在日特権を許さない市民の会とは、日本の右派系市民団体である。略称は在特会。
在日韓国・朝鮮人(以下「在日」と表記)が各種の特権(在日特権)を不当に享受していると主張し、それらの撤廃を目的に掲げる団体。同時に反リベラル・反左翼団体としての性質も有しており、在日問題との関連性の有無を問わず、あらゆるリベラルないし左翼的な言論・政策・個人・団体に対する糾弾活動を手広く展開している。
公式には「在日と他の外国人が平等に扱われる社会」を目指すとしているが、創設者である桜井誠(本名:高田誠)[1]前会長を始めとする会員らは「在日の国外追放・殺戮(ジェノサイド)」など在日の劣後的取扱を主張することが多く、さらに在日や韓国人・朝鮮人そのものを蔑むような言動(ヘイトスピーチ)もたびたび見られることから、国内外の公的機関やマスコミからは排外主義団体、あるいは人種差別団体として扱われているのが実情である[2]。
右派系ネットユーザー(いわゆる「ネット右翼」)を主な支持基盤としており[3]、街宣やデモなどの街頭活動の様子をYouTubeやニコニコ動画で配信し、活動への参加や宣伝・カンパ等を募る手法で急速に勢力を拡大。2015年1月時点で公称約15,400人の会員を擁する国内最大級の右派系市民団体となっている。なお公安当局によると、2014年時点で街頭活動への動員能力は数十人から100人程度とされる[4]。
ネット右翼を主体とする政治グループという括りで見ても、SNSコミュニティのmy日本(公称参加者約78,000人)に次ぐ2番目の勢力を誇っている。創設者の桜井が既成右翼と縁のない純粋な第一世代ネット右翼の出身者であること、ネット右翼の増加に伴い勢力を伸ばしてきたこと、主張内容や関心を向けるテーマがネット右翼界の主流のそれと概ね一致していることなどから、ネット右翼を象徴する組織として扱われることも少なくない。
2006年12月の結成以来、8年間に渡って会長を務めていた桜井が2014年11月限りで会を去ったため、同年12月からは八木康洋が新会長として会の活動を指揮している。
1990年代に生じた自由主義史観の伸長と革新勢力の衰退、そして2002年の日韓W杯を機に直面した韓国の反日ナショナリズムの影響を受け、00年代前半から日本のネット上では韓国・朝鮮への強い嫌悪感を軸に、強固な右派的思想を抱えるネットユーザーが多数現れるようになった。いわゆるネット右翼の台頭である。
彼らはネット上の各所で嫌韓思想を喧伝していたが、その中の一人に「ENJOY Korea」(エンコリ)などの日韓翻訳掲示板を主戦場とする"Doronpa"というコテハンがいた。後の在特会会長・桜井誠その人である。 桜井は嫌韓コテハンとして活動する傍ら、エンコリなどでの投稿文をまとめたサイト「不思議の国の韓国」を開設してネットでの知名度を高めると、2005年1月には日本テレビの「ジェネジャン」に出演。この頃から日本文化チャンネル桜でも起用されるようになり、次第にひとかどの嫌韓活動家として知られる存在となっていった。 |
2005年、桜井は"みや東亞"こと宮本圭介や、ジェネジャン収録前の模擬討論で知り合った御影草志[5]らと共に「日韓歴史問題研究会」を結成。翌2006年2月には会名を「東亜細亜問題研究会」(東亜研)と改めた。 東亜研では嫌韓をテーマにしたシンポジウムを3回に渡って開催したほか、嫌韓・嫌中を論じた本の執筆や雑誌への寄稿、ネットラジオの配信など多角的な活動を展開した。他方でこの頃はまだ街宣やデモといった街頭活動には乗り出していなかった。 |
また東亜研には御影を始め米田隆司・花御堂久子など、後に在特会幹部として桜井を支えるメンバーが参加しており、在特会を結成するにあたって母体のような役割を果たすことになった[6]。
2006年、在日無年金問題[7]の報道に接した桜井は「保険料を払わない在日のたかり行為」と認識して激怒、在日糾弾に特化した組織の結成を決意する[8]。同年12月2日に開かれた準備会合において新団体の名称を「在日特権を許さない市民の会」とすることが決定され、桜井が会長に、御影が副会長にそれぞれ就任した。
