン)が多く、途中いくつか小さなドロップも入る(「カリブの海賊」と比べても遥かに大人しい)ため、公式で特徴を「暗やみをすすむ」「スピード/スリルあり」としている。また、水しぶきで多少濡れる場合があることに注意が喚起されている。
ファンタジースプリングスの一番奥、『アナと雪の女王』の世界である「フローズンキングダム」エリアの端に位置しており、レストラン「アレンデールのロイヤルバンケット」横手にそそりたつ崖の下にある木造ロッジ風の建物がアトラクションのゲートである。
アレンデール城であるところの隣の「ロイヤルバンケット」と比べるとこじんまりして見えるが、アトラクション本体はゲート裏手の崖の中にある。崖とその向こうにそびえる、氷の宮殿が見える山嶺ノースマウンテン(強化遠近法の効果で実際よりはるかに高く遠くに見える)は、「フローズンジャーニー」を収めたショービルディングであるとともに、パーク外への視界を遮る牆壁の役割を果たしている。
スタンバイ通路(キューライン)はアレンデール城の内部を巡るかたちとなっており、作品世界を現実にしたような北欧の宮殿の詳細な内装に加えて、スタンバイで並ぶゲストを楽しませるさまざまなギミックを備えている。ただし優先入場(ディズニー・プレミアアクセスなど)向けの通路はそれらのキューラインも一切合切すっ飛ばしてしまうので注意。
「フローズンジャーニー」に搭乗するゲストを驚かせるのは、よくあるボートライドにもかかわらず4箇所の折り返し点を持ち、ボートが2回にわたり後進する点であろう。折り返すといっても来た道を戻るのではなく、V字スイッチバックの要領で別の道へと入ってゆく。本来スリルライドともいえないファミリー向けのボートライドながら、複数の小さなドロップや大型の登坂といった意外な高低差があるのも特徴。
この構造は原型といえる『アナと雪の女王』アトラクション「フローズン・エバー・アフター」譲りのものだが、おおもとはエプコットにあったボートライド「メイルストロム」[1]に由来する。「エバー・アフター」は、「メイルストロム」を『アナと雪の女王』をテーマに改装したものだからである。「メイルストロム」はノルウェーの歴史と伝説を紹介する少々ダークな室内型ボートライドで、折り返しもあれば落下もあった。そのレイアウトがそのまま「フローズン・エバー・アフター」になったわけである。
むろん「フローズンジャーニー」は全くの新規設計であって、当然「メイルストロム」に縛られない(実際ライドレイアウトはまったく異なる)のだが、「メイルストロム」の構造が「エバー・アフター」の大きな特徴でもあるためか、「フローズンジャーニー」にもボートの折り返しやコースの高低差が引き継がれたわけである(ちなみに香港ディズニーランドの「エバー・アフター」は同じ新設アトラクションなのにレイアウトまで完全にエプコットのクローンだったり。世界に拡散するメイルストロムの遺伝子)。
とはいえ、無関係な構造が「フローズンジャーニー」に無駄に引き継がれているというわけではない。折り返しや後進はライドの演出面(特にゲストが見る構図の調整)においてきわめて効果的な役割を果たし、 むしろアトラクション体験に不可欠な機能となっている。またライドレイアウトの観点でいっても、本来はより大角度の曲線が必要な大型ボートライドのコースを急転回させることができるため、スペースの効率的な利用に一役買っている様子である。
『アナと雪の女王』の物語を追う各シーンのストーリーテリングにも工夫が凝らされ、上記したボートシステムを活かした視線誘導、プロジェクションマッピング技術の徹底的な活用、進行タイミングの緻密な管理などによって、舞台演劇を観るようなアトラクション体験を実現している。とっさには仕組みを理解しかねるような、ゲストを驚かせるギミックもある。ただ、あまりにタイミング調整が精緻なため、ズレからの不具合でシステム調整休止が起きやすい、なんて噂も。
また、25体以上配置されたオーディオ・アニマトロニクスは、従来の油圧駆動を廃してより人間的な挙動を実現したウォルト・ディズニー・イマジニアリング最新式の全電動A-1000アニマトロニクスを採用。原型であるエプコットの「エバー・アフター」では顔のアニメーションを内部から投影していた[2]が、これは従来の実体的な顔に比べて評判がよくなく、本アトラクションでは香港ディズニーランドの「エバー・アフター」同様に実体的な(ただしより精細な)顔へと回帰している。
実のところ、「フローズンジャーニー」のアトラクション構造はきわめて古典的である。「フローズンジャーニー」が用いている、何かに乗って進み、物語を再現したシーンを順繰りに眺めてゆく、という、いわゆる「ブックレポート」タイプのライドは、ディズニーパークにあっては「白雪姫の冒険」(ディズニーランド・パークに1955年オープン)以来の伝統的な概念である。ボート式のライドに至っては、19世紀末にはすでに存在したとされる。
「フローズンジャーニー」の基礎を支えるライドシステムは、「メイルストロム」以来の折り返し機能以外、よくあるようなボートライドであり、シミュレーションライド[3]でも、トラックレスライド[4]でもない。3Dメガネすら使わずに名シーンを巡る古き良き「ブックレポート」ライドであって、ゲストを世界観に取り込んだり[5]はせず、アトラクションにゲストが働きかけるインタラクティブ性[6]も持たない。
次々と独特で斬新なライドシステム、画期的なアトラクション体験が生まれる現代に、「フローズンジャーニー」は『アナと雪の女王』という21世紀の作品のために、あくまでごく伝統的で普遍的なアトラクション構造を採用した。そして徹底的に計算されたストーリーテリングによって、古典的ブックレポート・ライドの究極とも言うべきアトラクション体験を生み出してみせた。この点こそ、本アトラクションが国内外のテーマパークファンから、少なからず現代の驚くべき傑作と称賛を受ける所以である。
ひっくるめて言えば、『アナと雪の女王』をテーマにしたアトラクションとしての充実した体験の提供を実現する(大事なのはここである[7])ともに、ディズニーが誇るイマジニアリングのマスターピース、それが「アナとエルサのフローズンジャーニー」なのである。
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最終更新:2025/12/07(日) 08:00
最終更新:2025/12/07(日) 08:00
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