ライトセーバー(light saber)とは、映画『スターウォーズ』に登場する武器である。
「ライトサーベル」ともいう。
ジェダイやシスなどフォース使用者必携。ぶおーん。
概要
『スターウォーズ』シリーズ全作に登場する光線剣で、シリーズを代表するギミックのひとつ。
高温のプラズマを抑制フィールドに封じ込めることで刃を形成し、"銀河に存在する物質のほぼ全て"を容易に切断する。 [1]
同じくエネルギー放射由来のもの(粒子ビーム、偏光シールドなど)は斬ることは出来ないものの、逆にブラスター(光線銃)が発射した粒子ビーム弾を球技のように打ち返して防御すると言う手段にも利用され、他のあらゆる武器を凌駕する威力(切れ味)と存在感を持っている。
一方、その切れ味に反して、エネルギー体であるためにほとんど重みがなく、他の刃物類と同じようにはとても扱えない代物である。フォースの加護や先読み能力を持たない一般人が使いこなすことはまず不可能とされ、事実上ジェダイ・シス専用武器となっている。
ただし、あくまで白兵武器として「使いこなす」事が出来ないだけで、一般人でも道具として単純に「使う」ことは出来る。 『エピソード5』では、ハン・ソロがトーントーン(氷の惑星ホスに生息する生物)の腹を割くために使用するシーンが有る。
また、グリーヴァス将軍など、フォースの加護なしに高度に使いこなす戦士も一部に存在する。
ジェダイ騎士などは、フォースの力とジェダイの思想を体現したこの武器を神聖視している面もある。
組織からの支給品では無く、使い手自身がライトセーバー作りに必要な部品を集め、組み立てて作り上げる。設計図は、フォースの導きによって頭の中に浮かぶらしい(一部、ダース・モールのダブルブレードなど、設計図が具体的に遺されていたものもある)。材料について詳細な設定は語られていないが、特別な材料は必要ではなく、原始的な環境でも作り出す事が出来ると言われている。
ライトセーバーを自らの手で作り上げることは、一人前のジェダイの騎士になるための1つのステップである。よって必然的にその出来には持ち主の技量が反映され、実力者はライトセーバーの完成度を見て相手の技量を測ることもある。
世界中で人気があり、ジェダイ・シスごっこのための軽量・安価なものから、細部まで緻密に再現したハイエンドモデルまで多種多様におもちゃ化されている。
最近では、撮影した映像に、映画さながらにライトセーバーの刃を合成するためのフリーソフトなども発展してきており、これを用いた剣劇の動画も多い。
ライトセーバーの色
色は組み立ての時に組み込むアデガンクリスタルの色によって決まる。色によって出力などに差があるなどの設定はないが、クリスタルを複数使用しているものでは、長さを自在に変えられる。
ジェダイ騎士のものが青か緑なのは天然クリスタルを使用しているため、シスの光刃が赤いのは人工クリスタルを使用しているためである。
- 青
- もっとも使用者が多い色。ルーク、アナキン、オビ=ワンなど、殆どの主要登場人物は、この色のセーバーを使用したことがある。未熟なパダ・ワンに多い色と勘違いされることもあるが、オビ=ワンは生涯にわたってこの色のセーバーであるなど、色によって持ち主の成熟度に差が出ているわけではないようだ。
- 緑
- ジェダイ・マスターに使用者が多い色。ヨーダ、クワイ=ガン、後期のルークなどが使用する。旧作公開時、ルークが緑色のものを新たに作った際にベイダーがその完成度に一定の評価を与えるなど、緑色のセーバーはルークがジェダイ騎士として成熟したことを示すものであったため、青色よりも緑色の方が完成度が高いと思われたことがあった。
- 赤
- シスが扱う色。見るからに攻撃的な色で、劇中に登場する全てのシス(暗黒面に落ちた直後のアナキンを除く)が使用している。スターウォーズシリーズの中で、悪役をそのまま表すかのような存在感を持つ色だが、ベイダーをはじめとする敵キャラの魅力ゆえか、この色のライトセーバーも人気が高い。
- 紫
- ジェダイのメイス・ウィンドゥが使用する色。友人から譲り受けたクリスタルを使用したところ、このような色になっているという。[2]
- 黄
- クローン・ウォーズで初登場したジェダイ・テンプル・ガード達が使用した色。ダブル=ブレード・ライトセーバー・パイクという通常のライトセーバーより大型の物を使用している。
- 白
- テラ・シヌーベ、アソーカが使用している色。テラ・シヌーベは杖の中にライトセーバーを仕込んでいた。
- ダークセーバー