既に嫌韓活動家として名を上げていた桜井による新団体の結成とあって発足前から高い注目を集め、翌2007年1月20日に行われた発足集会の時点で会員数は502人、当日の集会参加者は163人に上った。また発足集会の直後に現会長の八木康洋が入会している。
活動規模の拡大を図るべく同年中に関西・福岡・名古屋・北海道の4支部が開設されたが、初期の在特会は東亜研時代のカラーを引き継いだ勉強会中心の活動スタイルを採っており、活動頻度もまばらだった。同年11月頃から東京・小平市の福祉給付金[9]問題に取り組み始め、同月27日には会主催の初街宣、翌2008年3月2日には初のデモを開催したが、今日見られるような過激な言動は少なく、むしろ行政や保守系議員への働きかけを重視していた。
こうした比較的穏当な活動スタイルは2008年の後半頃から徐々に後退し、激しい言動を伴う街宣やデモなどの街頭抗議行動を多用する現在のスタイルに取って代わられた。桜井は彼が左派的とみなした福田康夫首相(当時、自民党)の着任が活動スタイルの変化を促したとしているが[10]、ジャーナリストの安田浩一は当時「行動する保守」界の中心人物として在特会と共闘を演じていた西村修平の影響が大きかったのではないかと指摘している[11]。
いずれにせよ変化の兆しを見せ始めた在特会に大きな転機をもたらしたのが、2009年4月11日のカルデロン一家追放デモである。これは不法滞在中のフィリピン人一家に対する支援活動や、日本生まれの娘に在留特別許可を与えたことに抗議するとして、娘の通う学校近辺で一家追放などを訴えるデモに及んだものだった。
このデモはネット右翼から圧倒的な支持を受け、在特会の急成長を促す原動力となった[12]。デモ後の1年間は在特会史上最も会員が増加した時期であり、毎月平均して約280人もの新規会員が入会していた。安田の取材に応じた活動家の中にもこのデモをきっかけに入会した者が多数いたという[13]。
他方で「行動する保守」界の盟主だった極右政党「維新政党・新風」の勝手連組織「新風連」は、デモ翌日に党が出した「民族差別を許さない」と題する声明[14]に失望、同年9月には活動を休止する(2012年12月に活動再開、2014年10月に解散)。これにより在特会は「行動する保守」界の新たな盟主として運動の主導権を握ることになった。
勢力の拡大を続ける在特会は2010年1月に支部を都道府県単位で再編成し、新規運営を大量に登用するなど組織力強化を推し進めた。また知名度の向上に伴って寄付金も増加し、2009年度の寄付金額は前年度比110%増の約713万円に上るなど、在特会は黄金時代を迎えつつあった。
だがこの頃になると活動の先鋭化は法的に危険なレベルにまで近づきつつあり、2009年9月には秋葉原での外国人参政権反対デモにおいて沿道で抗議プラカードを掲げた男性を集団で暴行するという事件が発生。また関西では同年12月の京都朝鮮学校ヘイトスピーチ事件(京都事件)や、翌2010年4月の大阪水曜デモ妨害事件・徳島県教組業務妨害事件(徳島事件)など、度を越して過激な抗議活動が立て続けに行われた。
その後関西での各事件に参加した役員・会員が同年の7月から9月にかけて相次いで逮捕され、在特会の名は不名誉な形で大きく報道されることになった。また同年末から公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」において毎年その動向を掲載されるようになるなど、公安警察による監視の目が一層強まる結果となった。
逮捕劇が一段落した2010年10月から丸1年間、在特会はかつてない停滞期を迎える。この時期の会員数の伸びは月当たりわずか66人と最盛期の1/4にも満たず、結成以来最低の水準に落ち込んだ。 さらにチャンネル桜や「主権回復を目指す会」(主権会)・「日本を護る市民の会」(日護会)など、これまで共闘していた右派系組織との関係が悪化。「行動する保守」界の盟主としての地位は保ったものの、以後これらの団体による「右からの在特会批判」に悩まされることになった。 |
