『旅する海とアトリエ』とは、森永ミキによる4コマ漫画作品である。
概要
まんがタイムきららMAXにて2018年11月号~2020年12月号まで連載。単行本は全2巻。
自分の名前のルーツを探るために旅に出た七瀬海が、旅先で偶然出会った安藤りえとともに、出会いと別れを繰り返しつつヨーロッパの各国を巡り歩くガールズトリップストーリー。
細かく描きこまれた各国の観光名所の背景や、行き当たりばったりとはいえ実際にありそうな旅の行程、ガイドは毎回現地の人頼りなど、旅におけるリアリティを追求した作品となっている。
また登場人物は皆どこか不完全な部分があり、旅や出会いを通じて成長していく様子も見どころの一つである。
海外旅行に行くのが難しいという人は、この作品を読むことで少しでも旅気分を味わってみてはいかがだろうか。
登場人物
- 七瀬海 (Umi Nanase)
- 主人公。22歳。
子供の頃太っていていじめられた経験から「海」という名前にコンプレックスを持っていたが、ある時亡くなった両親の形見である海の写真を偶然見つける。彼女の旅の目的はその写真が撮られた場所、すなわち自分の名前の由来となった海を探すことにある。
写真がポルトガルの本に挟まっていたことから、リスボンを最初の目的地として旅を始める。
黒髪ロングに着物を着た和装美女。ただし私服のTシャツからは独特のセンスが感じられる。
性格はかなりの天然で、旅先でも緊張感がない。その性格ゆえかどこへ連れられても正直な感想を言ってくれるので、旅に向いている性格なのかもしれない。
またかなりの食いしん坊で、その土地の名物は欠かさずチェックしている。成人済なのでお酒のアテとして食べるシーンも多い。
- 安藤りえ (Rie Ando)
- もう一人の主人公。17歳。
高校生でありながらプロの絵描きで、本を出したこともある。ただし自分の絵が売れるのと同時に自分の世界が汚されるようにも思うようになって、だんだん絵を描くのが辛くなり絵を描くのをやめる決意をする。
最後に海を描きたくてリスボンを訪れた際に、スリに遭った海を偶然助ける。最初はリスボンで別れるつもりだったが、マドリード行きの列車で同室したことからそのまま海の旅に同行することに。
髪型は金髪のツインテ―ル。ただしこの髪型のせいでアホの子と思われてしまうこともしばしば。
天然な海に比べるとしっかり者に見えるが、年相応の反応をすることも多い。特に芸術関係のことになるとテンションが爆上がりする。
- エマ (Emma Flores García)
- スペイン出身の写真家。
かつて日本に住んでいたことがあり日本語ペラペラで、日本語と同時に百合文化の尊さも学んだ。
海&りえに接近したのも2人を百合だと思ったためで、その動機の不純さから最初はりえに胡散臭い女だと思われていた。
ちなみに本業であるカメラのほうは現在スランプ気味だが、自分の才能を信じていつか復活できると思いスペイン中を放浪している。
- マリア (Maria Rossi)
- イタリア出身の服飾デザイナー。
性格はイタリア人らしからぬ陰キャで、海&りえとの初対面のときは緊張のあまり言葉遣いが変になっていた。
エマとは日本でルームシェアしていた仲。彼女のことは少々ウザいと感じながらも良い友達だと思っている。
普段はミラノで活動しているが、仕事での失敗がトラウマになり仕事を辞めてシチリアの実家に引きこもろうとしていた。
- 李淑芬 (Li Shufen)
- イタリアへの海路で同船した台湾人。普段は台北で映画の勉強をしている。
船から落ちそうになった海を救った、海にとっては命の恩人である。
海のことをりえの姉だと勘違いし、危険な行動をさせないようりえに注意した。
なお、彼女の台詞は全て中国語だったため、海&りえは意味を理解できなかった。
紙面上でも彼女の台詞には和訳が一切ついていないため、読者も2人と同じ気持ちを味わうことになる。
- アンナ (Anna Schneidér)
- オーストリア出身のバイオリン奏者。
母語であるドイツ語のほか、日本語、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語などを話せるマルチリンガル。
愛国心が強く、オーストリアについて何も知らない海&りえに対していてもたってもいられず自らガイドを買って出た。
普段は猫をかぶっているが、心を許した相手にはずけずけと物を言う二面性を持っている。
- ナタリア (Natalia Vlašić)
- クロアチア出身のピアニスト。
ボーイッシュな外見で顔が良く、初対面で海はパニックに陥った。
かつてはアンナとペアを組んで演奏していたが、訳あって離れ離れになっていた。
アンナと同様に愛国心が強く、クロアチアの名所を進んで紹介してくれる。
ちなみに日本語は1ミリも分からない。
作中で訪れた場所
ネタバレ要素を含むため折りたたんでいます
ポルトガル
スペイン
イタリア
オーストリア
クロアチア
関連静画
関連リンク
関連項目