靖国爆弾事件とは (ヤスクニバクダンジケンとは) [単語記事]

靖国爆弾事件は、平成27年 11月22日に靖国神社で発生した、韓国人による爆弾事件である。新嘗祭や七五三で賑わう境内南方の公衆便所に、鉄パイプ爆弾が設置された。鉄パイプ爆弾は全弾不発であったが、爆弾設置のために天井に30cm四方の穴を空けられたほか^[1]、併設の時限発火装置により爆発音とともに内壁が焼損した^[2] 。警視庁はテロ・ゲリラ事件として捜査を進めている^[3]。

時系列

平成27年 11月20日：韓国人チョン・チャンハン容疑者（전창한、全昶漢、27歳）入国^[4]
21日：チョン容疑者、靖国神社近隣に宿泊^[5]
22日
- 9時半便所侵入^[6]
- 10時頃爆発音・白煙
- 午後チョン容疑者出国^[7]
12月9日 10時頃：チョン容疑者が1.4kgもの火薬を持って再入国し、逮捕^[8]。韓国のネット上で大して話題にならなかったことに不満を持ち、今度は神社本殿に圧力鍋爆弾を仕掛けるつもりで再入国したという^[9] 。

爆発物の構造

境内南方の公衆便所の天井に30cm四方の穴を開け、そこに束ねた4本の鉄パイプ爆弾が設置されたものである。爆発音の後この爆弾が発見されたが、4本とも爆発していないことから^[10] 、爆発音は鉄パイプ爆弾とは別途に発生したものと考えられている。左翼系がよく使ったものに近い仕掛けで^[11] 、爆発音を聞いて近寄った人を、殺傷能力が極めて高い鉄パイプ爆弾で殺傷する仕組みであったと言われる。幸い鉄パイプ爆弾の起爆装置は小学生並みに稚拙であり不発だったが、爆弾自体は爆発していれば建屋の半分を崩落させるほどの破壊力があり、七五三などで子連れ・家族連れで賑わっていた境内で死者が出ていた可能性があると言われる^[12]。

韓国関係

韓国政府が日本政府を非難（メディア統制要求）: 本事件は物的証拠が数多く、発生当初より韓国人容疑者による犯行が強く疑われていた。容疑者が当日韓国に出国していたことから、当初は犯罪人引渡しが焦点となっていた。12月9日にチョン容疑者が再入国・逮捕されると、まもなく容疑者の顔写真が報道された。これに対して、韓国政府は容疑者の顔写真報道など身元を過度に報道しているとして日本政府を非難したが、菅官房長官は警察が顔写真を提供したことは全くなく、顔写真報道はマスコミが勝手にやったことであり、報道について政府は関知していないと述べた^[13] 。間接的に非難された日本のマスコミも、当事件の爆発物設置という重大性を鑑みて報道に踏み切ったものであり、何よりナッツリターン事件に見られるような晒し者報道をする韓国に非難される謂れはないとしながら、報道各社ではなく日本政府を非難したことをもって「メディア統制までも要求」したと韓国政府を揶揄している^[14]。
容疑者の家族（自作自演主張）: 息子と3ヶ月も会っていない母親によると^[15] 、本事件は日本の自作自演とのことである^[16] 。
事件名（爆発「音」偏向報道批判）: この事件は天井破壊・内壁焼損という明らかな物損が発生し、起爆に成功していれば七五三等で賑わう境内で死者が出かねない威力の爆弾設置事件で、容疑者が逮捕された刑事事件である。だが、地上波テレビ局をはじめとする大手マスコミは音が発生しただけという印象を持たせる「爆発音」事件との呼称にこだわっており、児戯程度との印象を振りまいているとして「やはり、どこかの国にたいする『配慮』なのか」と日本マスコミの矮小報道を非難する論もある^[17] 。
報復？: 12月12日朝、横浜の在日韓国領事館が不審物（排泄物が収められた箱）が構内に発見されたと通報し^[18] 、韓国の公共放送 KBSが「在特会による靖国爆破の報復である」と断定調で報じた^[19] 。箱は日本共産党のビラ^[20] に包まれ^[21] 、ガムテープで粗末に貼り付けられた掛け紙には手書きで「姦酷塵による靖国爆破への報復です在特会」と極めてバランスの悪い漢字・かなで記されていた。ワープロ使えばいいのに。掛け紙には熨斗を模したと思われるギフトリボンシールが貼られていた。韓国政府は日本の警備不足とし、強化を求めた。在特会（在日特権を許さない市民の会）は関与を否定している^[22] 。

テロか否か

この民間人を狙った爆弾事件については、警視庁がテロ・ゲリラ事件として捜査を進めているが^[23] 、これをテロではないとする報道もある。ここでは賛否両論を整理して紹介する。なお、平成28年 7月12日の初公判では、検察側はテロ行為として懲役5年を求刑し、弁護側はテロとは全く性質が違うと抗弁した^[24] 。

テロである

論者	引用
石平（アメーバニュース）^[25]	実に卑劣なテロ行為だ
匿名（日刊ゲンダイ） ^[26]	靖国神社で発生した２３日の爆破事件（中略）警視庁はテロを警戒してきたが、あっさり警備の隙を突かれた
匿名（夕刊フジ）^[27]	「反日テロ」を容認する看過しがたい国民性
井上和彦（チャンネル桜）^[28]	これね、テロです、爆弾テロ（中略）これを刑事事件としているよね日本は、これはとんでもない間違いですよ。

テロではない

論者	引用
野尻民夫（リテラ）^[29]	記事タイトル「ただの愉快犯の犯行の可能性大！真相を伏せて危機を煽る公安と右派の狙いとは」公安を担当するリテラ記者「政治テロとの見方を一笑に付す」
原武史明治学院大教授（朝日新聞） ^[30]	個人が起こした事件の動機を、『韓国人』という容疑者の属性に、安易に結びつけるべきではない