加えて内部抗争や先鋭化路線への反発から、副会長・支部長・支部運営らスタッフの辞任・退会も相次いだ[15][16]。会を離れたスタッフの中には、日護会との抗争(在特・日護抗争)において日護会側を支援する動きを見せる者や[17]、在特会的なスタイルを否定した独自の右派系市民団体を立ち上げる者[18]も見られた。
こうした状況を打破すべく在特会が選んだ道は言動の更なる先鋭化だった。特に桜井会長は2011年5月に京都で開催した集会で「在日朝鮮人や反日極左を皆殺しにしなければならない日が必ず来る。その覚悟が我々に問われている」と会員らに熱弁を振るい、同年11月には朝鮮大学校を訪れて「我々は朝鮮人を殺しに来た」と叫ぶなど、公然と在日や左翼の殺害をほのめかす発言に及ぶようになっていった。
この影響で会員や一般参加者も言動が次第にエスカレートし、抗議先企業の製品や韓国国旗を踏み付ける、韓国要人の人形を引きずり回して首を切断するなどの行動が現れ始めた。また2012年6月から在特会を中心とする「行動する保守」陣営が共催している嫌韓デモでは、「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「朝鮮人の女はレイプしてもいい」「鶴橋大虐殺を起こす」などの過激な文言を散りばめたコールやプラカードが頻出し、物議を醸した。
また先鋭化と同時に活動領域の拡大にも努めた。東日本大震災と原発事故を機に電力不足を奇貨とした反「反原発」運動や反パチンコ運動に乗り出したほか、同年8月6日には広島で核武装推進デモを挙行。反核運動や平和運動に取り組む被爆者やその支援者を糾弾し、原爆ドームの解体を訴えるという前代未聞の行動に出た[19]。
これらの先鋭化・多角化路線がネット右翼層の評価を得たか、2011年10月頃になってようやく会勢に回復傾向が現れ始めた。同月から2013年9月までの2年間における月平均会員増加数は136人と、全盛期の半分程度ではあるものの、一時の底はどうにか脱した形となった。
言動の先鋭化に伴い、2013年頃からヘイトスピーチ規制の是非が社会問題として争点化し、大手マスコミや政界でも在特会の活動が取り沙汰されるようになった。翌2014年には国連などの勧告もあってヘイトスピーチ規制法の制定が本格的に検討される段階に至っており、会の活動を展開する上での懸念事項となっている。
在特会側は2013年2月の全国大会で保守政界との連携を課題として挙げていたものの、国内外で在特会の排外主義団体としての評価が固まってしまったことからパイプ構築は難航。第2次安倍改造内閣で国家公安委員長に就任した山谷えり子が増木重夫元関西支部長・西村斉元京都支部長らとの交友関係を疑われ、国内外でスキャンダルとなったことからもわかるように、保守政界の側も在特会と表立って関係を結ぶことは困難な状況にある。
一方活動の現場では「レイシストをしばき隊」「男組」などの対立勢力がカウンター活動を展開するようになり、街宣やデモの現場におけるトラブルや小競り合いが増加。2013年6月には桜井会長自身が暴行容疑で逮捕されるに至った[20]。さらに同年10月には京都事件に関する民事訴訟で約1226万円もの賠償を命じられ(2014年12月、上告棄却により判決確定)、他にも2件の民事訴訟[21]を抱えるなど、法的リスクの顕在化が進行している。
こうした中で一つの象徴的な事件が起きる。2014年8月15日、懇親会後に偶然カウンター勢力と出くわした在特会および友好団体のメンバーらがカウンター側に暴行を加え、2人に肋骨骨折などの重軽傷を負わせたのである[22]。この事件で在特会は三重支部運営が逮捕された(また友好団体に移籍していた前三重支部長も逮捕された)。