- クローンウォーズに登場した、旧式ライトセーバー。黒い刃にフォースを纏わせた武器で、正確にはライトセーバーが登場する以前に使用されていた金属製の刀剣。振るときの音や刃同士がぶつかった音も、ライトセーバーとは違う。劇中では少なくともジェダイ聖堂にかつて保存されていたが、ヴィズラ提督の祖先によって盗まれていた。クローンウォーズにおいて、ヴィズラ提督がこれを振るってオビ=ワンと対決する。後にダース・モールがヴィズラを殺害して奪い取り、パルパティーンとの戦いで使用するも敗北。その後、ダース・モールの故郷ダソミアに保管してあったが、「反乱者たち」でダース・モールがナイトシスターの古代の儀式を行った件で、主人公一行の一人であるヴィズラ家に属するマンダロリアン、サビーヌ・レンの手に渡ることになった。
正史作品に登場した物は以上である。
ライトセーバーの型(フォーム)
ライトセーバーの扱いには、体系化された型(フォーム)が存在する。
フォームごとに得手不得手があるため、複数のフォームを修得し、状況に応じて使い分ける者もいる。
- フォーム1:シャイ=チョー 別名サルラックの戦法・決意の型 (主な使用者:キット・フィストー)
- すべてのジェダイが最初に習う型。その歴史は2万5千年に及ぶ。古代のジェダイが金属の剣術から創造したもので、一般的な剣術と多くの部分で共通した要素がある。基本を押さえたシンプルなフォームで、無駄がなく、攻撃、防御、受け流し、攻撃のボディ・ゾーン、動作の練習法など必要な技術のすべてが含まれている。
- ジェダイ・パダワンは数年かけてこのフォームを訓練し、そこから自分に合ったフォームを習得していく。
- 極めれば最も無駄のない型であるため、熟練したマスターでも愛用者は多い。
- フォーム2:マカーシ 別名イサラミリの戦法・競争の型(主な使用者:ドゥークー伯爵、シスの暗黒卿)
- マカシとも。対ライトセーバー戦に特化した剣戟戦用フォーム。ジェダイの中から、ダークサイドへの転向者が表れ、ライトセーバー・デュエルが増えると同時に、シャイ=チョーだけでは決闘に対応しきれなくなり、必要に応じて生み出されたフォーム。
- 剣術に重点を置いており、精巧なフェイントや軽快なフットワーク、手首のスナップを駆使した鋭い斬撃を繰り出す。滑らかで、踊るような剣さばきに対して、使用者の負担も最小限になるように改良されている。
- ライトセーバー・デュエルは基本的にジェダイとシスのいずれかの間に起こるが新三部作ではすでにシスは滅びたと考えられており、ジェダイは実戦で使用する機会を失い、稽古にしか使用されない無用な型とされていた。逆にシスは対ジェダイ戦を想定し、全員がこのフォームを習得し、鍛錬していた。
- 対ライトセーバー戦に開発されただけあってほぼすべてのフォームに対して有利に戦える。しかし後述のドジェム=ソ、ジュヨーに対しては非常に攻撃的かつ予測しづらい斬撃を繰り出すために、パワーで弾かれることもある。
- またブラスターが一般化する前の時代に開発された型であるため、対ブラスター戦を想定しておらず、ブラスター相手には分が悪いのが欠点である。
- フォーム3:ソーレス 別名マイノックの戦法・反撃の型(主な使用者:オビ=ワン・ケノービ)
- ソレスとも。銀河系の武器の主流がブラスターに移るとともに産みだされたフォーム。シャイ=チョーの防御法・レーザー偏光の型から発展した防御に特化した手堅い型。弓を引くような構えで常に半歩引き、攻撃を受け流すのを起点とする。
- 包囲された状態、対集団戦で真価を発揮する。熟練者ならばブラスターの集中砲火を受けても対抗できる。
- 理論上、このフォームを極めた者を傷つけるのは不可能ともされる。
- ライトセーバー・デュエルでは防御を攻撃に転じ、巻技やカウンターで相手を無力化する。
- 一方でそれ以外の攻め手・決め手がほぼないという弱点があり、あまりにも防御に徹しすぎているこの型を好まない者もいた。
- 「最大限の防御で耐え忍び、最小限の攻撃で制する」、という性質からこのフォームはジェダイの哲学を体現する型と考えるジェダイも多い。
- フォーム4:アタール 別名ホークバットの戦法・侵略の型(主な使用者:ヨーダ、ダース・シディアス)
- アタロとも。フォーム3ソレスの弱点に対する答えとして生み出された、速力と機動性に重点を置いた積極的な戦闘フォーム。フォースの身体強化・精巧な体術を駆使し幅広い攻撃を行う。
- 変則的かつ迅速な動きで、空中、地面、側面、背後といった全方位からの剣撃を放つ。その性質上飛び回れる広い空間で真価を発揮する。
- 弱点としては威嚇や牽制のために背を向けるなど、隙ができるためにフォースによる高機動力を発揮できなければ逆に危うく、すべてを見抜かれるほどの強敵が相手ではかえって危険である。
