クラスター弾 単語


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クラスターダン

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クラスター弾(cluster munitions)とは、ケースのなかに小爆弾を多数詰め、広範囲に散布して制圧を行う兵器の一種である。クラスター爆弾(特に航空機搭載のもの)、集束爆弾爆弾なども呼ばれる。

概要

通常の爆弾と類似したサイズケースに多数の子弾(submunition)を多数詰めた構造をしている。当初は航空搭載の自由落下爆弾として使用され、後にはロケット弾等の弾頭にも使用されるようになった。子爆弾には通常の爆弾以外にも対装甲弾、焼夷弾、地雷なども用いられる。場合によっては化学剤や電力網をショートさせるための炭素繊維ワイヤーなども用いられる。

爆弾を広範囲に散布するため広範囲を制圧することが可で、重量に対する制圧面積が通常爆弾より有利であるため、少数の爆撃機ロケット弾、弾で広範囲を制圧するのに向いている。暴露された状態の歩兵ソフトキン車両などはクラスター弾の格好の標である。

一方で個々の子弾の威力そのものは小さいため、森林地など遮蔽物の多い地域や、強固に防護された標に対しては効果を発揮しない。加えて後述する不発弾の問題があるため、現代では使用に制限のある兵器となりつつある。

歴史

第二次世界大戦時にはすでに各種のクラスター弾が使用されていたことが知られている。これらのクラスター弾は、近接航空支援など戦術的な標にも用いられたが、日本人になじみ深いものでは東京大空襲を初めとする本土襲に用いられたE46、E48などの集束焼夷弾が上げられる。これらの焼夷弾は木造屋の多い日本都市に広範囲に焼き払い、民間人を殺傷するのに効果を上げた。

第二次世界大戦後もクラスター弾は効果的な面制圧兵器として各軍に認識されており、冷戦期には地上部隊に対する阻止攻撃を行うためのクラスター弾やディスペンサー兵器開発された。MLRSなどがこのような運用思想の兵器として知られている。

冷戦終結とともに大規模な地上部隊に対してクラスター弾を撃ち込むような戦闘の蓋然性が下がるにつれ、今度はクラスター弾を使用した際に発生する不発弾の問題がクロースアップされるようになった。結果クラスター弾の保有・使用は際的な組み(オスロプロセスダブリン条約など)によって規制されることになったが、これには参加の防衛力を掣肘する、実際に大量に保有・生産するが参加していないなどの問題が存在する(対人地雷の禁止に当たっても似たような問題が生じてきた)。

クラスター弾に関する条約

2008年ダブリンで採択され、2010年に発効した。

条約ではクラスター弾を「それぞれが20キログラムえない爆発性子弾を散布または放出するよう設計された通常弾で、それらの爆発性子弾が含まれるもの」と定義されている。

ただし、次のようなものはクラスター弾に含めていない。1)10個未満の子爆弾。2)各子爆弾4kg以上。3)単一標に対して察知、攻撃が可。4)電気的に不活性化処置(つまり爆発しない)・自爆処置することが出来る。

ディスペンサー兵器

航空機から投下したあと子爆弾を散布するクラスター爆弾と異なり、ケースそのものは航空機に装着したまま子爆弾を散布するものをディスペンサー兵器爆弾地雷散布装置)として区別する場合がある。

トーネード攻撃機が装備していたJP233などが知られるが、標上通過する必要上機が危険にさらされるため、現代ではれている(JP233は地雷散布を行う関係上対人地雷禁止条約との絡みもあったが)。代替としては推進装置と誘導装置を持つスタンドオフ兵器(要するにミサイル)の弾頭をディスペンサーにしたものが運用されている。

不発弾問題

クラスター弾の使用には常に子弾の不発弾化の問題がつきまとう。これには単純に散布される子爆弾数が多い(通常爆弾の数倍にわたる)こと、子爆弾が小さいため信頼性の向上に限界があるなどの理由があるが、戦闘終了後の民間人への被害を防ぐ観点からは無視出来ない問題であるため、現在では多くのでクラスター弾の製造・保有は制限されている。

一部には「不発弾を意図的に対人地雷として使用している」などという非難もあるが、確率的に制御出来ない不発弾兵器としての使用には若干理が生じるため、あまり的を得たものとは言えない。対人地雷を散布するディスペンサー兵器は当然対人地雷禁止条約規制となる。

2003年には、毎日新聞記者ヨルダン空港に持ち込んだ子爆弾爆発係員に死傷者を出すという事件が発生している。→ クラスター爆弾事件

日本における現状、そして最近の状況

航空自衛隊航空機搭載クラスター爆弾)、陸上自衛隊ヘリ搭載ロケット弾、MLRS)がクラスター弾を装備していたが、すでに全することが決定している。代替としてはレーザー誘導機付きJDAMやM31誘導ロケット弾が導入される予定だが、クラスター弾は依然として高い面制圧力をもつ装備であり、限られた戦力で土を防衛するには不可欠であるとして防衛力の低下を懸念するもある。

また中韓露など周辺諸は依然としてクラスター弾を製造・保有しているのも事実である。

この流れをうけてアメリカなどにより新たな規制案が提示されている(2011/11現在)。
これは1980年以前に生産されたクラスター爆弾の使用を禁じ、不発率が1%以下のクラスター爆弾の使用を認めるものとなっており、前述のオスロ条約に非加盟アメリカ韓国、また署名・批准である日本イギリスフランスドイツイタリアオーストラリアといった々もこの規制案に賛同を示しているという報道exitがなされており、今後の推移は要注意といえるだろう。

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