これまでの在特会による違法行為は活動の現場で活動に付随して行われたものであり、それゆえに「仮に行き過ぎがあったとしても活動自体は正当だ」と抗弁することも可能だった。しかしこの事件は活動外で行われた傷害事件であるにもかかわらず、在特会は逮捕者への支援街宣を行うなど擁護の動きを見せた。これは在特会が「市民団体」の枠組みから逸脱し、欧米の極右団体や、思想は真逆であるが日本の新左翼団体の側に接近しつつあることを示す事例となった(ただしこれらの団体と異なり、傷害の正当化はしても殺人などの正当化には及んでいない)。
2014年11月、8年間に渡って会を率いてきた桜井が同月限りでの会長退任と退会を表明。12月1日付で筆頭副会長の八木が会長に昇進した。八木新会長は「変化」をスローガンに掲げ、ヘイトスピーチ規制にも対応できる活動手法の確立を目指すとして、当面は会員からの意見集約と政治家への働きかけの強化に努めることを表明した。また今後は活動外で違法行為に及んだ場合に会としての支援を行わないことが確認された[23]。
桜井は退任時のニコニコ生放送で「これからは政治に力を入れるので、イケイケドンドン路線の方は私と一緒に降りて頂きたい」と呼びかけており、会長交代を機に2009年頃から続いてきた先鋭化路線に一定の区切りをつけ、初期の路線に回帰することで保守政界とのパイプの再構築を目指そうとする会の新方針が明確になった。ただし八木自身は「やり方を元に戻すのも変化」として先鋭化路線への回帰の選択肢を留保している[24]。
一方で、八木が在特会最大の事件として広く知られる京都事件の参加者の一人である(個人として約672万円の賠償を命じられている)ことから、保守政界側が表立って関係を作りにくい状況に変わりはないとの指摘もある。また地方での活動は各支部の裁量に委ねられるところが大きく、新方針がどこまで徹底されるかは依然不透明である。
結成時より「7つの約束」と称する活動指針を掲げている[25]。
- 在日による差別を振りかざしての特権要求を在特会は断じて許しません。
- 公式サイトの拡充、各地での講演会開催などを様々な媒体を通じて在日問題の周知を積極的に行っていきます。
- 各所からの講演要請があれば在特会は可能な限り応じ、集会の規模を問わず講師の派遣を行います。
- 「在日特権に断固反対」「在日問題を次の世代に引き継がせない」意思表示として在特会への会員登録を広く勧めていきます。
- 当面の目標を登録会員数一万人に定め、目標に達し次第、警察当局や法務当局、各地方自治体、各政治家への在日問題解決の請願を開始します。
- 在日側からの希望があれば、放送・出版など様々なメディアにおいて公開討論に応じます。
- 不逞在日の犯罪行為に苦しむ各地の実態を知らしめ、その救済を在特会は目指していきます。
具体的な「在日特権」としては特別永住許可や通名使用などを挙げている。ただし桜井会長は在特会結成前から「在日全員送還論」を唱えており、公式サイト上で行われたアンケートでも全員送還論の支持率が68%に上る一方で「他の外国人と同等に取り扱う」はわずか26%しか支持を得ていないなど、実際には「特権の剥奪」ではなく「追放」が主たる訴えとなっている[26]。なお同様の「特権」を有する在日台湾人については特段批判を向けていない。
活動のテーマを見ると、会の表向きの目的である「在日特権」を直接取り上げるものは少数に留まっている。徳島大学の樋口直人准教授が調査したところによると、在日コリアンを対象に取るイベントは最も多い年でも活動全体の3割程度であり、シェアの最も多い「韓国・中国などの近隣諸国糾弾」に「自由主義史観の喧伝」「リベラル・左翼の糾弾」を含めると例年活動全体の5割以上を占めるようになるという。
また「正論」「諸君!」「Will」の右派論壇誌3誌が扱うテーマの推移と在特会が扱うテーマの推移を比較したところ、両者におおむね一致した傾向が見られることから、在特会は右派論壇の言説の機会構造に反応し、在日特権以外のテーマも積極的に取り入れることで勢力拡大を図っていると指摘されている[27]。
活動時にはデモや街宣などの集団示威行動を多用する傾向が見られる。示威行動は人通りの多い都市中心部か糾弾対象となる個人・団体の関連施設周辺で行うことが多い。また糾弾対象が行う街宣・デモに対して「カウンター」という形で街宣・デモをぶつける場面もしばしば見られる。
