干将・莫耶とは (カンショウバクヤとは) [単語記事]

干将・莫耶とは、古代中国の春秋戦国時代の夫婦の刀鍛冶　干将・莫耶のこと。あるいは彼らが製作した双剣。

現代日本においても様々な創作作品に登場する比較的よく知られた名剣である。

莫耶のほうは表記に莫耶・莫邪などのゆれが存在している。

概要

国同士が覇を争っていた戦国時代、呉国の王が干将に名剣を作るように命じ、干将は名剣を作るために最高の材料を集めた。しかし、材料の鉄を溶かす炉の温度が足りず、鉄が溶けない。そこで妻の莫耶の髪と爪を炉に入れてみると炉は激しく燃焼して鉄を溶かし、干将は無事に名剣を作り上げることに成功した。

以上が干将・莫耶の大まかな作成秘話だが、この話を伝えている中国の書物は複数あり、それぞれでかなり詳細が代わってきている。ここでは代表的と思われる話を持ってきたが他にも伝はあるので気になったら詳しく調べて見るとよいかもしれない。

なお、「晋書」では晋の宰相張華と、雷煥という人物が予章で発掘したという記述がある。（ただし紛失する）

『干将･莫耶』名義の陰陽剣として登場。作中に登場する英霊の一人アーチャー(Fate/stay night)が好んで使う双剣。

持ち主のステータスをアップする効果を持つほか、双剣が離れている場合でも互いを引き合うという性質を持っている。アーチャーの戦法のひとつとして複数の干将・莫耶を同時に投影し敵を囲むように配置することで前後左右から同時に敵に襲い掛るといった技が存在している。

ルートによっては主人公衛宮士郎も使用するようになる。

『莫邪の宝剣』名義で登場。なんでも切り裂くライトセーバー・ビームサーベル状の武器となっている。

登場人物の一人黄天化、およびその仙術の師匠である清虚道徳真君が使用。複数本存在しており、二刀流として使用されたり、莫邪の宝剣 Ⅱなる柄の両側から光の刃が伸びるタイプのものも存在している。

戦国時代より前の商周易姓革命の時代に莫耶があることは気にしてはいけない。

あらゆる化け物を殺す『獣の槍』を作り出すエピソードにて干将・莫耶の名前と説話が登場。刀鍛冶の一家を巻き込んだ悲劇が描かれる。

刀鍛冶の修行の旅から戻った息子に干将・莫耶のエピソードを聞いた刀鍛冶の夫婦は同様の方法で霊剣を作り、作中の最強の妖怪『白面の者』に戦いを挑む。しかし、霊剣は『白面の者』に一撃で叩き折られ、夫婦は戦死する。

刀鍛冶の息子は更なる外法の「人の身を炉に捧げる」方法を口にし、その方法を聞いた彼の妹は自ら炉の中に身を投じてしまう。息子は妹が身を投じた炉から得られた鉄を使って剣を作り始め、その過程で自らも全てを奪った『白面』への憎しみのためその身を変じさせていく。

剣が完成したとき、息子は剣と一体化して長い柄となっており、その武器の形状は剣ではなく槍となっていた。これが作中の最重要アイテムであり、主人公うしおが使用する『獣の槍』である。

楚の若手千人将、項翼の愛刀として「莫邪刀」名義で登場。中国史五大宝剣の一つとして数えられている。

刀匠干将・莫邪の強い念が込められ、斬れぬものはなく斬られた傷は一生ふさがらぬと伝えられているが、作中ではあくまでも他の刀より切れ味が良い程度の刀と描写されている。