広田さくらとは (ヒロタサクラとは) [単語記事]

概要

かつて、「中学生日記」の準主演クラスの生徒役として出演していた少女は高校を二度辞めたことで友人とは疎遠になっていった。だが、たまたま観戦した女子プロレスに衝撃を受け、いつかダイナマイト関西がキューティー鈴木にかけた「スプラッシュマウンテン」を受けてみたいという思いで女子プロレスラーを志すことに。

1995年にGAEA JAPANへ入団。1996年 8月12日に行われたディスカバー・ニューヒロイン・タッグトーナメント」にて、アジャ・コング&田村欣子戦でデビュー（パートナーは長与千種）。なにげに女子プロレスラー初の武道館興行でのデビューとなった。しかし、正統派路線やアイドル路線では思うように試合ができず苦しんでしまう。そんな時、長与千種から「お前はとにかく、人を驚かす事だけを考えろ」とのアドバイスを受けた。これが現在の路線へとつながることになる。

98年後半からは現在のコミカル路線に大幅転換。苦しんだ時代に培った基礎能力をいい意味で間違った使い方をして笑いを取るそのスタイルで「バラエティープロレスラー」として注目される様になる。股間打ちやコスプレパロディ、ダンボールで作った自作のチャンピオンベルトを巻いて登場するなど、色んな意味でリング上で暴れては笑いをかっさらっていった。仕舞には師匠である長与千種と「チームエキセントリック」を結成し、ふざけ倒しつつもしっかりと見せるプロレスを展開していった。しかし、2005年 4月10日に行われた後楽園ホール興行でプロレスラーを卒業。女優・タレントとして活動を介し。そして、2009年から紙芝居師としてのキャリアもスタートさせる一方、密かにプロレスの練習を再開していた…

2009年 4月29日、極悪同盟の興行で行われたサソリ引退試合の相手に指名され限定復帰。同年12月16日ユニオンプロレス新木場1stRINGで完全復帰を果たす。2012年 7月16日、WAVE 後楽園大会にて結婚を発表し、併せてリングネームを「旧姓・広田さくら」に改名。以降はプロレスリング WAVEを主戦場とすることに。2013年 4月29日には新宿FACEにて「結婚披露宴興行」を開催。マイホーム資金調達のため、「Catch the WAVE 2014」にも参戦。ここではいつもの芸風を封印し、ガチバトルを展開。優勝こそ逃したが技能賞・敢闘賞・ベストバウト賞のトリプル受賞を果たした。

2016年 10月10日、WAVE 後楽園ホール大会で妊娠したことを発表。2017年 3月22日には双子を出産した。同年8月12日大田区総合体育館大会で産休からの復帰を果たす。2019年にはプロレスリング WAVEに本格所属することに。そして、子育てをしながらプロレスを行うママレスラーとなった彼女はある意味過酷な試合を用意してきた。DDTプロレスの『戦うビアガーデン ALL OUT DAY』のアントーニオ本多戦ではなんと、「控室に見知らぬ選手が多く機嫌が悪くなる」という理由で子供をリングに入れて行う「子守りマッチ」を行う。これにはアントーニオも子供に配慮した試合をせざるを得なかった。

2024年 4月3日、黒潮 TOKYO ジャパンに勝利した試合の後、リング上で自主興行開催の発表とともに離婚した事実を公表（離婚自体は2023年後半に成立）。2024年 4月14日、リングネームを「シン・広田さくら」に改名。W.W.W.D世界エリザベス王座に再び戴冠したため、シン・広田エリザベスさくらになった。なお、ヒールレスラー時には広田悪良と名乗っている。

プロレスのスタイル

前述のとおり、デビュー当初は正統派路線、もしくはアイドル路線だったが思うようにできずに苦しんでいた。だが、長与のアドバイスにより現在のバラエティプロレス路線に転換。基本的には何かしらのコスプレ姿かarena ロゴが入ったピンクのワンピース水着で登場。マイクの有り無しかかわらずネタ満載のトークで煽ってはボコられたり、相手の股間をしばいたりしている。最も本人もアトミック・ドロップの体制で抱えられてロープに打ち据えられるというネタをやっているが。

だが、苦しんでいた時代に培ったプロレスの基礎をしっかりと身につけているのでどのようなネタでも十分に安全な受け身を行うことができ、ガチ試合もしっかりとこなせる技量が或るからこそ弱いムーブでも成立するテクニックがある。そのため、アジャ・コングをして「言いたくないけどアイツは天才」と言わしめるほどのセルフプロデュース能力を併せ持っている。反面、引き出しが少ないレスラーやネタ試合が苦手なレスラーにとっては色んな意味でやりにくい相手なので、彼女と対峙する際にはプロレスの技術と身体作り、バラエティへの適用能力すべてを鍛えないといけない。