示威行動前にはネット上で参加の呼びかけが行われ、終了後は撮影班により活動の様子を収めた動画がYoutubeやニコ動にアップされるのが通例である。在特会関係者によってアップされた動画はニコ動政治カテゴリでも一定の割合を占めており、ランキングに顔を出すことも珍しくない。他方で、宣伝のためにアップした動画が裁判で違法行為の証明に使われるという皮肉な事態も引き起こしている。
役職 | 氏名 | 会員番号 | 着任日 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
会長 | 八木康洋 | A0000527 | 14/12/01 | 茨城支部長兼任 | |
副会長 | 筆頭 全国地区統括 中部地区 | 長尾旭 | A0008414 | 12/06/19 | |
北海道地区 | 藤田正樹 | A0002330 | 10/10/01 | 北海道支部会計兼任 | |
東北地区 | 菊地内記 | A0006533 | 13/11/23 | 宮城支部長兼任 | |
関西地区 | 神功正毅 | A0002173 | 13/03/26 | 滋賀支部長兼任 | |
中国・四国地区 | 先崎玲 | A0000033 | 10/10/01 | ||
九州地区 IT関連統括 | 藤井義行 | A0001086 | 11/11/08 | ||
事務局 | 局長 | (空席) | |||
次長 | (空席) | ||||
広報局 | 局長 | 米田隆司 | A0000068 | 08/02/10 | 関東地区統括代行 |
次長 | (空席) |
かつて本部執行役員の地位にあった者は以下の通り。
着任日 | 退任日 | 役職 | 氏名 | 会員番号 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
07/01/20 | 14/11/30 | 会長 | 桜井誠 | A0000001 | 退任日に退会 |
07/01/20 | 不明 | 副会長(会員登録担当) | 御影草志 | 不明 | 少なくとも2010年10月までは在任 |
07/01/20 | 08/07/01 | 事務局長 | 高橋賢一 | 不明 | 現「クリーンかわさき連絡会」代表 |
07/01/20 | 07/12/08 | 副会長(IT担当) | 新井知真 | 不明 | 在日3世(帰化) 退任日に退会 |
07/06/18 | 08/04/07 | 副会長(支部調整担当) | 花御堂久子 | A0000679 | |
08/02/10 | 14/11/30 | 事務局次長 | 吉田正美 | 不明 | |
08/02/10 | 12/01/18 | 副会長・事務局長 | 桜ゆみこ | 不明 | 現「なでしこアクション」代表 |
09/06/08 | 15/01/10 | 広報局次長 | 小林徳鷹 | A0000005 | |
10/04/09 | 14/11/30 | 副会長(関東地区) | 大久保王一 | A0005296 | 2013年初頭から活動休止 |
10/04/09 | 12/06/11 | 副会長(関西地区) | 川東大了 | A0001595 | |
10/10/01 | 11/09/12 | 副会長(中部地区) | 岩橋未子 | A0002010 |
役員退任後は在特会と共闘を続ける者(桜井・高橋・川東)、別路線で右派系市民活動を続ける者(桜)、活動からフェードアウトする者(御影・大久保)、反在特会に転じる者(新井)など様々である。
在特会の支部は都道府県単位で編成されており、2015年1月31日時点で36都道府県に支部を設置している。ただし過去1年間全く活動していない支部が7つあり、実質的には29支部体制となっている。
三大都市圏での活動が最も活発であり、次いで北海道(札幌周辺)・南東北と続く。広島・福岡では以前は活動が盛んに行われていたが、2013年末から2014年にかけて幹部同士の方針の相違から役員が一斉辞任して新団体を設立したため、在特会としての活動は停滞している。北陸・四国ではほとんど活動実態がない。
