風雲児たちとは、漫画家みなもと太郎のライフワークと化した「幕末を描くはずが何故か関ヶ原から始まった」コミックである。2018年元旦に「蘭学革命篇(らんがくれぼりゅうしへん)」としてNHKでドラマ化された。
執筆開始は1979年。「五稜郭までの歴史群像モノを描いて欲しい」との要望から、「実は幕末の種は関ヶ原に蒔かれている」と関ヶ原の戦いから話は始まる。しかも、さらりと流すのかと思いきや、その関が原だけでも単行本1冊を優に超える紙幅でガッツリと描いてしまった。それ以降も「あれも描きたい、これも描きたい」と中々幕末までには行かず、遂に編集から「もう少しスピードアップしてください」と要求され作者曰く「もっと掘り下げて描きたかった」のだが、一部短期間の描写になってしまったと悔やんでいた。ついには雑誌がリニューアルされるときに「打ち切って坂本龍馬を主人公にしてください」と「雲竜奔馬」に切り替わった。このマンガも5巻で終了。未完に終わるのかと危惧されていたが、リイド社の「コミック乱」で2001年から「風雲児たち 幕末編」の連載が開始された。単行本は2020年8月現在、既刊34巻。
作品内にパロディ・ギャグが多く入っており、かつては単行本に「ギャグ注」などというおまけページがあったほど。初期は吉本新喜劇やマンガ・時代劇・時事ネタ。
例として由井正雪の話を「伊賀の影丸・正雪編」そのまんまに描いて「あんたの原稿料は全部横山先生に振り込む」と怒られたりする。これは同じ雑誌で横山光輝先生が描いているから出来たのかも知れないが・・・。また真田信繁(幸村)を杉浦茂タッチで描いたり。
最近ではそれにアニメが加わり、「桜田門外の変」に至る描写でまどか☆マギカネタを入れたり、対馬の騒動に「艦隊これくしょん」ネタが出てきたりしている。
コミックマーケットで「外伝」を出したりしている。実は先生は「作画グループ」という漫画同人誌創作集団に属している。
とりあえず五稜郭まで描くんだとすれば、先生にはあと20年は生きて戴かなければ困る「長編歴史大河ギャグ」である。
…だったのだが。
先生のご逝去により、完結は永遠に見果てぬ夢となってしまった。無念。
2018年の正月時代劇として、前野良沢、杉田玄白らが「ターヘル・アナトミア」を「解体新書」として訳したエピソードの部分をドラマ化したもの。2018年1月1日にNHKで放送。
脚本を三谷幸喜が担当し、前野良沢を片岡愛之助、杉田玄白を新納慎也、平賀源内を山本耕史、田沼意次を草刈正雄と、三谷脚本のNHK大河ドラマでおなじみの面々が出演した。林子平役で「高木刑事」でアニメファンには知られる高木渉も出演。
なんと、みなもと太郎先生も端役ながら「寛三」というキャラクターで出演していた。
この原作にあたる部分は、「風雲児たち~蘭学革命篇~」として特別に単行本化されている。2017年12月17日発売。
掲示板
9 ななしのよっしん
2021/08/28(土) 12:45:10 ID: O8KdK7sZeX
ベニョヴスキーや高山彦九郎のことはこの漫画で初めて知ったし、最上徳内や間宮林蔵、近藤重蔵なんかも、歴史の授業じゃ絶対知り得なかったような側面を知ることが出来た。
何より、歴史上の人物たちの横のつながり(「解体新書」の蘭学者グループと田沼意次とか、尚歯会のメンバーとか)が本当に面白くて、歴史を知る楽しさを教えてもらった。
歴史に興味を持ってもらうのにうってつけのテキストとして、声を大にしておすすめしたい。
みなもと先生、お疲れさまでした。心の底から大好きなシリーズでした。
10 ななしのよっしん
2021/08/29(日) 13:05:39 ID: 26jeDWrq+h
掲載が途絶えがちだと思ってたが…
歌舞伎の「月光露針路日本 風雲児たち」の項もついでに書き加えてもらえると嬉しいな
11 ななしのよっしん
2021/09/29(水) 22:22:08 ID: HY/ws7tOk5
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最終更新:2024/12/05(木) 10:00
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