- また狭く細い空間では持ち味を生かせず、体力の消耗も激しく、長期戦にもむいていない。クワイ=ガンはこの弱点を突かれて敗北した。
- ヨーダはすべてのフォームを使えるが体格のせいでこのフォームしか戦闘に生かせず、その弱点を補うためにアタロを使用している。
- 起点として八双の構えをとることが多い。
- フォーム5:シエン 別名クレイトドラゴンの戦法・忍耐の型(主な使用者:アナキン・スカイウォーカー)
- フォーム3ソレスの弱点に対する答えとして生み出された、攻撃力と制圧力を重視したフォーム。相手の防御の型を破壊するほどの力強い攻撃やブラスターをただ弾くのではなく相手に跳ね返すといったあらゆる動作が攻撃につながっており、他のフォームに比べて振り抜きや残身が大きく一撃に重点を置き、力の集約した戦闘型である。その性質上、戦いの先鋒を担うことに向いている。
- 弱点としては軸となる足元を力で支え、攻撃に集中するために足元が疎かになりやすく、機動力に乏しい。また足場が不安定な場所では威力を十二分に発揮することができない。
- ドジェム・ソとはシエンの派生型であり、若いころのアナキンが使用していた。関節の可動域を駆使し、ライトセーバーを鞭のようにしならせ、キネティックパワーを高めた苛烈で予測しづらい攻撃を繰り出す。また手首のスナップや、搦め手といったマカシの要素も併せ持つため、シエンよりもライトセーバー・コンバットが有利となる。しかしシエン以上に機動力が落ちてしまう。そのためアナキンはアタロを使い、敵の懐や背後に飛び込む奇襲を使っていた。
- 後にアナキンことヴェイダーは肉体が機械化し、関節の可動域に制約が課されドジェム・ソが使えなくなってしまう。そこでヴェイダーは重い一の太刀に重点を置いたシエンにフォームを変更した。またソレスとは長所を潰しあうためにお互いに決め手を欠き、長期戦になりやすい。エピソード3でオビ=ワンとアナキンの闘いが長引いた原因の一つでもある。
- その攻撃的な面からジュヨーの次に使い手をダークサイドにいざないやすいのが欠点。
- フォーム6:ニマーン 別名ランコアの戦法・節制の型(主な使用者:ジェダイ他多数)
- ネイマンとも。1~5のフォームを組み合わせ発展させたハイブリットなフォーム。
- フォーム4・5は非常に効果的な戦法ではあったが、攻撃的すぎる面があり、ジェダイマスターたちは全体的にバランスのよく総合力のとれた、ジェダイのフォームを創ろうと試みた。
- このフォームはライトセーバーの力に重点を置かず、巧みな剣さばきを適所で流れるように発揮する。フォースの念動力を取り入れた拳法、二刀流ジャーカイを組み込み、さらに集団戦、連携戦、サポート戦にも適した幅広く応用の効いた三面六臂の戦法に進化していった。
- またこのフォームは修行や戦闘において、肉体やフォースへの負担が最も少なく、長期戦にも対応できる。
- あらゆるフォームの長所を持つ、完成された強力な型であり、弱点とよべるものがなく、あらゆる状況、相手に臨機応変に対処できる。
- まさにライトセーバーの一つの極致といっていい、万能なフォームである。
- しかしこのフォームの訓練は実質的に1~5のすべてのフォームを学び、極めるのに等しいため、才能あるものでも完璧に習得するには最低10年という長い時間が掛かる。
- 平和な共和国時代のジェダイは外交官としての仕事に重きを置いており、フォースや剣術の修行に割く時間もなければ、その必要もないと考えられていた。
- そのため極めるのが非常に難しいこのフォームを「負担が少ない」という理由で選択し、基礎段階までならば容易な習得難度も相俟って、「器用貧乏」なフォームとしてしか使いこなせないにわか仕込みなジェダイを多く生み出してしまった。
- クローン大戦の火蓋を切ったジオノーシスの戦いでは使い手のジェダイのほとんどが死亡している。
- 上述のように一応の型として習得するのは比較的容易だが、学ぶことの多さから極めるのは非常に困難である。
- ジャーカイ/ジャルカイとはニマーンの一部であり、二刀流やダブルブレード・ライトセイバーを操る技術である。二刀流の時は片方を攻撃、もう一方を防御に使用するのが基本だが、二刀で激しい攻撃を繰り出す事もある。
- フォーム7:ジュヨー 別名ヴォーンスカーの戦法・猛威の型(主な使用者:ダース・モール)
- 全てのフォームを極めた達人にのみ制御しうる究極のフォーム。
- すべてのフォームに言えることだが、ライトセーバー・デュエルは、剣の強さも重大な要素だが、勝利へのカギはどれだけフォースの流れを掴み、場を支配するかである。