各支部の活動頻度・運営数・会員数等のデータについては単語記事「在特会地方支部の一覧」を参照のこと。
会員種別は「メール会員」「会員」「特別会員」の3種類からなる。メール会員は街宣等への参加・協力を義務付けられず、特別会員は年会費1万円を徴収されるという違いがある。いずれの種別も基本的にメールアドレスとハンドルネームのみで登録できる[28]。会員の大半はメール会員である[29]。会員の男女比は6:1と圧倒的に男性が多く、地方支部を含めても女性役員は10人程度に留まっている。
桜井誠前会長を筆頭にほとんどの会員はハンドルネームや偽名を用いて活動している。本部・支部の運営に就任すると公式サイトに会員名が掲載されるが、その際には改めて本名を使わない方がよいとのアドバイスを送られるという。こうした秘密主義的な方針について在特会側は「在日・サヨクの襲撃を受けるおそれがあるため」と主張しているが[30]、八木康洋現会長を始め、実名を名乗って活動を続ける会員も一定数存在する。
2015年1月31日時点で本部・地方支部いずれかの役員に就任している会員は91人である。内訳は本部執行役員8人、同運営補助3人、地方支部長23人(うち3人は執行役員兼任)、同会計3人(うち1人は執行役員兼任)、同運営58人。最盛期には100人を超えていたが、近年は特に地方での人材難に悩まされている。
活動に要する費用や事務所・サーバー等の維持費用、訴訟費用などは主に支持者からの寄付によって賄っている。この他に特別会員から徴収する年会費、マスコミ・研究者から徴収する取材協力費(前述の樋口准教授は「1人2時間1万円」を請求されたとのこと)、長崎支部直営の愛国グッズショップ「縁下」の売り上げなども収入源となっているが、寄付収入に比べると微々たる額に留まっている。
近年はパトロンの離反や京都事件に関する巨額賠償もあって財政難に苦しんでおり、全会員に1000円以上の寄付を求める、友好勢力に呼びかけて裁判支援用の団体を設立するなどの対策に乗り出している。なお京都事件の控訴審敗訴後に賠償金を一括弁済していることから、現在も一定の資金力は維持しているものと思われる。
2014年12月に月額540円の有料ニコニコチャンネルを開設。規約上、チャンネル入会者1人あたり月380円程度が在特会の収入になる(残額は手数料・消費税およびドワンゴの取り分となる)計算であり、在特会にとって非常に大きく、かつ安定した収入源となる可能性がある。
各年度ごとの年度末時点での会員数(推計含む)・設置支部数・寄付金額は以下の通り。
年度 | 会員数 | 設置支部数 | 寄付金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2006 | 1,235 | 1 | 1,563,920 | 12月以降のみ |
2007 | 3,272 | 4 | 1,723,738 | |
2008 | 5,073 | 4 | 3,391,819 | |
2009 | 8,482 | 23 | 7,131,603 | 4月にカルデロン一家追放デモ |
2010 | 9,983 | 32 | 15,439,853 | 京都事件・徳島事件に関する裁判費用の増大 |
2011 | 11,408 | 34 | 7,121,729 | |
2012 | 12,798 | 34 | 7,922,653 | |
2013 | 14,311 | 35 | 11,107,189 | 京都事件民事訴訟で賠償命令 |
なお2013年度中に京都事件民事訴訟の仮執行停止に必要な供託金の半額(約500万円)に相当する寄付金を集めたとされているが、これは会計に組み込まれていないため上記データにも加えていない。そのため2013年度中に集めた寄付金額は実際には約1600万円程度だったものと推測される。
初期の在特会は地方議員レベルであれば保守政界から表立った協力を得られることもあり、2009年1月の全国大会では吉田康一郎都議(当時、現在は次世代の党の支部長)がゲストとして賛辞を述べている。
