中山の直線は短いぞとは (ナカヤマノチョクセンハミジカイゾとは) [単語記事]

中山の直線は短いぞとは、後ろの娘たちは間に合うかである。

概要

中山の直線は短いぞ！

後ろの娘たちは間に合うか？

Cygamesより展開されているアプリゲーム『ウマ娘プリティーダービー』のレースで登場する実況フレーズである。
この実況は中山レース場で行われるレースの最終局面、ホームストレッチに差し掛かった場面で聞ける。ゴール前のラストスパートをかける場面であり、ここで良い位置につけていないとスパートをかけても間に合わない場合がある。特に中山レース場は年末の有馬記念で使われるレース場であり、育成目標の最後に「有馬記念で1着」と指定されているウマ娘も多く、君の愛が目標を達成できるかという場面で流れるこの実況が印象強く残っているトレーナーも多い。あまりにも印象に残っているためか、「競馬やウマ娘を知らないけど中山の直線が短いことは知っている」という人もいるらしい。
あまりにもトレーナーの印象に残りすぎたためか、2021年皐月賞の日には「皐月賞」や勝ち馬の「エフフォーリア」のみならず、「中山の直線」がTwitterトレンド入りするということも発生した。

もちろんこういったフレーズはウマ娘リリース以前の競馬中継でも数多く聞かれるものであり^[1]、競馬をテーマにした漫画などでも使われることがある。（下記の画像は「週刊少年マガジン」に1989年から1993年まで連載された漫画「風のシルフィード」からの引用）

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 https://twitter.com/ntbarny/status/1395408840644988931

競馬場名所

各競馬場に名所が存在し、実際の競馬中継でも話題に上る。

東京競馬場:府中の大ケヤキ
- 第4コーナー手前に生えており、レースのクライマックスを象徴する。ここで生まれるドラマも多い一方で観戦の妨げにもなるが、撤去されない理由については「東京競馬場」の記事を参照。
中山競馬場:中山の直線
- 上述の通り。
阪神競馬場:仁川の坂
- 3～4コーナーにかけての緩い下り坂から最終直線で急な上り坂になる阪神競馬場の坂は、逃げ・先行馬にとっては苦戦必至のポイントである。
京都競馬場:淀の坂
- 内回り・外回りともに、第3コーナーが登り坂、第4コーナーが下り坂となっている。菊花賞・天皇賞(春)などはここを2回越えなければならず、スタミナを激しく消耗するポイントである。また、下り坂でスピードを出しすぎると最終直線で膨らみすぎてしまい、ロスとなる。よって、「京都の第3・4コーナーで仕掛けるのはタブー」とされているのだが、ごく希にそれをやらかして勝ってしまう馬も…
中京競馬場①:桶狭間ポイント
- 中京競馬場は第3～4コーナーが下り坂であり、逆転のチャンスである。
  元ネタは東海テレビの吉村功アナウンサーによる実況（1980年宝塚記念など）であり、かなり古い上に地方局とあって現在の競馬ファンは知らない、または『ウマ娘』で初めて知ったということもある。
  なお、桶狭間古戦場は確かに中京競馬場の近くだが、実際には1・2コーナーの方向にある。
中京競馬場②:名鉄パノラマカー
- 中京競馬場には、名鉄パノラマカーが静態展示されている。名鉄杯のTV中継では、ファンファーレと専用ロゴが流れるが、映像が本車の大写しになるのが定番である。実況が言及することもアル。この日は同車のヘッドマークも「名鉄杯」になる。
札幌競馬場
函館競馬場
福島競馬場
新潟競馬場:新潟の直線
- 「中山の直線」の逆。外回りの最終直線はJRA最長であり、最後まで油断できない。
- さらに、新潟には「直線のみ」の1000mコースが存在し、「新潟の千直」としてこちらも愛される。
小倉競馬場:第2コーナーの丘
- 珍しく第2コーナーに坂が配置されており、1200mはこの上からスタートすることからスピード勝負になることが多い。
大井競馬場:大井の直線
- 大井競馬場のホームストレッチは386m（外回り）で、下記の通りJRAと比較すると長いとはいえないが、浦和200m、船橋 300m、笠松238m、名古屋194m（日本最短）などと比較すると長い。
船橋競馬場:スパイラルカーブ
- 船橋競馬場のコーナーは入口のカーブが緩く、出口に向かうにつれタイトになるように設計されている。
- これによりスピードを維持したままカーブに入り、出口では膨らんで馬群がばらけやすい。
- 船橋以外の競馬場でもいくつかスパイラルカーブを採用しているコースはあるが、特に船橋のスパイラルカーブはコースが平行四辺形のように見えてくるレベルのキツさである。
川崎競馬場
盛岡競馬場:奥深いポケット
- 盛岡競馬場は1周1600mのコースである。1周1600mのコースで1600m戦をやろうとするとスタート地点とゴール線が一緒になってしまうなど不都合が多いため施行出来ないのが普通なのだが、盛岡競馬場ではその問題を「2コーナー出口から400m近い枝線を伸ばし、その奧にスタートを置く」という方法で解決した。あまりの奥深さゆえにスタンドからのカメラではほぼ捉えきれないため、ポケット地点からのスタート時はカメラもゲート正面をズームで捉える独特の視点になる。

『ウマ娘』では、大井を含めた各競馬場に固有実況が存在する。

詳細は、「実況(ウマ娘)」の記事「レース場専用実況」の項を参照。

中山の直線はどれぐらい短いのか

「中山の直線は短いぞ」とは言うが、中山レース場のモデルである中山競馬場の直線は他の競馬場と比べてどれぐらい短いのか。実在するJRAの競馬場と比較してみた。（全て芝コース、京都は改修前）

競馬場	直線距離	起伏
函館競馬場	262m	ほぼ平坦
札幌競馬場	266m	ほぼ平坦
福島競馬場	292m	ほぼ平坦
小倉競馬場	293m	ほぼ平坦
中山競馬場	310m	2.2mの上り坂
京都競馬場（内回り）	328m	ほぼ平坦
阪神競馬場（内回り）	356m	下りのち1.8mの上り坂
新潟競馬場（内回り）	359m	ほぼ平坦
京都競馬場（外回り）	404m	ほぼ平坦
中京競馬場	412m	2mの上り坂→ほぼ平坦
阪神競馬場（外回り）	473m	下りのち1.8mの上り坂
東京競馬場	525m	200m2mの上り坂→ほぼ平坦
新潟競馬場（外回り）	659m	ほぼ平坦

なんと中山よりも短い直線を持つコースの競馬場が4つも存在する。
これを見ただけでは全然短くないじゃん、と思われるかもしれない。だが中山より短い直線のコースはいずれも直線はほぼ平坦な道であるのに対して、中山競馬場は短い直線に加えて2.2mもかかる上り坂がある。つまりレースをする競走馬及びウマ娘には短く急な登り坂を駆け抜けるパワーとスパートをかけるためのスタミナを温存するレース展開などが要求されるので、生半可な能力では坂を上り切れずに失速してしまう。中山の直線を制するものは中山のレースを制すると言ってもいいだろう。そもそも中山より短い直線の競馬場では（2021年現在）G1 レースが開催されていないので、「中山の直線は（G1 レースが開催される他の競馬場と比較して）短いぞ」というのが正しい記載になると思われる。