笑傲江湖とは (ショウゴウコウコとは) [単語記事]

笑傲江湖(しょうごうこうこ)とは金庸(きんよう)が発表した武侠小説(中国式バトル物時代小説)である。

概要

香港を代表する小説家の一人・金庸による武侠小説である。
最大の魅力は様々な武芸者の繰り広げるバトルであるが、ヒロインたちの恋愛模様や主人公の冒険譚・逃避行、剣派の総帥たちの陰謀劇など様々な要素が詰められている。
「笑傲江湖」とは作中に出てくる楽曲であり、「江湖(武術界隈)のしがらみなんて笑い飛ばしてやろう」という意味が込められている。
日本語版は「秘曲笑傲江湖」というタイトルで徳間書店より発刊されてたが、残念ながら絶版となってしまったようだ。
映像作品としては1990年代に作成された映画「スウォーズマン」シリーズが有名であるほか、テレビドラマ化も何度か行われており、各種配信サービスにて視聴することが可能である。

導入部

鏢局(ひょうきょく。運送業者兼警備会社)の御曹司である林平之は青城派(作中に登場する流派の一つ)の襲撃により父母を連れ去られ、「辟邪剣譜(へきじゃけんぷ)」という家伝の剣術書を奪われてしまう。青城派への復讐を誓った林平之は仇を探すうちに華山派の岳不羣たちに出会い、その人品にひかれ入門する。いっぽうで華山派の一番弟子である令狐冲は他の面々と別行動をとるうちに厄介な人物を敵に回してしまい……。

主な登場人物

※途中で立場を変える人物もいるが、ネタバレを回避するため登場直後の動向についてのみ記載する。

林平之(りんへいし)
導入部の主人公。福建省にて活動する鏢局の御曹司であったが、すべてを奪われその復讐を誓う。良くも悪くも御曹司気質のところがあるが、まじめでひたむきな性格。
令狐冲(れいこちゅう)
導入部終了以降の主人公。孤児であったが岳不羣に拾われ弟子となっている。さっぱりとした性格だが考えなしに行動してしまうことが多く、その結果様々な騒動に巻き込まれる。
岳不羣(がくふぐん。ネット等では岳不羣と表記されることも)
華山派の総帥。剣術の腕もさるものながら気品や人物も高く評価されており、「君子剣」とも呼ばれている。
東方不敗(とうほうふはい)
華山派等の五派と対立している日月神教の教主である。その言動は武芸の達人とは到底思えぬような異様なものであるが……。同名の項目も参照。
任我行(じんがこう)
日月神教の先代教主であったが、東方不敗のクーデターにより地下牢に監禁されてしまった。残忍だが豪放でもある性格。
儀琳(ぎりん)
僧職系ヒロイン。恒山派の尼僧。悪漢に襲われそうになっていた(性的な意味で)ところを令狐冲に助けられる。生真面目な性格であるが、傍からはそれが滑稽に映ることもしばしば。
岳霊珊(がくれいさん)
幼馴染系ヒロイン。岳不羣の娘かつ弟子であり、華山派の門人から可愛がられている。同門である令狐冲とは互いに憎からず思っている。
任盈盈(じんえいえい)
ツンデレ系ヒロイン。任我行の娘であり、物騒なことを口にすることも多いが、聡明さや冷静さから日月神教の人物からは讃えられている。