『北海道4000km 道内全市町村踏破』とは、1983年夏の北海道を旅して、道内212市町村を訪問するゲームである。
1984年発売の『北海道4000km』や2021年発売の『新・北海道4000km』などの作品で知られる、サークル「天北部屋」のてんぽく氏による同人PCゲーム。
2024年12月の同人イベント「コミックマーケット105」で頒布開始、その後にPCソフトダウンロードサイト「Vector」にも委託されている
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https://twitter.com/Tempoku2000/status/1874652072370667788
1983年夏の早朝、青森駅から旅は始まる。
石勝線の開業により道内の国鉄線は最長になり、一方で秋には白糠線を始めとする特定地方交通線の廃止が控えている時期となっている。
ゲーム内では、ほぼ当時の時刻通りに列車やバスが走っているため、これを乗り継ぎながら、最速で道内の全市町村に訪問し、再び青森駅へ戻るのが目的となっている。
ランダム要素はないため、他人のプレイを見て真似すれば同じ結果に行き着くようになっている。
ゲームシステム自体は「新・北海道4000km」とほぼ同一だが、全市町村を訪問する必要があるため、鉄道のない知床や積丹、利尻や礼文にも赴かねばならない。
逆に鉄道は全線乗る必要がないため、美幸線や白糠線、室蘭支線などの同一自治体完結路線は乗る必要はない。
北海道内の212市町村を訪問し、青森に戻ってくることでゲームクリアとなる。
難易度設定として訪問の判定があり、「通過」「昼間通過」「乗降」「利用」が選択できる。
難易度に応じて賞金も攻略もガラリと変わるだろう。
「通過」…徒歩、タクシー、バス、鉄道、船でその市町村を通過すればよい。
駅やバス停が設定されていなくても、道路や線路が通ってさえいれば通過判定になる。
簡単な代わりに賞金額は低い。また賞金が出る市町村数が30.50.70.90~(以後10刻み)となる。
「昼間通過」…ゲーム内の日の出から日没までに「通過」判定を取る。他の条件は「通過」と同じ。
「乗降」…その市町村のバス停・駅・港・空港でバス、鉄道、船、飛行機に乗るか降りるかすることで訪問となる。徒歩で来た場合、タクシーに乗降する場合は訪問判定とならない。
難易度はやや高いが、賞金も上がるほか、出る市町村数は10刻みとなる。
「利用」…その市町村の駅窓口を除く施設を利用(買い物含む)することで訪問判定となる。
駅の売店や立ち食い蕎麦・駅弁屋、町中の商店や食堂、銭湯や温泉、コインランドリー、宿泊施設、自動販売機を利用することで訪問判定となる。
難易度は高いうえ何らかの料金や買い物代が掛かるが、賞金が高額なことと、自動販売機でも判定されるのがコツになるだろう。
所持金は50000円あるが、普通に乗車券や急行・特急券を買う(ゲーム内では乗車後に精算、各種特例も概ね実際通りに適用)とあっという間に所持金が尽きてしまう。
そのため、訪問自治体10箇所ごとの賞金のほか、トクトクきっぷを活用したり駅の記念スタンプや入場券、チャレンジ4000kmの対象路線の起終点駅撮影、駅弁の掛け紙収集による賞金を集めて旅費に当てなければならない。
訪問自治体の数に応じた賞金は、訪問判定の難易度「通過」<「乗降」<「利用」で変化する。
高難易度であればその分賞金も多いため、攻略の組み立ても変わるだろう。
パラメーターには所持金の他、「健康度」「満腹度」「衛生度」があり、「健康度」がゼロになるか所持金が尽きるとゲームオーバーとなる。
満腹度や衛生度が尽きるとものすごい勢いで健康度が下がっていくため、適度に食事をとったり入浴しなくてはいけない。
健康度を回復させるためにはホテルに宿泊するか、栄養ドリンク(1日3回まで使用可)を使わなければならない。
なお、ホテルが近くにない駅もあるため夜行列車での車中泊、駅の待合室で休む駅寝も重要なテクニックとなってくる。
一部地点では銭湯が温泉になったいるため、温泉の場合は健康度がいくらか回復する。
どうしようもない場合は野宿することになるが、健康度が下がりやすいため待合室で休める駅に滞在したり、夜行列車で車中泊(途中駅で反対方向からくる夜行列車に乗り換えるなど)するようにしたほうが良い。
その他、当時はまだコンビニが殆どなかったため、ゲーム内では売店やレストランなども夜になれば閉まってしまう。食事やアイテムの購入は夕方までに済ませてしまおう。
またゲーム内では時刻の他、日の出や日没(写真撮影や一部の縛りに影響)、気温や天候も当時のデータのままに収録されており、気温が高くなると弁当の持ちが悪くなる(冷房車なら変わらないが、この当時冷房装備は特急列車のみ)、雨のときに雨具無しで徒歩を選択したり野宿すると健康度が下がりやすい、といった要素もある。
ゲーム内では国鉄線だけでなく、私鉄や札幌市営地下鉄、札幌・函館市電、駅間や鉄道のない町村を結ぶバス、フェリー(青函連絡船や道内~青森県内航路、離島航路)、航空路線(道内発着や本州北部行き)、タクシー(ある程度の規模の駅にしかいない)、徒歩も選択可能。
ヒグマ襲撃などはないので、深夜に明かり一つ無い山の中を徒歩で移動しても健康度が下がる程度で済む。