しかし活動の先鋭化に伴い国内外で排外主義組織として扱われるようになると、次第に保守政界では在特会との表立った接点を作りたがらないようになっていった。上述の吉田が「抗議の域を超えた誹謗・中傷・攻撃に走るようになった」として会への賛意を撤回したほか、「行動する保守」系デモに参加した片山さつき参議院議員が在特会との関係について強く否定したり、在特会幹部との交友疑惑を追及された山谷えり子国家公安委員長が国会答弁で在特会の一部活動はヘイトスピーチにあたると批判せざるを得なくなったりしたのはその一例と言える。
ただし在特会に共感する保守系政治家は依然として一定数おり、2012年の総選挙で兵庫12区から自民党公認で出馬した弁護士の岡崎晃はTwitter上で在特会への賛意を明確に表明して物議を呼んだ(大差で落選し支部長退任)。また2015年の吹田市議選において、大阪維新の会が在特会大阪支部元運営の関西一朗こと杉山武敏の擁立を試みて話題を集めた(後に杉山は公認を辞退。また維新側は「杉山が在特会に批判的な立場に転じている」ことを擁立容認の理由として挙げており、在特会時代の活動を評価するとはしていない)。
維新政党・新風とは鈴木信行代表が嫌韓路線をメインに切り替えたこともあって友好関係を再構築しているが、新風自体が党籍地方議員数名程度の弱小勢力に過ぎないこともあり、有力な政治的後ろ盾とはなっていない。
在特会の公式サイトで定期的に行われている政党支持調査の結果は以下の通りである。
右派 | 中道・左派 | その他 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自民 | 維新系 | 国民新 | みんな | その他 右派 |
共産 | 民主 | その他 中道 左派 |
その他の 政党 |
支持なし 棄権 |
|||
たち日 石原新党 次世代 |
日本維新 維新の党 |
|||||||||||
2008年 | 5月 | 39.9 | - | - | 4.2 | - | 0.2 | 1.9 | 11.0 | 4.7 | 33.1 | 4.9 |
9月 | 59.9 | - | - | 2.7 | - | - | 3.6 | 11.3 | 1.0 | 19.0 | 2.5 | |
2010年 | 5月 | 40.5 | 32.8 | - | 2.0 | - | 0.7 | 2.4 | 3.9 | 6.7 | 8.8 | 2.3 |
2011年 | 2月 | 39.4 | 36.6 | - | 1.9 | 7.9 | - | 4.2 | 2.1 | 2.4 | 5.4 | - |
2012年 | 3月 | 34.2 | 33.7 | - | 1.4 | 5.2 | 0.1 | 2.5 | 1.9 | 1.3 | 4.1 | 15.6 |
11月 | 58.6 | 27.9 | 3.4 | - | 0.9 | - | 2.2 | 2.1 | 2.0 | 3.0 | - | |
12月 | 76.1 | 11.2 | 0.2 | 1.0 | - | 2.9 | 2.5 | 1.6 | 4.6 | - | ||
2014年 | 6月 | 50.8 | 10.3 | - | - | - | 4.4 | 1.7 | 2.5 | 11.7 | 18.7 | |
11月 | 30.7 | 50.8 | 3.3 | - | 0.7 | - | 4.0 | 1.7 | 2.3 | 6.5 | - |
自民党とたちあがれ日本・次世代の党が際立った支持を集めており、最新の調査では次世代の党が初めて自民党から支持率1位の座を奪っている。こうした政党支持分布は概ねネット右翼界のそれと一致している。
なお樋口が「行動する保守」系活動家34人(うち在特会員は25人で、21人は本部・地方支部の役員)から投票行動に関する聞き取り調査を行ったところ、活動に身を投じる前から自民党に投票してきたという層が24人と多数を占め、活動参加後はたちあがれ日本と維新政党・新風に投票しているとの回答が増加したという[31]。