得意技

入団当初から長与千種に直接指導を受けただけあって、コミカル路線で立ち回れるだけの技量に裏打ちされた技を多く持っている（ネタ技含む）。さらには先輩レスラー直伝の技もあるので、シリアス試合だと多くの選択肢を突きつけられるので、かなり苦戦を強いられることになるだろう。

へなーラサンセット: 相手をいわゆるイヤミの「シェー！」の形に体を折り曲げてから後方に反り投げそのままブリッジで相手をフォールする技。尾崎魔弓のテキーラ・サンライズをやろうとしたら手首の取り方を間違えたまま強引に投げきったのがきっかけで誕生。
ラ・へなストラル: 変形ラ・マヒストラル
へなストレッチ: 変形羽根折り脇固め。へなストラルをキックアウトした相手に即座に仕掛けるパターンも用意している。
へな拳: 広田版裏拳。こちらも表拳や寸止めなどのバリエーションを用意している。
へなハリケーン: 相手に背を向けた状態でコーナーポストに飛び乗り半身をひるがえして放つダイビング式のへな拳。
恵比寿: リバース・パロ・スペシャルの類似技。手首ではなく、相手の肘関節辺りを抱えて極めるのが特徴。
沖縄固め: 恵比寿から移行するパターンも存在する変形エビ固め。
高田純次: 高田純次が「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」で見せた喜びの舞の挙動を模倣してその場で回転しておいてから放つヘッド・ドロップ。リング中央に寝かせた相手を「ふぅ?」の掛け声と共にピープルズ・エルボーのようにロープワーク中に繰り返し跨いでから放つパターンもあるが、自らが失敗したのちに対戦相手に同様のムーブを強要するお約束もある。
ときめきメモリアル: いわゆるキス固め。タッグパートナーやレフェリーへの誤爆も多いが、やられた相手としてはやや複雑かもしれない。なお、コロナ禍の頃は流石に封印していた。
ボ・ラギノール: いわゆるカンチョー。アジャ・コングのレスラー37周年試合ではアジャ相手に38回かますという嫌なお祝い技として使用した。
股間打ち: 女子レスラーでは珍しいと言われる急所へのパンチ、ヘッド・ドロップ等。自身がアトミック・ドロップの体制で抱えられてロープに打ち据えられる。
頭叩き: 相手の頭を叩く単純明解な攻撃。復帰後のメイン技。…技？
犬神家: トップロープを掴みコーナーポスト上で倒立するムーブ。さらにここから脚を大きく開閉させて相手をおびき寄せる。実は非常に難易度が高く、アシストなしで成立させるには相当なバランス感覚が必要な高等テクニック。近づいてきた相手を旋回式アストロ・シザースやエビ固めに捉える。
拝み渡り: 逆走やセカンドロープでリバウンドしトップロープ上に戻るムーブも見せる。大抵はいずれかの形で失敗し、自らの股間をトップロープに打ち据える結果となる。
シャイニング・ウィザード: こちらは一般的なプロレス技。片膝立ちの相手の脚を踏み台にして膝を打ち付ける。
足払い: ロープワークの最中にふいに足を出して転ばせる。片膝状態の相手にシャイニング式の技を放つと見せかけて飛びこえ、足を払うバリエーションも存在する。
ふらふらどーん: 略称 FFD。フラフラ状態のまま相手に身体を預け倒し脱力状態で全体重をかけてフォールする。回転エビ固め合戦から繰り出すローリングふらふらどーんというバリエーションも存在する。
幼稚園への送迎バス: コーナートップに座った相手をパワーボムの要領で担ぎ、そのまま反対側のコーナーまで運んで座らせる。無論相手にダメージはない。
ヒップ・アタック: 片膝や尻餅状態の相手に放つバリエーションもある。ダイビング式やリバウンド式でも使用。若手時代からの得意技の一つ。
ものまね: 対戦相手のムーブなどをデフォルメして再現するバラエティプロレスラーならではの技。中にはとんでもない場面のネタとして再現することも。
サクライト: メキシカン・ローリング・クラッチ（高角度前方回転エビ固め）の一種。肩車のかたちで相手の肩の上に乗ったあと、右に水平に一回転し、そのまま前転しフォールする。
夜叉ロック: 尻餅をついている相手の左腕をハンマーロックで固め、そのままの状態で相手の右肩をまたぐようにして相手の両足の間に自分の左足を置き、自身の右腕で相手の右腕を脇に抱え込んで絞り上げる複合関節技。これは紅夜叉本人に子連れで直談判した末に承諾を手伝授してもらった技。
夜叉スープレックス: こちらも紅夜叉本人に子連れで直談判した末に承諾を手伝授してもらった技。左手で向かい合った相手の左手首を掴んだ後、相手の懐に潜り込んで相手の右腿を抱え込んで後方に反り投げる技。