ただし徒歩距離には上限があり、使い切ってしまうと時間経過で回復するまでは2キロを超える徒歩コマンドを選択できなくなる。(徒歩距離の下限は2km)
また主人公の足を酷使し続けていると徒歩距離の上限も低下してしまう。
なお、北海道内の市町村を訪問するのが目的ではあるが、秋田県・岩手県・青森県の一部鉄道路線や空港・フェリー航路も収録されておりその区間も乗車することができる。
(訪問は対象外だがスタンプや入場券は収集対象、駅弁の発売もある。)
・チャレンジ4000kmについて
北海道内の42路線(支線含む)の正式な起終点駅で写真撮影を行うことで「路線踏破」となり、10路線ごとと全路線達成で賞金がもらえる。
この「正式な起終点」というのが厄介で、例えば旭川駅は函館本線・宗谷本線・富良野線の起終点だが、石北本線は一つ隣の「新旭川」が正式な起点なので、新旭川と網走で撮影しないといけない。
千歳線の白石~沼ノ端のように、優等列車が止まらない駅だとかなり厄介かもしれない。
なお、路線ごとに撮る必要はないため、撮影日と別日に対象路線に乗車しても問題はない。
ごく普通のきっぷ。ゲーム内では事後精算となっており、乗車距離に応じた有効期限の経過後に自動で精算される。駅で任意のタイミングで精算することも可能。
また各種特例も対応しており、例えば札幌~函館間を室蘭本線経由で乗車しても距離の短い函館本線回りで計算されたり、普通列車の走っていない石勝線の新夕張~新得間は特急・急行料金がかからない。(前後の駅から通しで乗ると当然掛かるが)
こちらも普通乗車券同様、距離に応じた事後精算となっている。こちらは列車を降りたときに自動で精算される。
基本的にゲーム中では急行や特急に乗車した場合は自由席に乗車する。
ただし、自由席の無い列車(奥羽本線と東北本線にのみ設定)に乗車した場合は指定席、寝台かグリーン車しか無い列車(例:青森~盛岡の特急「はくつる4号」)はグリーン車、全車寝台車の特急(例:青森~秋田の寝台特急「あけぼの」)の場合はB寝台に乗車する。
優先度としては自由席>指定席>グリーン席>B寝台の順で乗車する。
もちろん、きちんと各列車の内装も再現されている。特にB寝台は必見。(秋田や盛岡で強制的に降ろされるが…)
・青春18きっぷ
窓口のある駅であればどこでも購入できる。
普通列車・青函連絡船のみ利用可能(急行や特急に乗る場合は普通乗車券と急行/特急券を別途購入)という制約がある。
現在の1枚で5日分使用可能なスタイルではなく、1日券4枚と2日券1枚で計6日間使用可能というきっぷである。
車内で翌日分の日付印を押してもらうことができないため、夜行列車に乗る時は駅コマンドで「翌日分を自動で使用」を選択しておかないと普通乗車券に切り替わってしまうので注意が必要。
また国鉄バスは対象外。
一部の路線では普通列車が途中から急行列車に変わるものもあるため、乗り換えには要注意。
・道南回遊券
長万部以南の路線で普通列車と急行列車が乗り放題になる。特急列車は特急券のみ購入で乗車可能。
また発売駅~長万部まで急行列車に乗車可能。10日間有効。
・道東回遊券
美幌・釧路以東の路線で普通列車と急行列車が乗り放題になる。特急列車は特急券のみ購入で乗車可能。
発売駅~美幌・釧路間で急行列車に乗車可能。どちらから戻っても良い。10日間有効。
このゲーム最強のきっぷで、初心者はまずこのきっぷを購入して旅を始めよう。
北海道内の全線、全列車が乗り放題なので、急行だろうと特急だろうと追加料金はかからない。
また国鉄バスも道内全線で乗り放題となっている。
※民営バスや市営バスは当然だが別料金がかかるので注意
ただし、北海道では発売していないため、青森・弘前・秋田・八戸・盛岡のいずれかの駅に出向かないと購入できない。
今作では青森駅スタートなので、ゲーム開始してすぐに購入するのが良いだろう。
発売駅~青森駅までの急行列車、青函連絡船に乗車船可能。青森・弘前発は14日間有効、それ以外は20日間有効。
ゲーム内のイラストは、前作『新・北海道4000km』から引き続き、同人誌『カンレチ』や『てーきけん!』などを出している「サークルアンバリヅカ」の「しーさいど」氏が担当している。
ゲーム内の音楽は、サークル「天北部屋」のこれまでのゲーム作品「札幌駅シリーズ」(『札幌駅1980』『札幌駅2019』『札幌駅2012+ データ生成ツールI』『札幌駅2020+データ生成ツールII』)や『新・北海道4000km』でも音楽を担当していた「天沼孝行」氏が引き続いて担当している。
: 手数料・税込みで2,860円(2025年7月現在)。無料でお試しプレイできるが、最初の所持金が制限され、さらに国鉄以外の路線が運行されていないので完全踏破することはできない。制作者のてんぽく氏はまず試遊して動作に問題ないことを確認することを勧めている。
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最終更新:2025/12/16(火) 15:00
最終更新:2025/12/16(火) 14:00
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