右派系市民団体の中には在特会で執行役員や地方支部長の職にあった活動家が、いわば「独立」する形で結成したものが数多く存在する。これらの団体と在特会の関係は独立の経緯によるところが大きく、人間関係のトラブルで離脱したケースなどではお互い没交渉になったり、時には在特会に批判的な立場に転じる場合もある。
団体名 | 活動 基盤 |
設立年 | 指導者 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
名前 | 在特会での地位 | ||||
なでしこアクション | 東京 | 2011年 | 山本優美子 | 本部事務局長 | 在特会時代は「桜ゆみこ」名義 |
クリーンかわさき連絡会 | 神奈川 | 2009年 | 高橋賢一 | 本部事務局長 | |
愛国啓蒙会 | 千葉 | 2013年 | 奥田洋平 | 千葉支部長 | 旧名「拡声器友の会」 |
山城乃圀企画 | 京都 | 2011年 | 西村斉 | 京都支部長 | 収監のため活動停止中 |
国家主権を考える会 | 奈良 | 2011年 | 中野亘 | 奈良支部長 | |
国を支える保守の会 | 大阪 | 2012年 | 成瀬要平 | 大阪支部長 | |
凛風やまと・獅子の会 | 大阪 | 2012年 | 獅子座なお | 大阪支部長 | |
反日と闘う会 | 広島 | 2014年 | 川上直四郎 | 広島支部長 | 日本保守同盟_チーム零所属 |
八百万の会 | 島根 | 2014年 | 大嶋聡 | 島根支部長 | |
正しい日本をつくる市民の会 | 山口 | 2011年 | 高山正憲 中島隼 |
山口支部長 福岡支部長 |
活動停止中 |
敷島の風 | 長崎 | 2012年 | 小川茂樹 | 長崎支部長 | 在特会時代は「晴朗波高」名義 |
日本人が本気で怒る会 | 福岡 | 2014年 | 沢村直樹 | 福岡支部長 | 日本保守同盟_チーム零所属 |
早乙女会 | 福岡 | 2014年 | 石上ねねこ | 福岡支部運営 | 日本保守同盟_チーム零所属 |
トンスラー撲滅委員会 | 大分 | 2014年 | 松原政義 | 大分支部長 | 日本保守同盟_チーム零所属 |
地方支部のコミュニティについては単語記事「在特会地方支部の一覧」を参照のこと。
掲示板
9122 ななしのよっしん
2024/06/05(水) 19:39:15 ID: 5o4uHpvPlh
>>9121
ネットじゃ昭和の右翼団体に在日が加入していていたのは
自作自演の陰謀説が唯一の正解みたいになっとるが
1.冷戦時代の韓国は反共国家だから一応は同盟国
(東声会の町井久之とか自民党とも仲良しだった)
2.戦前までのアジア主義の名残り
(大山倍達も石原莞爾がつくった東亜連盟の会員だった)
3.まともな職業に就けずヤクザ組織から任侠系右翼に転じた
(大日本国粋会みたいな任侠系右翼は戦前から多い)
のパターンが実際は大部分だから(平成以降は知らん)
9123 ななしのよっしん
2024/08/16(金) 20:04:54 ID: ptL0MgkYna
結局殺す殺すと口ばっかり一丁前で一人も殺れないヨワクソの集まりだったな
悔しかったら自分の言葉の責任ぐらい果たせよな
それもできないなら簡単に死ねとか殺せとか言うんじゃねえよ
9124 ななしのよっしん
2024/09/01(日) 13:40:44 ID: 91XZmm4fwS
>>9123
それは全く正しい。
で、その暴言の数々もことごとく西村修平のパクリ。
それがネット動画の影響で2010年上半期にバブル動員を達成するも、
大量逮捕と巨額賠償請求で元の雑魚に戻った。
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最終更新:2024/12/04(水) 06:00
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