- ジュヨーは技や型は訓練によって身につけることができるが、このフォームの真価はあえて自分のフォースに興奮や情熱、憤怒を混ぜ合わせることで、敵のフォースの予測を外し、場の流れを混乱させることにある。
- この感情の0-MAX-0を使いこなすことで、静と動を併せ持つ、予測困難な変幻の太刀を生み出すのである。ジュヨーの荒々しい太刀筋は時に絶対的といえるほどに確実に一撃を決める。
- 起点としては両手を広げた一見して隙だらけの構えが特徴であり、攻撃開始時には、体を縦によじり、上段から構える。
- 欠点としては怒りや興奮といった本来ジェダイには忌避すべき感情にあえて近づくという性質上、使用者をダークサイドに誘いやすい。
- 事実このフォームが開発され、シス大戦で使われた際、多くのジェダイがダークサイドに堕ち、シスに寝返ったという。
- そのためこのジュヨーは他のフォームと違い、技量が高く、精神的にも強いと判断されたマスタークラスのジェダイにしか習得が許されていない。
- また暗黒面に近づいた際のアナキンもこれと似た動きをしていたらしい。
- ヴァ―パッドとはジェダイ随一の剣士メイス・ウィンドゥがジュヨーから開発した派生技。厳密には独立したフォームではなく、あくまでジュヨーの一部の技である。
- ジュヨーによる高度な戦技に裏打ちされた、高速の連続攻撃を行う。
- ジュヨーよりもさらに攻撃的になっており、迅速な側面攻撃で相手の不意を突く。一見してシエンよりも激しく動的だが、アタロのような洗練された連続性は見られず、不規則な攻撃を連発する。
- 基本的に下段、もしくは中段に構える。また防御姿勢をほとんど取らない。これは死の恐怖や戦慄からもたらされる高揚感を生み出しジュヨー以上に暗黒面に接し、力を発揮するためである。
- ほとんどグレーゾーンに近く、制御には強靭な精神力と信念が必要。
- 激しい猛攻を繰り出すために消耗が激しく多数を相手にする戦闘では不利であり、一騎打ちの短期決戦向きである。
- ウインドゥも状況に応じてジュヨーとヴァ―パッドを使い分けている。
ゲーム
『ソウルキャリバーIV』には、ゲストキャラとしてダース・ベイダー(PS3版)とヨーダ(Xbox360版)が登場。
当然、彼らが使用する武器はライトセーバーである。
スターウォーズのキャラは登場しないが、『Sa・Ga2 秘宝伝説』に同名の武器(すばやさ系)が登場する。
DS版ではライトサーベルに名称が変更されている。
もっとも、同じものを英語ではセーバー、オランダ語ではサーベルと呼ぶ違いしかないのだが。
原点
ライトセーバーの元ネタと言われている作品。
- 1933年 「アンタレスの星の元に」 作:エドモンド・ハミルトン
- この作品がスター・ウォーズの元ネタではないかと言われているほど類似点があり、ライトセーバーやデス・スターのような物が出てくる。
- 1943年 「闇よ、集え!」 作:フリッツ・ライバー
- 怒りの杖と呼ばれているエネルギー刀身の物が登場。壁などの固形物を焦がしながら斬るのが特徴。
- 1952年 「ラッキースターシリーズ」 作:アイザック・アシモフ
- あらゆる物を切断することが出来るフォースブレードという物が登場。短い柄からフォースフィールドを投影する。
- 1970年 「リングワールド」 作:ラリー・ニーヴン
- レーザーブレードという名で登場。懐中電灯のような柄から刀身が出ており、長さの調節が出来る。
- 1971年 「パステル都市」 作:M・ジョン・ハリスン
- 帝国を守る騎士達が忠誠を誓う時に使っているエネルギー刀身の剣。
類似品
ビームサーベル ガンダムシリーズに登場する光線剣。
ビームソード 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのアイテムの一つ。
スパッド ファイブスター物語に登場する光線剣。killとstunに切り替えられる。
フェンシング
なんと、2018年にフランスのフェンシング協会はサーブル、エペ、フルーレに続く第四の種目としてライトセーバーを採用した。公式が病気。ポリカーボネートの刃にLEDを入れたものでこれまでの3種とは違う独自のルールも制定している。
動画
脚注
- *マグナガードが装備している特殊レアメタルで作られたエレクトロスタッフ、エピソード1の特殊なエネルギーシールドなど一部例外あり。これらはライトセーバーでも切断できなかった。
- *本当のところは、メイスを演じたサミュエル・L・ジャクソンが、今までのどれとも違う色のライトセーバーを使いたいとジョージ・ルーカスに希望したため。「友人から譲り受けた」と言う設定自体、この直談判をパロッたものであるとか。