バ美肉とは、「バーチャル美少女受肉」あるいは「バーチャル美少女セルフ受肉」の略である。バーチャル美少女として受肉することを指す。
基本的に、「美少女の3DCGモデルやイラストをアバター(依り代)として、VRChatなどのバーチャル空間に顕現したり、Live2DやFacerigなどの技術を用いてバーチャルYouTuberとして活動する」という意味で使われていることが多い。発生してさほど時間が経っていない造語のためあまり確固たる定義はない。「美少女」ではなく「美少年」などでも成り立つであろう。
「受肉」とは元々は宗教用語で、キリスト教においてイエスの誕生を意味する。なぜこの言葉がこの界隈で使われるようになったかは不明。
バーチャルYouTuberやVRChatが人気を集めた2018年に、「バーチャルYouTuberになるため」「VRChatに参加するため」といった理由でバーチャル美少女として顕現する人々が増えたため、この言葉が生まれた。さらに具体的な初出情報は下記「初出」の節を参照されたい。
「セルフ」と付いたときはイラストレーターや3DCGモデラーが自ら描いたイラストや自らが制作した3Dモデルをアバターとしていることが多い。ただし当然、「セルフ(自作)でなければバ美肉ではない」というわけではない。バ美肉界隈の重要人物の一人と考えられる「みゅみゅ」氏も、自作キャラクターではなく「ニコニ立体ちゃん」の既存モデルを使用していることが多い。
「美肉」という言葉は「良質な食肉」という意味で使用されることがある(→北大路魯山人 フランス料理について - 青空文庫)。あるいは性的な意味合いをもって使用されることもある(→「官能小説」「美肉」で検索した結果へのリンク)(→吉川英治「私本太平記 婆娑羅帖」- 青空文庫)。しかし「バ美肉」の「美肉」は「美少女受肉」の略でしかなく、カニバリズム的な意味やセクシャルな意味は持たないので誤解なきよう。
バ美肉する人々の受肉前の姿はそれなりの年齢の男性、つまり「おじさん」であることが典型的であるとされる。「バーチャル美少女受肉おじさん」「バ美肉おじさん」などと「おじさん」に繋げて使用されることも多い。これは有名なバ美肉おじさんたち、例えば「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」などからのイメージで語られている一面もあるだろう。だが「受肉に必要なソフトウェアや機材を揃えるためには、自分の収入がある社会人の方が有利である」という現実的な理由もある。ただしバーチャルYouTuberになるための無料ソフトウェアなども増えてきているため、今後は低年齢化も進むかもしれない。
バ美肉を成し遂げた者たちの中には、より美少女らしい立ち振る舞い(界隈では「kawaiiムーブ」と呼ばれる)の修行を始めたり、美少女声を実現するために両声類ボイストレーニングあるいはボイスチェンジャーソフトの使用を試みたりなど、さらなるブラッシュアップを目指す人々も居るようだ。
派生用語として「バ美活」(バビカツ!)なる言葉も生まれている。これは多くの場合は「バーチャル美少女活動」の略であり、バ美肉を成し遂げたのちにバーチャル美少女として活動していくことや、上記のように美少女としてのクオリティを高めるために努力することなどを指すようだ。また時には「バ美肉を達成するための努力、試行錯誤」を指して使われることもあるようで、これは「就職活動」の略である「就活」に類似した用法である。
Twitterで「バ美肉」を検索すると、検索にヒットする「公開ツイート」内で最も早く登場するのは2018年6月7日であり、「バ美肉おワ人狼」という形式で言及されている。これはU.M.E.Projectというニコニコミュニティ(オーナー:ukyo_rst、バ美肉先の名前は「魔王マグロナ」)が開催した「バーチャル美少女セルフ受肉おじさん女子会ワンナイト人狼」という催しの略称であり、2018年6月6日夜に開催され、ニコニコ生放送でも配信されたものである。
なお、省略しない「バーチャル美少女受肉」や「バーチャル美少女セルフ受肉」では上記の配信当日の2018年6月6日には言及されている。
さらに「美少女」を省いた「バーチャル受肉」という言葉は2018年2月2日には既に言及がある。
よって時系列的には「バーチャル受肉」→「バーチャル美少女受肉」→「バ美肉」と発展したことになる。そして語呂のよさから「バ美肉」が広まったということのようだ。
ちなみに、まだ「バ美肉」という略称が生まれる前の2018年5月に、漫画家の「リムコロ」氏とイラストレーターの「巻羊」氏によるバ美肉コンビ「りむとまき」により「バーチャル受肉布教」と銘打ったハウツー解説動画シリーズがYouTubeに投稿開始されていた(その後、「バ美肉」という呼称が普及したことを受けてシリーズ/動画タイトルが「バ美肉布教」に変更されている)。この解説動画を受けてバ美肉を試みるユーザーが増え、そして上記の「バ美肉おワ人狼」の催しへと繋がったようである。そのため、この動画シリーズも「バ美肉」の言葉の成り立ちを考えるうえでは重要である。
バ美肉のホームグラウンドの一つである「VRChat」ではTwitterよりさらに古くから言及されていたという可能性も皆無ではないが、これはログが公開されているわけではないため、確認することは困難であろう。
海外ではあまりこの概念は知られていない。本記事が作成された2018年7月の時点では、ピクシブ株式会社による創作関連メディアサイト「pixivision」のとある記事の英語版が、英語で「バ美肉」について解説した唯一の文書だったようだ。
ただし同記事でも、「babiniku (バ美肉; a term that refers to someone who uses a beautiful girl as their digital avatar)」と英語での解説が入ってはいるものの、その記述は短い。
2018年12月には、英国の公共放送BBCが運営するニュースサイト「BBC News」に掲載されたバーチャルYouTuberの特集記事において、「"Virtual-Bishoujyo-Juniku", or "virtual beautiful girl incarnation"」という表現でバ美肉について言及された。
これは日本初のVR専門ウェブメディア「PANORA」の代表取締役社長である広田稔氏にインタビューした際に、広田氏が話題に出したためであるようだ。氏は歌舞伎の「女形」とバ美肉を比較しつつ語ったという。
「海外ではVBImanと呼ばれているらしい」という情報が流れたことがある。これは「Virtual Bishojo Incarnating man」の略とのことで、incarnateは「受肉する」の意である。ただしこれは元情報を探ると「海外のバーチャルYouTuberオタクの一人が「自分はそう呼んでいる」と発言した」という事例があっただけのようだ。Googleで「VBIman」や「Virtual Bishojo Incarnating man」を検索してもほとんど日本語のページでしか言及されていないため、「海外で広くこう呼ばれている」というわけではない。
「バ美肉」という略称系の初出と思われる「バ美肉おワ人狼(バーチャル美少女セルフ受肉おじさん女子会ワンナイト人狼)」を開催したコミュニティ
YouTubeに「バ美肉布教」シリーズを投稿した「りむとまき」の片方、「まき」である「巻羊」氏のコミュニティ
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最終更新:2024/05/04(土) 17:00
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